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恋着
2017-04-20 Thu 18:00


こちらのお話は「ユノのお帰りなさいカウントダウン企画。」にて書かせて頂いた作品です




このお話はフィクションです
CPはミンホです。ご注意ください







帰ってくる…
あの人が、ここに…


身体中に電気が走るっていうのはこういうことなんだって、今初めて知ったんだ…






毎朝確認する事が義務付けられている社内メール


自社商品の雑誌への掲載を知らせる広報部の報告だったり
新製品の特徴や販促計画を知らせる企画部の報告だったり


今日はその中に
春の人事異動を知らせる人事部からの報告も付いていた


俺はシム・チャンミン
25歳独身、趣味はLEGO集め
ここ、株式会社クムソン販売事業部営業二課で働く会社員だ


クムソンは元は繊維メーカーだったけれど
今はそれだけでなく、主としてアンダーウェアの企画製造販売をしている


俺の仕事は
デパートやショッピングモールなどに出店しているクムソン販売店の管理、そして先方との取引だ


〈話が上手くないくせに営業なんか出来るのか〉


クムソンに入社して配属が決まった俺に父親が言ったその一言


実はその通り、俺は話し下手だしどっちかというと人見知りするタイプだから
営業なんか絶対に向かないと親は思っただろう


ただし話し下手で人見知りする性格は恋愛だけは別なんだけど…
って、それは親の知るところではないが


ともかく、入社して第一声で「向いていないから配属先を変えてくれ!」なんて言えるはずもなく
俺はあつらえたばかりのスーツを着て、販売事業部新入社員研修に臨んだ


そこで “あの人” と出会った


『ようこそ、我がクムソンへ!!
…ん?みんな緊張してんな!大丈夫。ほら、無理にでも笑顔になってみろよ。

人間ってさ。嘘でも笑ってると不思議と楽しくなってくるんだぞ』


根拠もなさそうな事を、さも本当の事のように話すのは
販売事業部主任のチョン・ユンホさんって人だった


ふぁっ…イケメン…
モロ、どストライク…


ちょっと黒目がちな切れ長の目
綺麗な顔の輪郭に通った鼻筋


柔らかそうで…美味しそうな厚めの下唇


恋愛では割とガツガツいくタイプである俺の
品定めするかの様な下心アリアリの視線に気づいたのか?


…っていうことは無いだろうけど、彼は急に俺へと目線を向けた


???
一瞬目があったと思ったら、途端に逸らされたんだけど…何で?


その後もチョン主任は、ちらちらと俺を見ている気がして
俺としては合わなそうな配属先になって憂鬱だった気分が一気に高まった


恋愛には積極的(但し、オトコが対象!)な俺
最近恋人と別れたばかりで諸々溜め込んでる俺


そんな俺が社会人としてスタートしたばかりの場所で、目の前にどストライクな相手がいれば…
それが上司だとしても気分は上がってくるもんだろ


7人だけしかいない新入社員だから
俺だけを特別に意識してちらちら見ているわけではなく
満遍なく見渡してるだけなんだろうけどさ


まあ、妄想の中だけで楽しむとしてもそれだけで
合わないって思ってた営業部での社会人生活が楽しくなる…そう前向きに思ったんだ


そして
そのどストライクなチョン主任が教育してくれた新人研修が無事に終わった頃
やっぱり、彼は俺を見てるって気づいた


チョン主任はやや黒目がちで、目線がどこを向いているのか読みにくいんだけど…
俺が意思を持って彼を見つめ返すと、俺の視線から逃げていくのが明確に見てとれた


そして更に、俺の背中を押してくれる事もあった


同期入社に、アンダーウェアを販売するにはうってつけっていう様なカラダの女の子が居て


……って、こんな言い方をしてるってバレたら
きっとセクハラの罪でコンプライアンス部門に吊し上げられるだろうけど


俺の恋愛対象はオトコのみだけど、さすがにその子の身体つきには目がいくくらいで
他の部の新入社員のみならず、噂を聞きつけた先輩社員もこぞってその子を見にくる程だった


彼女は最初から〈チョン主任って超カッコよくない?!私、絶対オトすぅ!〉と意気込んでいて


美人でいいカラダしてても、その言い方がいかにもミーハーで頭が悪そうにしか見えなくて
天は二物を与えず…ではないんだって思った


彼女のそのナイスバディを駆使した猛烈アピールにも、チョン主任は一度もデレることが無くて
それどころか、眉間にしわを寄せて嫌がってる風に見えた


もしかして同類?
嗜好が……同じ?


