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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 14~
2016-12-23 Fri 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Princess? Changmin



『チャンミナ~、お待たせ!って、どうした?!』



着替えを持って戻ってきたユンホ殿下は、床に座り込む僕を見て慌てて駆け寄る



恥ずかしい…
自分の言いだしたサプライズにドキドキして腰が抜けました、なんて口が裂けても言えるもんか…



「いやっ、そのっ…僕っ…」



上手い言い訳が思いつかなくて、しどろもどろになってしまう



きっと僕…顔が赤くなっている気がする
一緒にお風呂に入るという一世一代の決意を
頭の中で色々シュミレーションしちゃったから…



そもそも恋愛ごとにオクテだった僕が提案する様な内容じゃなかったのかもしれない



ユンホ殿下は
俯く僕の顎を掬ってジッと見つめてきた



やめて…
僕は今、ユンホ殿下のその目に見つめられて普通でいられる自信が無いんだから



『俺の愛しい人は…案外手のかかるお姫さまなんだよな』



僕の頬っぺたの一番高いところにキスをしたユンホ殿下は、そう言って軽々と僕を抱き上げた



「ひゃぁっっ!!」



力が抜けきっていた僕は慌てて殿下にしがみつく
…そういえば、前にもこんな風にユンホ殿下に抱き上げられた事があったっけ



ユンホ殿下の過去と向き合ってしまい、自分の存在意義を一瞬だけ信じられなくなった時



意識が朦朧とする僕を、僕がいつの間にか覚えてしまった大きな胸の温もりに包んでくれたユンホ殿下



この人は…なんでこんなに温かいんだろう



愛しい
それだけでは表せない様な暖かな気持ちが、僕の心に溢れてくる



ユンホ殿下に言った通り、妃殿下のために豪華に作られた嬪宮の間のお風呂はとても広い



僕を抱きかかえた殿下は器用に足でドアを開けてバスルームに入っていき、手前のパウダールームに置かれている椅子に僕を座らせた



『嬪宮様。本日は尚宮がおりません故、畏れ多いことではございますがこの私めがお手伝い申し上げます』



僕は男だし、普段から尚宮さん達が入浴の手伝いなんかする事はないけど
ユンホ殿下はちょっとおどけた様子でそんなことを言う



恥ずかしがり屋の僕をリラックスさせるためか
それとも、ユンホ殿下ご自身の照れを隠すためなのか…



僕も、そんな殿下の遊びに乗っかった



「そうですか。では、頼みますよ?ユンホ尚宮」



大妃様の様な口調でゆったりと言ってみる
ユンホ殿下と目を見合わせ、どちらからともなく笑い合った



『嬪宮様、人形の様にぼーっとなさらず手を上げてくださいませ。これでは着ぐるみが脱がせられません』



ユンホ殿下は
コ尚宮さんやトン尚宮さんの口調を真似ながら僕の着ぐるみを脱がせていく



『ああっ?嬪宮様!少しは協力してくださいませ!プロレス技は得意なのに嬪宮様は少し身体がお固い様ですね!ほらっ、もうちょっと腕を曲げて!』



着ぐるみの前を開けて脱がそうとするユンホ殿下
手を抜くタイミングが合わずにバタバタしてしまう



片手が抜けず「イタタ!」となり
やっと片手が抜けたと思ったら今度は首の所に中に着ていたインナーが引っかかり
「くっ、苦ぢいっ!」となる



ユンホ殿下ってば…ご自分もそうなのかな?
中に着ていたインナーも一度に脱がそうとするからこんな事になるんだ



『ごっ、ごめんチャンミナ。痛かった?』



上半身裸になった僕の腕をさするユンホ殿下
意識しちゃダメなのに…僕は男なのに…
つい胸を隠しちゃった



『あ……ご、ごめん。いや、そうじゃないな。俺だけ服を着てるから変なんだ!』



そう言って立ち上がるユンホ殿下は
あっという間に着ていた着ぐるみを全部脱ぎ去った



「っ!!!!!」



声にならない声が出てしまう
でもここで顔を覆ってしまったら、ユンホ殿下がせっかく作ってくださった楽しい雰囲気をぶち壊すことになる



「ゆ、ユンホ尚宮!!ぼ、ぼ、私の服を全部脱がす前に自分が脱いでどうしますかっっ!ほらっ、早くっ!」



