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渇欲 45
2017-03-16 Thu 21:00


このお話はフィクションです






考え事をしながら終電に揺られていた俺は
何故か、自宅の最寄り駅ではない駅で降りていた



無意識のまま歩いて行った場所には
以前調べたヤツのマンションがそびえ立っている



「何やってんだ…俺は…」



自分の意識と
それによって動いたらしい自分の足に
言いようのない腹立たしさを感じ、肩を落とす



この場所を調べ上げた時…俺は後ろから襲われ気を失った
次に目を覚ました時、目の前にいたのがチョン・ユンホだった



そしてヤツに抱かれて、無様にも欲を吐き出したんだったな…



さっき見たLuciferの悲哀の色を含んだ目がチョン・ユンホのそれと重なったせいで
やたらとヤツの事を考えていたから、こんなことになったんだ



自分の情けなさにイラついて足元にあった石を思い切り蹴飛ばす
その石は、大きな音を響かせて縁石にぶつかった



深夜0時をとっくに過ぎて、辺りは人影も無くひっそりとしている
蹴飛ばした石をいまいましく眺めながら、来た道を引き返そうとした



車通りも少なくなっていた道路を渡りかけたその時、眩しいヘッドライトに照らされた



『何だ。昨日の仕返しをしに来たのか?』



マンションのエントランスに横付けされた黒いメルセデスAMG
その車から降り立った黒尽くめの男は俺を見るなりそう言った



「っ…違うって…」



そうじゃない、という理由をこの男に言えるはずもなく、俺は返す声すら小さくなってしまう



『俺が帰って来るのを見計らっていた様なタイミングだな』



秘書から渡されたアタッシュケースを受け取ったチョン・ユンホが苦笑しつつ
その秘書が俺を連れて行こうとして腕を掴むのを手で制した



『構わん。ジェウン、帰っていい』



ヤツはそう言ってから、俺について来いと言わんばかりに顎で合図を送る
そして…合図された俺もいつもの様にヤツについて行ってしまう



チョン・ユンホに会うと何で俺はこうなんだろう



こいつは実は毒蛇の化身とかで、俺はその毒にやられてんのかも知れない…
こいつは実は高名な催眠術師で、俺は言う事を聞く術でもかけられてんのかも知れない…



頑丈そうな扉のロックを解除して、そのままエレベーターに乗りこむヤツの大きな背中を見ながら
どう考えても絶対にあり得ない様な理由を考えてみる



無言のままの二人を乗せたエレベーターは目的の階に到着したらしい



…っていうか、このエレベーターも専用かよ
普通のエレベーターにある、停まる階を押すボタンが付いていなくて



エレベーターのドアが開くと、案の定ひらけたホールにはたった一つのドアが有るだけだった
何もかもにいちいち目を丸くして驚く自分に、ますます腹が立つ



『面白いか?そんなにキョロキョロして』



ずっと前を向いていたくせに
そんな俺の事をちゃんと観察しているこの男にもムカついた



「そんなんじゃねーよ」



そう言い返すのがやっとだった俺
強がっても、意気がっても、この男には何も通用しないって最近ようやくわかった



生きてきた人生の長さだけじゃなくて
チョン・ユンホという男の技量に圧倒されてる
俺なんか…ヤツの足元にも及ばない



『茶ぐらい飲ませてやる。入れ』



玄関に付いているセキュリティロックもドラマや映画で見る様なハイテクの物で
この前うちに来た時は余りのアナログさにさぞかし驚いただろうと思った



行き先が一つしかないエレベーターにもフロアに一つしか玄関がない事にも驚いたけれど
ヤツの家に入るのは初めてだから、驚きだけではない緊張感も湧き出てくる



「おじゃまします」



そしてこんな相手の家に入る時もそんな風に言ってしまう自分
…挨拶をきちんとしなさいって俺を躾けた親のせいだ



「広っ!デカっ!」



書く事を仕事にしているとは思えない様な
表現力にセンスのかけらも無い自分の発言



俺ん家の寝室くらいありそうな玄関の広さにも目を白黒させられて
リビングらしき部屋に入った途端ゆっくり歩み寄って来たデカイ犬にも唖然としちゃって