何となくそう直感が働いて、俺は勝負に打って出たんだ


たまたまトイレで会った時、すれ違いざまにチョン主任の耳元に顔を寄せて言った


「ねえ。俺を見てるでしょ、いつも」


その瞬間俺は
チョン主任の色白な身体が、みるみるうちに紅潮していったのを目の当たりにする


俺は思わず彼の腕を掴み、トイレの個室に引き摺り込んだ


『なっ、何するんだよ!』


チョン主任はそう言って俺を突き飛ばすも
その腕にはさして力が入っていない様に感じた


『シム君!冗談はやめろって!』


そしてそう言ったチョン主任はやっぱり、見つめる俺から目を逸らすんだ


「そうやっていつも目を逸らすのも知ってますよ、チョン主任」


スーツの上からでも分かるチョン主任のがっしりしたその体格
対する俺はスーツがあまり似合わない体型


だけど今は…その俺が彼の腕を押さえつけてる


『……だったら、もういいだろ。離してくれ』


何が『もういい』のかわからなかったけど
いつ誰が来るか分からない会社のトイレで、上司であるチョン主任をどうこうしようという気は元々無く、俺は身体をずらしてドアを開けた


この時は…俺は手を離したけれど


彼と目が合う回数が増えるほど
その手にもう一度触れたくなって


…もっともっと、近づきたくなって…


社会人生活を歩み始め、慣れない事だらけで疲れ果てた身体をベッドで休める時も


資料を渡してくれる彼の指や、俺を見る彼の黒い瞳を
毎晩思い浮かべるようになっていく


そして迎えた新人研修最終日、打ち上げの日


目が合った時に初めて目を逸らさなかったチョン主任を、トイレへ追いかけて行った


「チョン主任、何で俺を見てるんすか?
…俺がチョン主任を見てる理由が分かるから?」


並んで用を足しながら、サラッと聞いた


『シム君がいい男だから見てるんだ。悪りぃか』


「俺から言わせると、そういうチョン主任の方がいい男ですけどね」


横から見る彼の顔は正面から見るのとは違って、輪郭そのものが格別に美しく心底見惚れた
彼が言った言葉の意味も追求しないうちに、このいいオトコをもっと見たいと思った


…彼の、全部を見たいって…


打ち上げの会がお開きになり
それぞれ帰る方面が同じ人達が固まって歩き出す


『シム君、俺について来るのは何で?』


「同じ方向だからです。別に主任の後をつけるストーカーじゃないっす」


後ろに続いている俺に対して、口を尖らせながら詰問するチョン主任


顔も、スーツ姿も、ヘアスタイルも
バッチリキマっててすごくカッコいいのに
尖らせてるその厚い唇が…どうしても可愛く見えてしまうんだ


『あっそ。シム君はさ、どう?
女性物のアンダーウェアを扱うのって抵抗感ない?』


無言でいるのもおかしいと思ったのか
チョン主任は職場の先輩らしくそう聞いてきた


「自分は話し下手だし人見知りだし、営業って聞いた時はマジ無理!って思ったんですけど。
女性物の担当って決まったらある意味、天職かもしれないって思いましたよ」


『お?いいじゃん。入って早々自分の仕事が天職って思えたなんてさ。
新入社員の中ではシム君が勝ち組だな!』


この人の天然の明るさが、彼を若くして主任にまで出世させた理由かもしれない
それを象徴する様な優しい笑顔で、俺を振り返る


「俺、女には性的魅力を感じないんで。
セクシーなランジェリーを見ても、あくまでも商品としてテキパキ陳列出来そうです」


そう言いながら俺は
チョン主任のすぐ脇まで近づいて、彼の白い首筋に鼻を寄せた


「主任の匂いの方が興奮します…」






『待てって!研修で注意したろ!お前はせっかち過ぎるぞ!』


帰る方向が同じだった俺たちは今、その途中にあったホテルの一室に居た
ドアを閉める前に主任の首筋にむしゃぶりついた俺をチョン主任が叱る


研修で散々注意された
先方との商談を練習するロールプレイングでも、先を急ごうとし過ぎるって


