スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | ∧top | under∨
渇欲 55
2017-04-26 Wed 21:00


このお話はフィクションです






この男に植え付けられてしまった官能は
俺の四肢を完全に絡め取っている様で



ヤツがただ食事をしているだけでも
その艶めいた唇が、俺の身体を疼かせてしまう



身体だけではなく
この男は、俺の心をもあっさりと掴んでしまった



自分の中にある渇いた部分が
チョン・ユンホという男によって満たされてゆくことが怖いんだろうか…



俺は……



『どうした?自分が作った料理の味付けがおかしいのか?俺は美味しく頂いているがな』



そんな俺の心を読んでか
あえてとぼけた事を言ってくるチョン・ユンホ



きっと今
俺はこの男を求めている様な顔になっていた筈で
途端に恥ずかしさが込み上げてきた



「いやっ、別にっ。そりゃあうまい筈だよ!
俺、レストランでバイトしてからな!」



ヤツの前ではどうもうまくいかない
しどろもどろになり、殊更大きな声で言い返す
そんな俺の元にフレアが寄ってきた



「ん?お代わりか?
俺はお前の食事係かよ。仕方ないなぁ~」



フレアの頭を撫でて立ち上がる
するとチョン・ユンホがコーヒーカップを突き出した



『お前の作るカフェオレの味は丁度良い』



チッ…
お前もお代わりかよ、全く
この男も俺を係みたいに扱いやがって…



「フレアはさ、いつまでここに居るの?お姉さんから預かってるんだろ?
俺、こういうデカイ犬と一回散歩してみたいんだけど」



小さい犬は友達の家で抱っこした事もあるけれど
こんな珍しい犬を散歩させたらさぞかし楽しそうだと思って聞いてみる



今日は休みだし
昨日の嫌な記憶も、この男への恋愛感情の様な妙な気持ちも
フレアと一緒に思い切り走って忘れたかった



『毎日散歩させてもいいぞ?お前は若いし、そこそこ体力もありそうだからな。フレアも喜ぶだろう』



カフェオレのお代わりを受け取って一口飲んだチョン・ユンホは
新聞を広げて、俺の視界から急に見えなくなる



『フレアの飼い主は死んだ。
彼は永遠に預かりっ子のままだから、いつでも連れて行って構わん』



え…?
何て言った?
お姉さんは亡くなったのか?



そう言えば…



〈シムさんにヒントだけあげるよ。
あいつには過去に失った大きな存在がある事。
その哀しみの反動が、全てを掌握しようとする原動力になってるって事を…〉



Luciferがそんなことを言ってたっけ
過去に失った大きな存在っていうのがお姉さんって事か?