単純すぎる言葉しか出てこなかったんだ



『犬は平気か聞いてやれば良かったな。
フレア、俺の知り合いだ。挨拶はほどほどにして寝ていいぞ』



…知り合い、か



Luciferに言われた“男妾”と“愛人”に比べると
それが一気に遠くなった存在と感じてしまう自分は何なのだろう



飼い主に言われた通り、軽く鼻先を寄せて俺の手に触れた後
“挨拶は済んだ” とばかりにくるりと振り返り、元にいた場所へ優雅に戻って行く犬



「デカイ犬だな。やたら優雅だし…あんたみたいな金持ちに好かれそうな犬だな」



無駄に気高い犬の見た目が、目の前の男に被る気がして…ちょっと嫌味っぽく言ってみる



俺の家に来た時『座る所が無い』とアホみたいな事を言ってたけれど
確かにこの部屋には、来客者である俺が何処に座るか明確に分かるどデカいソファーがある



俺は何か言われる前にそこへ
どかっと座ってやった



『彼は姉の犬だ』



上着を脱ぎ、ネクタイを緩めながらヤツが答える
大きな体を持て余す様に丸くして横になった犬に視線を向ける



「ふーん、どっか行ってるんだ。預りっ子か…可哀想に 」



こんな冷たそうなヤツに預けられた犬に同情心が湧く
この時間に帰ってくるほど忙しいから、散歩だって連れて行って貰えないだろう



『永遠の預りっ子っだ。姉の宝物だからな、俺なりに大切にしてるぞ』



俺が考えている事を見抜いている様にそう言ったチョン・ユンホ
何処か遠いところを見つめている様な顔と『永遠』という言葉が気になった



茶ぐらい出すと言っていたヤツの手元には、ウィスキーとグラスが用意されている



『少しつき合え』



俺の隣に腰を下ろし、グラスへウィスキーを注ぐ
予め入れられていた氷がカランと音を立てた



『今週号はもう出来上がったのか?
昨日は忙しそうに記事を書いていたが、俺の家を見にくるほど暇だったんだな』



いちいちカンに触る言い方だ
だけど…ここに来てしまった理由は絶対に言えないから、言い返す言葉も咄嗟に出てこなくて



「まあ、ぼちぼち出来上がってるよ。
今週は青瓦台が騒がしくて、記事の材料にも事欠かなかったもんでね」



上等なウィスキーは以前飲ませてもらっていたけど
今日もその品の良いモルトの香りだけで酔いそうになり、そのおかげで気分も上がりようやく答えを返せた



『この騒動についてのお前なりの見解が楽しみだ』



そんな事を言われると、なんか調子狂うな…
グラスの中に揺れる琥珀色を一気にあおる



『またそんな飲み方をする…前にも言っただろう。
お前はもう少し、全体的に余裕を持った方がいいぞ』



酒が苦手だって言ってたっけ…
大きなソファーにゆったりと腰掛けてウィスキーが入ったグラスを少しずつ口元に運ぶヤツは、確かに余裕がありそうに見える



「次からはそうする」



そう言って、空になったグラスをヤツに押しやる
チョン・ユンホは一瞬きょとんとした顔になった



『妙に素直だな』



そう言って空いたグラスへ新しく酒を注いでくれた



初めての場所なのに
緊張してるのに



ヤツの口調が心地よくて俺を素直にさせている



電車がなくなっている事も忘れて寛いでいる自分はもしかしたら
ヤツに言われた様な余裕を持てたんだろうか…



寝姿までも優雅な犬の寝顔を見つめながら
今度はヤツと同じ様にゆっくりとグラスに口をつけていった







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この記事のコメント
出たーフレアキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
出たーーーーーフレアキタ━━━(゚∀゚)━━━!!

バ○のモデルフレアキタ━━━(゚∀゚)━━━!!

ユノの飼い犬にフレアを持ってくる辺り

やっぱりユノを溺愛してる証拠ね( ✧Д✧) カッ!!

浮気ばっかしてるくせに ちょこちょこ
自分の願望が
お話に現れてるわ( ✧Д✧) カッ!!((´∀`))ケラケラ

チャンミンもさ 一般ピープルだから
ユノの豪華なマンションに入って
玄関でいきなり
『広っ!でかっ!』って……( ̄∀ ̄;)
気持ちはわかるわ( ✧Д✧) カッ!!