でも、無理
その場の雰囲気に流されたんだとしても
…あなたと密室に居るんだから


「主任が悪いんです」


『あ?何でだよっ!』


何でだよ、って言うくせに
首筋をきつく吸い上げると掴んでた俺の肩を更にぎゅっと掴む


ようやくドアを閉めて廊下をもつれ合う様に歩き、部屋のど真ん中にあるベッドへと向かう


俺が思い切り突き飛ばした訳ではないのに
チョン主任は俺より重いらしく、ちょっと押しただけであっさりとベッドへ倒れ込んだ


「初めて見た時からチョン主任に惚れてたんです。俺」


『ふーん』


「ちょっと!ふーんって何すか?人が告白してんでしょーよ!」


俺の下で俺を見上げるこの人の
組み敷かれているのに、何処か優位な雰囲気に
自分の中に潜在していた征服欲が湧き出してくる


「俺。主任が好きです」


言っちゃった…でも、もう後には引けない


『俺は…好きとかってわかんねーよ。
シム君がいい男だなって思ってはいたけど、突然過ぎっからさ…そういうのわかんねー』


ホテルにまで一緒に来ておいて今更かよ…
思わず舌打ちが出そうになるも、グッと堪える


「じゃあ。キスしましょう、主任。そしたら自ずと答えは出てきますよ」


何度となくその唇に触れる事を妄想したこの人の唇を奪う


息継ぎの呼吸がその厚めの下唇から漏れる
それだけで俺のソコに血液を集中させてしまう


熱くて
何だかタバコのにおいがちょっと気になって
でも、あっという間にお互いの舌が痺れるくらい深くなっていって


初めて目にした彼の肌を全部
自分の舌と指で覚えさせるように、ゆっくりと満遍なく味わった


そう
チョン主任の身体の中の熱さも…知ってしまった






「どうです?まだわかんないっすか?」


ハダカになって
身体のあちこちにお互いの熱を証明する赤い痕を無数に残した後、彼に問うた


『わかんね』


「はぁ?!セックスしといてそれかよ」


事実
俺は主任の身体の奥深くに自分の欲を吐き出して
チョン主任もまた、俺の動きに導かれて自分の腹に白濁を散らしていたけれど


「じゃあ、もう俺の片思いでいいっすよ」


チョン主任の胸に落ちた自分の汗を指で拭ってから、彼の横にゴロンと寝そべった


『俺が戻ってきた時にシム君が一人前の営業になってたらさ。付き合おうぜ』


寝そべった俺をよそにチョン主任は身体を起こし
タバコに火を点けた後、そんなことを言ったんだ


「へ?主任、どっか行っちゃうの?」


『付き合おう』って言ってくれた事よりも
『戻ってきた時』という言葉が胸を突いたのは


もうかなりこの人が好きで、居なくなる事への怯えが芽生えていたからだと思う


『この新人研修を終えたら香港支社へ異動するんだ。戻って来るのは二年後。
どう?この期間で一人前の営業になる自信ある?』


……なるしかないっしょ
たった一回のセックスで終わりなんてあり得ない


……まだ “恋” をしてないでしょーよ


「主任の合格が貰えるよう、研修で学んだ事を忘れずに頑張ります。
戻ってきたら…俺と付き合ってくれるんですよね?」


『約束だな。じゃあ、仮契約。仮契約にあたって。
俺は主任って名前じゃないから、ちゃんと名前で呼べよ』


タバコを灰皿に押し付けて俺の方を向く主任は
そう言って小指を差し出した


「…ユノさん。俺、待ってます」


『ユノさん、ね…ま、いっか。じゃあ俺もとりあえず。
チャンミン君。戻ってきたら、その時がスタートだから』


そう言ってニコッと笑ったチョン主任と俺は
“恋人への仮契約” という名目の指切りを交わした






この二年で心に深く恋慕った想い人
ちょっとはにかんだ顔で、販売事業部に帰ってきたこの人と


“恋” を始めるのは、今日この日からだ


ユノさん
おかえりなさい







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