2016-11-01 Tue 18:00
このお話は「宮~love in palace~」のパロディです ご承知おきください side Crown Princess? Changmin 大学で倒れた後、一日だけ休んだけれど その後はいつも通り大学へ登校した あれ以来、あの女の人が顔を出す事はない 僕が正々堂々と前を向き、いつもと変わらない様子でいるのをどこからか見たんだろう 僕は、大丈夫だ ユンホ殿下の愛を受けることが出来るのは、僕一人なんだ そんな思いで、胸を張った 優位に立つ者の憐れみではない 紛れも無い事実を身を以て知らしめただけだ 僕は、強くならなくちゃいけない ユンホ殿下に何かあった時に、それをお支えする事が出来るのも僕だけなんだから コ尚宮さんが言っていた追尊… あれから東宮殿の書庫に行って資料を手にし、部屋で色々と目を通してみた 王室にとって非常に大きな出来事であるから、今週内閣でも王室庁を交えての入念な閣議が行われ、昨日正式に決定されたそうだ 亡くなった先の皇太子殿下…キュヒョン様のお父様に、王としての諡(おくりな…王など貴人の死後に贈られる呼名)が現王様から贈られるらしい キュヒョン様のお母様は、今ユンホ殿下のお祖母様がついておられる大妃(テビ、先王の王妃の事)となられ、現大妃様は大王大妃(テワンテビ、前王の王妃)となられる ややこしいけれど…ユンホ殿下とキュヒョン様のお祖母様であられる現大妃様に、王室では最年長者として最高の敬意を払うことに変わりはない トン尚宮さんが調べて来てくれたところによると、キュヒョン様は世子(セジャ、世継ぎの事)であられるユンホ殿下と同等の公親王という特殊な称号がおくられる筈だったけれど、固辞なさったらしい 大君(テグン、正室の王子)をつけられ、圭賢大君として正式に王位継承権を持つ事になられるそうだ 週末の今日はこの時期にしては陽射しが暖かく 僕はその資料を持って、久しぶりに東宮殿庭園のお気に入りのガゼボに居た キュヒョン様は… ユンホ殿下と同等のお立場につかれる事は、世継ぎ争いをしていると国民に誤解を与えるという理由で固辞なさったらしい でも…事実上 王様の長男が二人、おられる事になるんだよな 「どっちがどっちなんだろ…」 読み慣れない言葉ばかりの王室の資料に肩が凝り、僕はウーンと背伸びをした 〈嬪宮様。肩でもおもみしましょうか?〉 クスクス笑いながら近づいてきたのは、当のキュヒョン様だった 「あっ、恥ずかしい所をお見せして…失礼致しました。キュヒョン様…じゃなくて圭賢大君殿下、こんにちは」 慌てて立ち上がり、頭を下げた 〈チャンミナ、それはよしてよ。公式の場ではあれだけど…今は名前で普通に呼んで欲しいな…〉 キュヒョン様は寂しそうにおっしゃって、僕の前に腰かけた 「キュヒョン様…この前はご心配をおかけしました」 ミノが言ってた ユンホ殿下が駆けつける前は、真っ先にキュヒョン様が僕の身体を支えてくださっていたと 〈いやいや…元気になって本当によかったよ。俺はさ、チャンミナ。先に居るのは俺なのに後から全部持っていかれちゃう運命みたいだ…〉 目の前に置かれた資料を手にして、キュヒョン様はそんな事をおっしゃった 「どういう意味ですか?」 今日は暖かいのに キュヒョン様のお顔は、相変わらず冷たい色の白さを感じる 〈チャンミンは僕の婚約者だった。そして本来僕が世子だった。倒れたチャンミンを抱き起こしたのは僕だ…でも結局、全部ユノヒョンに持っていかれたっていうそのものズバリの意味だよ〉 キュヒョン様は、そうおっしゃり空を仰ぐ ご自身がお生まれになる直前に亡くなられたお父様を思っておられるのだろうか… 〈チャンミナ。僕と母は、週明けに王宮に移ってくる。使っていない徳寿宮を手入れして、そこに住む事になるよ。これからは今まで以上に顔を合わせると思うから、よろしくね〉 そう言って手を差し出すキュヒョン様 僕も手を出して握手に応じた 〈チャンミンの手は、小さいけど暖かいな。この手が僕の物であればいいのにね…〉 キュヒョン様は立ち上がり、寂しそうに笑った この人はどうしていつもこんなに寂しそうなんだろう 笑っていても…その目に映るのは全てが冬の世界なんだろうか 「キュヒョン様」 なぜ僕は、キュヒョン様を呼び止めてしまったんだろう 「また…物理学のレポートを見て貰えますか?」 立ち去るキュヒョン様に追いすがる様にして言ってしまった 〈チャンミナ…〉 次の瞬間僕は キュヒョン様の冷たい腕の中におさまっていた 冬の世界に一人でいらっしゃる様なキュヒョン様の胸は…見た目とは裏腹な燃える様な熱さだったんだ ランキングに参加しております 応援していただけると嬉しいです にほんブログ村
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