精一杯の演技で椅子から立ち上がり、半分脱げて腰の所で止まっているバンビの着ぐるみを指差す



『うっ、、、左様でございましたね。申し訳ございません』



側からみたらさぞかし滑稽なこの嬪宮尚宮ごっこ
やっている本人たちはいたって真剣だ



いかに自然な雰囲気をキープしてお風呂に入る事が出来るかという、重大なミッションに取り組んでいる訳なんだから



でも
やっぱり
ここまでが限界だったみたいで



全裸になりバスルームに逃げる様に入っていく僕は背後からギュッと抱きしめられて
そうされた僕もまた、背中に直に触れるユンホ殿下の胸の熱さに頭がカーッとしてくる



愛しい…
好き…
ううん、もうそんな言葉では足りないくらい
僕はこの方を欲している



僕の耳に首筋に、そして背中にユンホ殿下の唇が触れる



その都度、そこからユンホ殿下の身体の熱が移ってくるみたいで
シャワーを浴びる前から何だか逆上せているみたいになる



僕の腕の前で組まれているユンホ殿下の腕に、思わずしがみついてしまった



『チャンミナ…お風呂に入るって言ってたのは誰だっけ?ちゃんと洗わなくちゃ』



出会った頃によくされたユンホ殿下の意地悪
ここにきてまた出るなんて…なんかズルい



「そ、そういうユンホ様だって!お手伝い致しますって言ったのは誰ですかっ?!」



精一杯の逆襲に出る
でも…結局は全てにおいて上手な殿下には敵わなくて



ちょっぴりエロじじい的なお顔をされたユンホ殿下に、ピンク色の泡がたくさん浮かぶバスタブに引っ張りこまれてしまった



ユンホ殿下のバカ!
バブルバスまで用意してたなんて!!
どこまでズルいんだよっ、んもぅ!!!







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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 13~
2016-12-22 Thu 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Princess? Changmin



サプライズ…
これは全部、ユンホ殿下からの贈り物だったんだ



たくさんのハート型のバルーンは
僕たちが新婚だという事の象徴なんだろう



以前夢中になって見ていたドラマがあった
めでたくハッピーエンドを迎えた主役の二人
最終回に結婚式を終えた二人を出迎えた部屋が、まさにこんな感じの部屋だった気がする



そして僕がベッドの上に座る大きなトラのぬいぐるみに気を取られていたその後ろから
今度は何と、トラの着ぐるみを着たユンホ殿下が現れた



サプライズの上に更にサプライズを重ねられた僕は
目を大きく見開き、多分口もぽかんと開いてしまってたと思う…



でも
そのびっくりした気持ちが落ち着いてきた後は
色々な感情が止め処なく押し寄せて来たんだ…



初めて会った時は
そのシャープな目でジロッと睨まれた



ご自身の言いたいことだけ簡潔に仰られた後は、初めて会った僕には何の言葉もかけて下さらなかったユンホ殿下



初めて国王陛下にお会いする事で緊張していた僕をからかうように、ワザと握った手を離して下さらなかったユンホ殿下



初めてのご馳走を目の前にして食欲の止まらない僕を見つめ、問いかけに答えてもらえずに突然涙ぐんだ僕にオロオロなさっていたユンホ殿下



その人が



僕へのサプライズという贈り物をするために
ご自分のキャラクターとは似ても似つかぬ可愛い着ぐるみをお召しになられるなんて……



この人は……
何て愛おしいんだろう……



目の奥がジンとして泣いてしまいそうになる自分を誤魔化すために、思わず笑ってしまった僕



僕に笑われてぷりぷりと怒るユンホ様
そんな仕草も、堪らなく愛おしくて……



僕は自分からユンホ殿下を抱きしめていた



僕がもし女だったら、この気持ちは母性本能っていう括りになるのかな?
僕はユンホ殿下よりも年下だけど、愛おしい人を僕の全てで包んであげたいって思ったんだ



その愛おしい人は
尚も僕の感情を揺さぶってくる



『チャンミンが前に話してくれただろ?守ってくれたトラのぬいぐるみの事を。これからはずっと、俺がチャンミンを守るんだ!っていう意味で(トラの着ぐるみを)着ただけ…』