「……えっ、ああ、そうなんだ。
じゃあ今日連れて行っていいか?俺、今日は休みなんだ」



この部屋の隅にひっそりと飾られていた写真を思い出しながら、お姉さんの事には触れずに訪ねる



なんとなく聞いてはいけない気がした
こんな俺でも…その事は深い事情があるって察したから



『取材は平日限定、週末はしっかり休むのか。まあ、メリハリあるというのはいい事だ

……俺も休みだから、車でも出そう』



は?散歩だって言ってんのに…
新聞を畳んだヤツは、すたすたと部屋を出て行った



よく分かんないけど
あいつとはいつも会話が噛み合っていないし、まあいいや



「食べ終わった皿ぐらい自分で下げろっつーの…」



チョン・ユンホが置きっ放しにしている皿を渋々片付けて、フレアの飲み水を新しく変えてやる



『これも俺には少し小さめなんだ。お前に丁度いいだろう』



前触れもなくいつの間にか戻ってきたヤツが、手に持ったものを俺に渡して寄越す



それは、紺色のシンプルなコートだった
肌触りが滑らかで心地よく、どうやらカシミヤだと思われる



『昨日の事でコートが汚れていただろう?それを着ていけ』



見るとチョン・ユンホも
普段の黒い三揃いのスーツ姿からは随分イメージの違う、カジュアルな服装に着替えていた



「スーツ姿が似合うヤツの普段着って、なんかゴルフウェアみたいだよな」



いつも流し固めている黒髪も、今日は朝見たまんまの洗いざらしの状態で
なんとなくドキドキしてしまう自分が情けなくて、嫌味っぽく言ってしまう



『スーツが似合うと言ってもらえて恐縮だ』



ヤツは俺の頭をぽんと叩いてから『フレア、行くぞ』と声をかけた



フレアの後に、俺も渡されたコートを羽織ってついて行く
チョン・ユンホはフレアの首に刺繍の施された太い首輪を付け、先に靴を履いた俺も一緒に玄関を出た



「ひゃー、駐車場もあんた専用のがあんのかよ」



専用のエレベーターに乗り地下に降りたつと
想像していた広い共有駐車場ではなく、数台しか停められない広さの空間が広がっていた



俺があの夜、目を奪われた黒塗りのベンツは無い
いつも秘書らしい男が運転して来てるから、あれは仕事用なんだろうか
フレアはそのうちの一台に向かって小走りに向かう



『あれはフレアの車なんだ』



その言葉を聞いて口をあんぐり開ける俺
その横を何事もなかったようにヤツが通り過ぎ、リアゲートを開ける
それを待っていたようにフレアが車に飛び乗った



『ほら、行くぞ』



いつまでもぽかんとしている俺の手を引き、座席へと座らせたチョン・ユンホ
リモコンで駐車場のゲートを開けて、車は走り出した



あの夜…
この男と初めて出会った時目を奪われた黒塗りのメルセデスベンツAMG
『フレアの車』と言っていたこの車もベンツだ



いわゆるSUVタイプのこの車がいくらするのか見当もつかないけれど
後部座席の窓を開けてもらったフレアが嬉しそうに顔で風を感じているのを見たら、どうでもよくなってきた



『ああやって外の空気を嗅ぐのが楽しいらしい。冬はたまったもんじゃないがな』



俺が首を後ろに向けてフレアの姿を見ているのへ、ヤツが苦笑気味に言った
確かに暖房を入れていても、冷たい風が前まで流れ込んでくる



「しかしさぁ。犬にベンツが一台か…
他にも停まってたよな。あれもあんたのでしょ?
仕事に行く時の黒いのが一台…何台あるんだよ」



SUVタイプのベンツの横にもう一台ベンツが並んでた事を思い出し、呆れ気味に独り言ちた



『なんだ。お前も欲しいのか?
確かにお前は俺の物だからな、一台あってもいいかもしれん』



…ダメだこいつは
今まで、この男の凄すぎる経歴ばかりに気を取られていたけど
実は頭の中がいかれちゃってるのかもしれないな



「あのね。あんたの物でも何でも、俺専用の車なんかいらねえよ。ポンコツだけど自分の車あるし」



冗談じゃない
車なんかもらったら、それこそ愛人じゃねーか



『俺の物、と認めるのか?可愛いやつだ』



ヤツは俺の言葉じりを捕らえるようにニヤリと笑い、右手で俺の手を掴む



「やめろ!ちゃんと前見て運転してくれよ!
あんたと車に同乗したまま死んだら…何て言われるか想像しただけで変な汗が出るわ」



『そうだな……
テソン代表、年下の恋人と心中か?!という風に、センセーショナルかつシンプルなタイトルになるだろうな』



恋人…?俺が恋人だって言うのか?
…例えば、っていう話だよな



フレアのために全開になっている後部座席の窓から、潮の香りがしてきた事にも
“恋人”というキーワードに動揺していた俺は全く気がつかないでいた



奇妙な関係性の男二人と犬一頭を乗せたMercedes-AMG GLE 63Sは



その白い車体に西海の風を受けながら、乙旺里の海岸へと近づいていた







にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト
別窓 | 渇欲 | コメント:6 | ∧top | under∨
<<渇欲 56 | TVXQ 〜Vertigo〜 | 渇欲 54>>
この記事のコメント
ドライブデートね٩(๑>∀<๑)و♡
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨٩(✘д✘๑;)۶ ³₃┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨出遅れたわ(・:゚д゚:・)ハァハァ

いやーーーーーんΣ>―(*´Д`*)→グサリ今日は
ユノとフレアと海にドライブデートじゃん٩(๑>∀<๑)و♡󾬌󾬌󾬌
朝も 何だかんだ奥さんみたいに
朝ご飯作ってカフェオレのおかわりまで
作ってあげてフレアにもおかわりされて
何だかチャンミン!!妙に馴染んでるし!!
(๑•̀ㅂ•́)و✧
ユノに貰った紺色のカシミアのコート!!
チャンミンにめっちゃ似合いそう(○´艸`)
ってか チャンミンは 何でも似合うけどね( ✧Д✧) カッ!!
最近は ありをのスタポのチャンミン!!
サメパーカー着すぎて
サメになってるし( ・ิ౪・ิ)( ・ิ౪・ิ)( ・ิ౪・ิ)
サメパーカーも着こなすチャンミンが
可愛いわ( ✧Д✧) カッ!!( ✧Д✧) カッ!!