なんだかんだユノのマンションまで
無意識に歩いてきて
『ついて来い!!』と言われれば
すぐついてくチャンミンが
可愛いわ・:*:・(*´艸`*)・:*:・
もぉ ユノに骨抜きにされてるじゃないの(♡ˊ艸ˋ)むふッッッ♬*

そしてフレアはユノのお姉さんの犬だったんだね!!
そして お姉さんは
もう亡くなってるんだね。゚(゚´Д`゚)゚。
またユノの事がわかって来たよね(๑•̀ㅂ•́)و✧

さっ今から秘密の県民ショーで
〇〇のイケメンみるわよ( ✧Д✧) カッ!!
って 〇〇にイケメンは
いないわ( ✧Д✧) カッ!!
2017-03-16 Thu 21:18 | URL | くみちゃん #- [内容変更]
ダーリン♡
ハニーが来たわよぉ~チュッ(*ゝ3・)ノ^☆

フレア‼
優雅なワンちゃんは〇ルちゃんがモデルよね( ✧Д✧) カッ!!
フレアって名前、カッコいいわ♡
太陽のまわりのやつも確かフレアっていうわよね?
なんか、ユノのお姉さんは意志の強いカッコいい人だったのかなぁ?
勝手な想像しちゃった(〃艸〃)ムフッ
ワンちゃんの名づけが何とな~くそんな感じだったからぁ(〃艸〃)ムフッ

それにしてもチャンミンは可愛いわぁ♡
大きな部屋にビックリしてキョロキョロしたり、『知り合い』って言われて、しょんぼりしちゃったり、可愛くってたまんないわぁ♡
ユノもチャンミンには、何気にサラッとお姉さんの事言っちゃってるし無意識のうちにもチャンミンに自分の事を知って欲しいって思ってるのかも♡
2017-03-16 Thu 22:27 | URL | Ali #- [内容変更]
Re: くみちゃん様
こんにちは〜
コメントありがとうございます(*´∀`)

ふっふっふっ(ΦωΦ)
ユノの家にすみをの愛犬を仕込んでおいたわ!
「デカっ」「優雅」「金持ちが好きそう」
これはみんなウチの犬がいつも言われる言葉なのよ
( ✧Д✧) カッ!!( ✧Д✧) カッ!!( ✧Д✧) カッ!!

特に「デカっ!」っていうのは、しょうもないガキンチョ達がよく言うのよ…
親御さんの躾が行き届いてるっぽいお子さんは表現力も豊かで「うわ〜!!すごい!」「きれいだね!」と言いながら
「触ってもいいですか?」と私に聞いてきたりするの

すみをが十年間の観察した結果よ(`・ω・´)キリッ

チャンミンはしょうもないガキンチョになってもらったわ(/ー▽ー)/フフフ、、、
とうとうユノの家にまで入り込んだわ!
フレア以上のペットになるのかしら(*≧艸≦)ププッ
2017-03-17 Fri 10:42 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
Re: Ali様
こんにちは〜
コメントありがとうございます(*^_^*)

(≧w≦)ウシシシシ
ちゃっかりユノの犬にすみをの愛犬を仕込む事に成功したわ( ✧Д✧) カッ!!
誰よ!すみをはちゃっかりしてるって言うのは!
その通りよ(。+・`ω・´)キリッ
これくらいいいじゃない!テミンくんの恋人とかで出てこないだけ控え目よ( ✧Д✧) カッ!!

ドーベルマンとか他にも考えたんだけど、ユノにはすみをの愛犬の種類が絶対に似合うと思うの(♡ˊ艸ˋ)
ちなみに、華筏の中のチャンミンみたいな儚く美しいシムにもきっと似合うと思うわ〜
((( ;゚Д゚))エッ!? 親バカですって?! その通りよ...

最近やたらと従順な雰囲気になってきたチャンミンの方が、これからはユノさんのペットになるのかもしれないわね(*≧艸≦)ププッ
2017-03-17 Fri 10:51 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017-03-17 Fri 21:33 | | # [内容変更]
Re: りょ****様
おはようございます
コメントありがとうございます(*^_^*)

そうそう(*´艸`)ププ
きっとね、あいつ何やってんだ…って目を細めて見てたのかもしれませんね(∩´∀`)∩
ツンデレ系愛犬のフレア以上に反応が良いシムが可愛いユノさんです♡

黒髪を整髪剤でビシッと固め上等なスーツで身を包んでいる狎鴎亭の帝王ですが、りょ****さんがおっしゃるようにちょっとズレてます(笑)

いつもどことなく、こういうテイストが入ってしまうのは多分、あんまりカッコよすぎるユノを書くのが照れるんでしょうね、私って(((^^;)

ちゃっかり自分の愛犬をモデルにしてますし(笑)
どさくさに紛れすぎてます( ̄▽ ̄;)
2017-03-18 Sat 07:23 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
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