そんなユンホ殿下に
僕は自分の中でどんどん大きくなる想いを、抑えられなくなった



ユンホ殿下は一生懸命理由を説明してくださっていたけれど
その忙しなく動く、ちょっとぷっくりした殿下の唇を塞いでしまった



この人が好き…
自分でどうしようもないくらいに好き…



自他共に認める超恥ずかしがり屋の僕でも、想いを伝えるにはこれしか方法が見つからなくて



でもそれは
ちゅっと音を立てて触れくるらいの、子供じみたかわいいキスだったけれど…



僕がこんな気持ちになったのにはもう一つ訳がある



僕たちは何だか
いつの間にかずっと近くなっていた様で
思うことや考えることが似てきたみたい…



何かのタイミングで殿下を驚かそうと用意していた物が、そっくりそのまま殿下と同じだったんだ



ユンホ殿下を小さな時から見守ってくれていた、ぬいぐるみのバンビ
王妃様がお手製で作られたと聞いていた



でもこれからは僕が殿下をお支えするいう思いで、ネットでバンビになれる着ぐるみを探したんだ



僕だけが幸せになるのは不公平だから、王妃様に教わりながら殿下のバンビに相棒を作った
それを殿下に今日お渡ししようと思っていたから…



僕のベッドに座るぬいぐるみのトラ
僕が作ったぬいぐるみのバンビ



ユンホ殿下がお召しになるトラの着ぐるみ
そして僕も…バンビの着ぐるみを着る



こんな偶然も僕にはやっぱり奇跡に思えて
ユンホ殿下への想いがどんどん溢れてくる…



思いがけず与えられた殿下との二人きりの夜
とっておきの…とまではいかなくても、二人の間に色んな思い出が出来ればいいなって思ってた



そうは思っても
着ぐるみを着てバンビに扮する事やぬいぐるみを用意してあった事は、先にユンホ殿下にやられてしまったから…



僕から…何かサプライズを贈れるだろうか?
僕が見てたあのドラマで…何かいいヒントは…



あっ!
……恥ずかしいけど……言えるかな?



「嬪宮の間のお風呂はすごく広いんです。だから…そのぅ…よかったら一緒に入りませんか?」



良かった…何とか言えた…



けどやっぱり!!
どうしよう!!大丈夫かな?!僕っ!!



着替えを取ってくると急ぎ足で出て行ったユンホ殿下の背中を見送り、言ったそばからヘナヘナと崩れ落ちる僕だった






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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 12~
2016-12-21 Wed 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
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side Crown Prince Yunho



新しい相棒を迎えて嬉しそうにしているバンビ
二人していつまでも見ている場合じゃなかった



トラとバンビになった俺たちが
とっておきの夜を過ごす事がメインだっつーの



『チャンミナ、戻ろう』



可愛すぎるチャンミンを見ただけで、ちょっとだけ元気になってしまったアレは
ゆったり設計のパジャマのおかげで誤魔化せているけれど



腰を引き気味にしたまま、チャンミンの手を取った



サプライズは飾り付けやこのトラさんパジャマだけじゃないんだ…早く部屋に戻らなくちゃ



さっきはバンビに連れられたトラが東宮殿のホールを通り、今度はトラが可愛いバンビを連れて戻る



その順番の方が、正解だよな
これから可愛いバンビをトラが食べちゃうんだからァ~!!



って、どうも最近の俺はテミンのテンションに引っ張られて似てきた気がするぞ
いや、テミンがおバカって言ってるわけじゃないんだが…



『チャンミンはここに座って?俺、色々用意してあるんだ』



そう言う俺にチャンミンは一瞬迷ってから



「えっと、殿下はもうお風呂は入ったんですか?」



なんて言ってくる



何だかチャンミン、積極的なんだけどっ!
さっきからドキドキしっぱなしの俺の心臓が、チャンミンの一言で更に鼓動を速める



「僕、いつもだいたいこの時間にお風呂に入るんです。習慣が変わると何だか変なので…」



なーんだ
俺だけやたらがっついてるみたいだな…



そうだよな。チャンミンって何をするにも自分に習慣づけてきちんとやってる感じだから…流れが変わるのがストレスになるのかも知れない



まっ、いっか
風呂に入ってきて…それからもう一度仕切り直せばいい



『いいよ、入ってきて。俺も自分の部屋に戻って入ってくるから』



そんな気になって扉の方へ振り返った



「あっ…ユンホ殿下、待って。えっと…嬪宮の間のお風呂はすごく広いんです。だから…そのぅ…よかったら一緒に入りませんか?」



チャンミナ?



・・・・・今何て言った?!
チャンミンが下向いちゃうから聞こえにくかったんだけど……



“一緒に入ろう”
って言ったよな?!?!



!!!!!
我が妃が…超恥ずかしがり屋のチャンミンが…
一緒にお風呂に入ろうって言ってる!!



どうしよう!俺!!
自分でも自分のキャラが分からないくらい動揺してるっ!!