フレアの車って ベンツなのね……( ̄∀ ̄;)
あたしの車は ………えーーっと軽よ( ✧Д✧) カッ!!
(・д・)チッ
2017-04-26 Wed 22:02 | URL | くみちゃん #- [内容変更]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017-04-27 Thu 08:52 | | # [内容変更]
あれ???
昨日はコメント欄開いてなかったよね?
( ´・д・)ン?
ありをがボケたのかもーヾ(●^▽^●)ノわはは♪

もう♡
ラブラブじゃないのぉ(〃艸〃)ムフッ
それになんてゴージャスなお散歩なのぉ‼
フレアったらおベンツ持っちゃってるしぃ‼
チャンミンは愛人じゃなくて恋人がいいのよねぇ(〃艸〃)ムフッ
だからポンコツでも自分で買った車でいいのよぉ(〃艸〃)ムフッ

あ‼
もう出かける時間だわ‼
ありを今から城ホール行ってくるわね(๑˃̵ᴗ˂̵)و
2017-04-27 Thu 14:39 | URL | Ali #- [内容変更]
Re: くみちゃん様
こんにちは!
コメントありがとうございます(o^^o)

昨日は私...一喜一憂でしんどかったです( ノД`)
犬の検査の結果が良くて喜んで、テミンくんにはフラれてどん底まで突き落とされたっていう(T_T)

やりきれない思いのまま、防〇〇〇団の動画を見てふて寝したのは言うまでもありません(´-ω-`)

そうなんです( ✧Д✧) カッ!!
フレアもベンツ持ちですよ!ふふふ...
実生活ではおんぼろのVOX〇に乗っているのでね、せめてお話の中では高級車にと思いまして(*ノω・*)テヘ♡

このお話を思いついたきっかけとなったベンツ同様、フレアのベンツも職場で見たベンツにしました(笑)

それぞれのベンツのオーナーさんは、まさか自分の車が某アイドルをモチーフにした腐小説に使われてるとは思っていないでしょうね(^▽^;)

スタポ...あの一件以来、某アイドルのY氏は服も脱がされて放置されていまして
それに伴い、他キャラも放置気味になってしまっています(T_T)
2017-04-28 Fri 14:31 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
Re: りょ****様
こんにちは!
コメントありがとうございます(*´∀`)

わーい*\(^o^)/*
ツッコミどころ満載で良かったァ♡

そうなんです!「係」と言いつつ、だいぶ馴染んじゃってるチャンミンでした
フレアの「係」は私が愛犬からきっとそう思われてるだろうなぁという自虐ネタを盛り込んでみました(笑)

りょ****さんが仰ってくださったところ!
ユノが新聞を開いて表情が見えなくしたのは仰っていた通りです。
帝王という存在も、弱い部分があるという人間らしさを意識してあえて入れた表現です(*^_^*)

ユノが会社への行き来に使っているベンツ同様、今回のベンツも職場の駐車場に停まってるベンツの型を使いました(^q^)グフフ

どんな物でも、お話に使えそうなものはチェックを欠かしません(笑)
2017-04-28 Fri 14:44 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
Re: Ali様
こんにちは!
コメントありがとうございます(´∀`*)

ハニー!
釣りのやり過ぎで眼精疲労になってない?
やり過ぎはだめよ( ✧Д✧) カッ!!
私のコメント欄が閉じてたのは一個前の更新分よ〜

城ホールは楽しめたかしら?
本当はすみをも二月の大阪城ホールでありをとしゃいにと会うはずだったのに(´;ω;`)ウッ…
神様に引き裂かれたのよ。゚(/□\*)゚。わ~ん

昨日はすみをテミンくんにもフラれたの( ノД`)
私のお財布をがっちり掴むにはこの上ない機会だったというのにね( ✧Д✧) カッ!!( ✧Д✧) カッ!!

ちょっとづつ距離が縮まったでしょう?
フレアがナイスキューピットになれるといいんだけど…♡
普段はおんぼろのVOX〇に物悲しく乗ってるから、お話の中では高級車に乗せてあげたの(^▽^;)
2017-04-28 Fri 14:52 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
∧top | under∨
コメントの投稿

管理者だけに閲覧
 

| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。