情火 第2章 ~扶翼 1~

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このお話はフィクションです

軍隊、及び軍内部につきましては実在の物とは一切関係ありません。ご了承ください

CPはミンホです
ご注意ください




side C



今月一日付を以って
長らく務めていた新兵教育訓練所での任務を終えて新しい場所に赴く



この場所で…色々な経験をした
私らしくないそんな感傷めいた思いを胸にして訓練所の建物を後にする



正直な思い、素人の教育など私に合う任務ではないと思った
こんなことをするために私は血の滲むような努力をしたわけではなかったから



私は…生まれながらの軍人だ
祖父や父以上の軍人になるために猛烈な努力をした



士官学校をトップの成績で卒業し、その後も銃の大会で優勝するなど着々と実績を積んだ



ただ
軍のトップである元帥の息子である私は、羨望だけでなく妬みや僻みの対象にもなり



上官から嫌味を言われながら訓練所勤務を任命された時…この男よりとにかく早く上位に付き、軍から追い出そうと胸に誓ったものだ



しかし
今は、そんな上官に感謝をしている



かけがえのない存在をこの場所で手に入れた



私の後に続いて歩くこの男
チョン・ユンホ二等兵……
彼は国を代表するトップ俳優だ



入隊義務を課せられた年齢ギリギリで兵役に就いた彼は、複雑な運命の歯車に乗せられて私の最愛の人になった



彼は5週に及ぶ基礎訓練を終え、二等兵として私が新しく着任する儀仗隊に配属されている



希望していたのは軍の音楽隊…といっても本人の希望ではなく、彼を飯の種にしている事務所の強い意向だが



私は訓練所最高位の権限を最大限に使い変更させた



彼は2年近くの兵役義務を終えれば、軍から去っていく人だから…せめて兵役の間だけでも私のそばに置いておきたかったのだ



私は変わった



訓練兵に思いのまま手をつけ、弄んでいた私が
一人の男と出会い彼を愛し、そして愛された事で感情を大きく動かすようになった



儀仗隊に彼を連れて行くのもそのせいだ



見慣れてきた迷彩柄の勤務服
性欲の赴くままに気に入った訓練兵に手をつけていた時と同じように、この男のこの服を脱がせて抱いたのはたった数週間前だ



今はただ…
このまま振り返って抱きしめてしまいたいくらいに愛おしい



溜まった欲望を吐き出す道具ではなく
愛している事を伝えるために抱きしめたいのだ



……今までの自分とはかけ離れたそんな思いに、思わず苦笑した



『准将…何かおかしいですか?』



一人で顔をあれこれ変えている事に気付いたチョン二等兵が私の顔を覗き込む



彼の端正な顔が間近に迫り、思わず心臓が音を早めた



「何でもない。そうやって顔を近付けるな。人が見るぞ」



儀仗隊の建物は訓練所からは真逆の位置にあり、同じ師団内を歩くだけで汗が噴き出す
顔を伝う汗を拭いながらやつにそう言った



真横に並んだチョン二等兵は
目の前で人が害められようとも眉ひとつ動かさなかった以前の私のように、顔色を変えずに続ける



『准将がそうやって笑みを浮かべている顔が好きです』



誰が見ているか分からない状況下で耳元に艶めいたその唇を寄せ、こんな危険な事を言うこの男が憎たらしい



私らしくもなく顔が赤くなってしまった気がして俯いた



どうもいけない
私が思いのままにこの男を支配する筈だった
それなのにどうだ



今はこの男が囁く甘い言葉で顔を染めてしまう
付き合いたての恋人同士というのはこういうものなのだろうか…



顔が緩む自分に喝を入れるように胸を二度叩き
恋人である部下を引き連れ儀仗隊の建物に入っていった



〈お待ちしておりました、シム准将…いえ、シム少将〉



今日の着任式と同時に私は少将に昇進することになっている



本来はこの儀仗隊での服務を終えた後に昇進するはずだったが、先だっての銃の世界大会で優秀な成績を収めた事で早まった



昇進前に先走って私をそう呼んだのはパク大尉
私の父に可愛がられその恩義から軍に入った私の影となって今日まで支えてくれている人物だ



訓練所で私がしていた愚行を表に出さないように
彼の直属の部下であるトン中尉と共に密かに後始末をしていたのも彼で



そんな私がチョン二等兵に少しずつ変えられていると気づいて、二人の橋渡し的に動いたのもパク大尉だった



私が自分の意にそぐわない訓練所への配置に憤慨して直訴したた時には〈色々な経験を積む事も軍人には必要だ〉とピシャリとはね退けた父



私の異動と共に元帥である立場を使ってパク大尉達をそこに配属させた



過保護なのか監視するつもりなのかよく分からないが…



チョン二等兵は、パク大尉と一緒に出迎えに出ていたトン中尉に今日から生活を送る兵舎へ連れていかれた



それを見送った後、パク大尉に案内されて儀仗隊長室に入る



チョン二等兵を兵舎に送り届けたトン中尉が戻ってきて冷たい水と冷えたタオルを持ってきた
まずはありがたく喉を潤す



これからこの部屋で軍務に就くことが多くなる…
〔第25歩兵師団 儀仗隊長 シム・チャンミン〕
きれいに磨かれた机に置かれたプレートを指でなぞり、軍帽を置く



これから予定されている着任式に向け
私は汗で濡れたシャツを脱ぎトン中尉が持ってきた冷たいタオルで身体を拭いた



今日が新しいスタートだ



少将に昇進し、儀仗隊長という新しい任務を受け
そして私の恋人との兵役という名の蜜月の始まりだ…





タイトルは今回もAli様の作品で飾らさせて頂いております

私にはもったいないくらい素敵な作品を作っていらっしゃいますので、ぜひお運びください

ホミンを愛でるAliの小部屋


〈拍手コメントの御礼〉

〇みちゃん様
お待たせ致しました!〇みちゃん様の好みに合うか不安ですが...今日からまたお付き合いをよろしくお願いします♡

オ***様
ご期待に添えるよう頑張ります♡月日を追う事に少しずつ変化する二人を書けたらと思っております



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