だって俺たち…まだ…その…あれだ
結ばれたのもたった数回だけだっていうのに
いきなりお風呂!!



いや、待てよ…



何を動揺してるんだ俺は!!
よくよく考えたら、チャンミンの里帰りについて行った時だって一緒に入ってるじゃないか!



使い方がわからないと駄々をこねて、服を着たチャンミンを無理やり風呂場に引きずり込んだだけだけど…



〈男同士なんだからいいじゃない〉



テミンだってそう言ってたじゃないか!
そうだよ、男同士が一緒に風呂に入ったってどうってことないんだ!!



『よし!チャンミナ!一緒に入ろう!とりあえず俺、着替え取ってくる』



待てよ
俺の下着はどこに入ってるのかちっとも分からないぞ?



自分が手を煩わす事なく、全てのことを女官たちがやってくれるという皇太子としての人生が
まさかこういう時に仇になるとは思いもしなかった



仕方ない
探して見つからなければ…チャンミンに借りよう



俺はトラのパジャマのまま再びホールをダッシュで通り過ぎ、自分の部屋に駆け込んだ



色々と段取りをつけたつもりでも、こんな風にバタバタしてしまう



まあ、いっか



俺は…チャンミンに対して、飾らない自分でいたいって思ってるから



クールでいる事はむしろ簡単だ
今までと同じ様に、ただ黙って冷めた目で何も見なければいい



でも多分きっと
こんなバタバタしている俺の方がずっと俺らしいのかもしれない



そういえば小さい頃…
父上も母上に対して、何だかいつもバタバタと動いていた記憶がある



今から数十年後は
今の父上の様にゆったりと落ち着いて居られるかな…



そして俺の愛しい人は
今の母上と同じ様にその俺のそばで、きっと穏やかに微笑んで居てくれるよな



今夜の俺は勘が冴えてる
一番最初に開けてみた引き出しに入っていた着替えを持って、再び可愛い俺のバンビの元へ向かった






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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 11~
2016-12-20 Tue 18:00


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side Crown Prince Yunho



『チャンミナ、待ってたよ』



ベッドの奥に隠れていた俺
その俺を見たチャンミンは一瞬固まった後、口元を覆って笑い出した



「ゆ、ユ、ユンホ様っっ!その格好っ!!」



やっぱり…笑うと思ったんだよ…



〈サプライズをするならトコトンやりましょう〉
そんな助言を出し俺をすっかりその気にさせた、イ内官の顔を思い出し歯嚙みをする



そう
俺はチャンミンの枕に置いたぬいぐるみと同じ、トラの着ぐるみ風パジャマを着ていたんだ



『ホラっ、やっぱり笑った…んもぅ!だからイヤだったんだ!!!』



ぷりぷり怒る俺に慌てて駆け寄るチャンミン



「違うんですっ!可笑しいっていう訳じゃないんです!びっくりしたのと…そのぅ…ユンホ様がすごく可愛いから…」



そう言って、俺にぎゅっと抱きついた



チャンミンから抱きついてくる事はすごく珍しくて
笑われた恥ずかしさも忘れ、今度は俺が固まる



「これは…特別な夜だからということでして下さったんですよね?どうしよう…すごく嬉しいです」



抱きついたまま俺の胸元で言うチャンミン
何だろう…いつも俺が抱きしめている時とは違った感覚にとらわれる



チャンミンに抱きしめられているという安心感を、何故だか感じたんだ



『その、なんだ。俺たちさ、結婚したのに何だか新婚めいた事って何にもなかっただろ?チャンミンのそばにはいつもテミンがいるし…』



一方的に抱きつかれていたけれど、ようやく自分のペースでチャンミンを抱き返す



背は同じくらいなのに手をチャンミンの背に回すと、チャンミンは俺の腕の中にすっぽりと埋もれる様になるんだ



チャンミンはまるでトラさんに甘えるように、俺の胸元に顔を押しつけた



『だから今日はさ。ベタな方法でもいいから思い切り新婚さんになりたかったんだ。このパジャマは、その…えーっと…


ほら、チャンミンが前に話してくれただろ?チャンミンを守ってくれたトラのぬいぐるみの事を。これからはずっと、俺がチャンミンを守るんだ!っていう意味で着ただけ…』



その後にも色々言い訳めいた言葉が続く予定だったんだけど



チャンミンからの突然のキスで
…その説明はさせて貰えなかった



「ユンホ殿下…ちょっと待ってて」



突然のキスは、あっという間に終わって
チャンミンは戸棚の中をゴソゴソやると寝室の奥に消えて行った



「夫婦ってずっと一緒に居ると似てくるんだと、ウチの両親から聞いたことがあったんです。ユンホ殿下と僕は…新婚早々似ちゃったのかな?」



奥から出てきたチャンミンはなんと、バンビになっていた
そう、小さな時から俺のそばにずっと居たバンビに



バンビの着ぐるみを着たチャンミンは、手にしていた袋を俺に寄越す



『俺に?』


「そうです。開けて見てください」



トラの着ぐるみを着た俺と
バンビの着ぐるみを着たチャンミンの
傍目から見たらさぞかし笑える光景



でもいいんだ
バカみたいな事でも…
二人して同じことを考えてたっていう事は、それだけで紛れもない奇跡なんだから



リボンを解き袋を開けてみると
中には手製らしいバンビのぬいぐるみが入っていた



「王妃様に教えて頂きながら作りました。ユンホ殿下が僕を守る為にトラさんになって下さったのと同じで、僕はこれから殿下をあの子の変わりに守るつもりでいます」



あの子、というのは
母上が作ってくれた俺のバンビの事だ



「僕と出会うまで、小さな体で一生懸命ユンホ殿下を守ってくれたあの子にも幸せになって貰いたくて。あの子の隣に居る相棒を作ったんですよ」



チャンミンはそう言って笑った
優しい…そしてすごく可愛い笑顔だった



「あの子に会いに行きましょう」



チャンミンは俺の手を引き二人は部屋を出た



人払いを頼んであって良かった…
チャンミンはともかく、トラさんの着ぐるみ風パジャマを着ている俺の姿を女官達に見られなくて心底ほっとする



チャンミンと一緒に俺の寝室に入る
俺はチャンミンがくれたもう一体のバンビを並べて置いた



「これを巻いてあげて…これで良しっと」



チャンミンは袋を閉じていたリボンを俺のバンビの首に綺麗に飾ってあげている
よく見るとチャンミンが作ってくれたバンビが付けている物と色違いのリボンだった



「初めて挨拶をした時、僕はすごく睨まれたんです。だからこの子はきっと女の子だと思います。だから殿下のバンビにはピンクで、僕が作ったバンビはブルーのリボンにしました」



ベッドの上でニッコリ微笑むチャンミン
自分が更に可愛いバンビになっていることを分かっているんだろうか?



だとしたら…相当なヤツだ…
こんな可愛い見た目でこんな可愛い事をされて…
俺がどうにかなるって分かってないって事じゃないかっ!実にけしからん!!!



この場でドーンとチャンミンを押し倒してしまいたいっっ!



でも今俺たちはいつもと何の変わりもない俺の部屋に居るし…
ダメだ!せっかく飾り付けを頑張ったんだから…
新婚さんの部屋に戻るまで我慢するっっ!



「何だか嬉しそう!気に入ってくれたんですかね?」



小首を傾げたチャンミンが言う
パートナーと並んで嬉しそうにしているバンビをよそに、いつものバンビみたいに目を三角にして耐えている俺



バンビになったチャンミンはどんな仕草もめちゃめちゃ可愛くて
俺にとってはどんな悪魔よりも悪い小悪魔だった



トラさんパジャマの腰回りがゆったり設計で良かった…
そんなことを考えながら、やや腰を引き気味にする俺だった







参考イメージです♡
↓ ↓ ↓









※画像は全てお借り致しました


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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 10~
2016-12-19 Mon 18:00


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side Crown Princess? Changmin



四コマ目の後に予定されていたゼミの時間が変更になった



今日は久しぶりにユンホ殿下と一緒に帰ることが出来るかもしれない…なんてちょっぴり期待していたけれど、そんな希望はあえなく崩れ去る



ユンホ殿下はご公務に忙しく、僕はゼミの研究の発表会があるために、ここに来て講義以外でも大学にいる時間増えた



結婚してからは
それこそ四六時中顔を合わせる事になるだろうって思っていたけれど
むしろ少しずつ減って来た気がする



僕もユンホ殿下程では無いけれど単独での公務もあるし…



何だかやたらと時間が早く過ぎていく様な気がするのは、こんな風に目一杯スケジュールが詰まっているからかも



ゼミの課題をみんなで手分けして、何とか区切りをつける
大学を出る頃にはもう辺りは暗くなっていた



帰ったらすぐ夕食の時間になっちゃうな…
迎えの車に乗り込み時計を見る



〈殿下とのウキウキ新婚DAYを満喫してねっ!〉



なんてテミンは言ってたけれど
もう一日の半分は終わっちゃったよ…



ううん、そんな風に考えちゃダメ
冬の夜は長い…
ユンホ殿下との時間はこれから始まるんだ



こんな時のために密かに用意してたあれを出す時がとうとう来た
…実は僕、ユンホ殿下にお渡ししたいものがあるんだ



〈嬪宮様、お帰りなさいませ。ご夕食は国王陛下のお招きで大殿でお摂り頂きます〉



エントランスで出迎えてくれたコ尚宮さんには手でマルを作って返事をし、ダッシュで部屋に戻る
寝室の戸棚にしまっていたあれを取り出し、もう一度リボンを結び直した



お渡しする時までもう少しだけ待ってて
プレゼントにそう呟き、再度戸棚に戻す
小走りでついて来たコ尚宮さんが用意した服に着替えて、僕は息つく間もなく大殿に向かった



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*



国王陛下とユンホ殿下と僕
この組み合わせでの夕食は、初めての事だった



こうして見るとユンホ殿下はお父上に似ておられるんだなと感じる



お顔立ちはどちらかというと王妃様に似ていらっしゃるのだけれど
フォークの持ち方やスープをすする口元が似ていらして、そんな観察をしながらの夕食は楽しかった



途中イ内官さんが殿下を呼びに来て、ユンホ様は急いで東宮殿に戻られてしまったんだけれど



二人きりになりちょっと緊張した僕に、国王陛下はにっこりと微笑まれる



その笑顔がユンホ殿下の笑顔と重なって
愛しい人の数十年後を見た気持ちになった



その時
ユンホ殿下の隣にいる僕は
ユンホ殿下のお母様みたいに



愛しい人と年月を重ねて互いを分かり合い
黙っていても目だけで会話出来る様になれていると良いな



〈チャンミナ、ありがとう〉



数十年後の自分の姿を想像していた僕を現実に引き戻した、陛下の突然のお言葉
急な事でどうお返ししていいのか戸惑った



〈いや、驚かせてすまん。こうして二人になる機会があまり無いのでな〉



陛下は指で額をおかきになる
ちょっと照れていらっしゃるのだろうか
そんな仕草もまた、愛しい人のそれと重なって



〈君のおかげであれは大きく変わった。親の私があれこれ言うよりも、君が意識せずしていた行動が、ユンホを変えてくれたと思っている。


まだまだ子供な面もあると思うが…ユンホとそっくりな私を見捨てずに支えてくれている王妃と同じ様に、ユンホを見捨てずに支えてやって欲しい〉



そう言って恥ずかしそうに微笑まれた



「もちろんです。私の目標は…陛下の隣でいつもそっと陛下を見つめて、和かに微笑まれている王妃様ですから」



本心でそうお答えする



ユンホ様のお子を産む事が出来ない僕にでも出来る、小さなことを一つずつ積み重ねていき
そして大きな支えになっていける様に…頑張ります



国王陛下に心でそうお誓いして、僕は大殿のダイニングを後にした



東宮殿に戻ると、いつも其処彼処に立っている女官の姿が見えない事に気付く
ぽつぽつと警護の人が立っているだけだ



何かあったのかな?
僕についているコ尚宮さんも、何だか距離が遠い



「コ尚宮さん、何か…」



問いかけようとする僕の言葉をコ尚宮さんが珍しく遮った



〈本日は国王陛下からの思召しで、私達の日頃の務めを労ってくださる食事会が行われております。わたくしも嬪宮様をお部屋に送り届けましたので、そちらに向かわせて頂きます〉



え?そうなんだ
いつもの様にきれいにお辞儀をして去っていくコ尚宮さんの姿を見送る



いつも何をする時も側にいるコ尚宮さんが、こんな時間に居なくなるなんて…急に心細く感じた



「テミンも居ないしな……なんか寂しいんだけど」



ユンホ殿下は執務室にいらっしゃるんだ…
明かりの灯っていない対の間を見ながら、必要以上に大きな独り言を言い部屋に入る



とりあえず、大学から帰って来たままにしていた荷物を片付けよう
そう思って寝室の扉を開けて電気をつけた



!!!!!



何これ?!?!



普段から僕には到底似つかわしくない
ピンクのフリフリした雰囲気の僕の部屋が



様々な大きさのハート型バルーンで埋め尽くされていた



そしてベッドの上には
ユンホ殿下がお召しになる正装を着た
大きな虎のぬいぐるみが鎮座していたんだ






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