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情火《特別篇-1-》
2016-02-18 Thu 18:00


このお話はフィクションです

軍隊、及び軍内部につきましては実在の物とは一切関係ありません。ご了承ください

CPはミンホです
ご注意ください




side Y



立っているだけで汗が吹き出る様な暑さの中
5週間に及ぶ基礎訓練を無事に修了した



ギラギラとした太陽に照り返されたグラウンドで修了式が執り行われる



修了式には家族や友人、俳優仲間も駆けつけて
久しぶりに会う面々に励まされた



古くからの俳優仲間だった親友には



〈何かおまえ…男っぷりにぐっと磨きがかかったな。軍隊の水が合ったのか?今のおまえだったら、どんな役柄でも出来そうだわ〉



なんて上から目線で言われる



ヤツは売れてない不遇の時期に兵役を済ませたから、今こうやって俺をからかう事が出来て羨ましい



修了式後に1度仲間と会った後、訓練兵は模範訓練兵の表彰式典に臨む



俺の〈男っぷり〉があがった、か……
地面からの照り返しの暑さに顔をしかめながら
俺は言われた言葉を反芻する



目線は自然と…
テントの下から気怠そうな雰囲気で式典を見ていた男に向けられた



シム・チャンミン准将



この訓練所の総責任者だ



正装である濃緑の軍服に、数々の勲章を付け
小さい顔を覆う様に軍帽を目深く被り
長すぎる脚を持て余すように投げ出すその姿…



軍人でありながらも
その風貌はまるで絵画を切り取ったかの様な美しさを讃えている



父親は軍の最高司令官であり
本人もその血筋さながらいくつもの銃の大会で優秀な成績をおさめ、猛スピードで出世したエリートだ



目深く被った軍帽のせいで、彼の特徴である大きく美しい目はここから見えないが



どうやら彼から俺の方は見えているらしく
自分を見ている俺に対して口元を少しだけ綻ばせた気がして



胸がちくりと疼いた



そう
彼は…俺の恋人だ



恋心を通わせたのはついこの間だったから
2人だけがわかるそんな小さな仕草ですら
初恋のように心がときめいてしまう



【クールな恋人】
なんて形容詞をつけられて



女を冷たくあしらう演技をさせたら右に出る男はいないなんて、妙な褒め言葉をもらう俺が



自分にだけわかる恋人の仕草を見て、にやけている顔など絶対周りには見せられないと思い、慌てて表情を引き締めた



男の恋人を生まれて初めて持った俺は
どうやら彼のおかげで〈男っぷり〉が上がったようだ



親友は、まさか軍隊に入った俺が恋人を手にしたとは、これっぽっちも思っていないだろう



アイドルや共演した女優、はたまた海外のモデル等々…噂になった相手は多くいても特定の恋人はここ数年作っていなかった俺が…



その中の、どの女よりも美しい男に堕ちた
しかも今までにないくらい夢中になってるっていうんだから、人生何があるかわかんないもんだ



顔を引き締め、頬を伝う汗を拭いながら
それでもやっぱり視線はテントにいる美しい人を追ってしまう



俺を見つめる時だけに見せる、情欲の炎…情火が灯されるあの美しい瞳は軍帽に隠されたままだが



暑さで渇いているのか、真一文字に結んだ唇を彼の赤い舌が潤すように舐めたのが見えて、思わず生唾を飲み込んだ



今までのそれが子供騙しだと思える、彼との濃密な口づけを思い出す



彼の舌が口腔内を掻き回すように動き回り、そして俺の舌もそんな彼の舌を追い回して、せわしなく絡みついた深い口づけ…



俺の首筋に噛みつきながら欲を放った時に漏れた彼の吐息…



シム准将の口元を見ているだけで、准将への狂おしい想いが込み上げてくる



パク・ジョンス大尉が優秀訓練兵の名前を呼び上げていて、何人目かに自分の名前を呼ばれ慌てて返事をしテントへ向かって走った



不埒な事を考えながら上官をそんな目で見ている自分が、優秀訓練兵として呼ばれたことに何とも言えない気分になる



同性愛ではあるものの、お互い独身だから何の問題も無いのだが



上官と訓練兵の恋という禁忌を犯すものであり
そんな行為をしているという事実が、さらに背徳感を煽ってくる



数名が整列し、シム准将からそれぞれに修了証と賞状が手渡されていく



一番最後に俺の前へ彼が立つ
遠目で見たときは軍帽に隠れていた彼の美しい瞳が、俺の顔を見つめる



俺に賞状を手渡した後、少しだけ顔を近づけるシム准将



「本配属後もしっかりやるように…いろいろと、な」



ちょっと低くて早口気味なシム准将の声が耳に入り、身体が粟立つ



この男によって俺の身体中に刻みこまれた、麻薬のような快楽の所為で…彼の声だけでそんな反応をしてしまう自分が恐ろしい



初めは、彼が今まで手にしてきた玩具と同じだった



しかし初めからシム准将の美貌にのめり込んでいた俺は、甘んじて彼の玩具になりながら反撃の時を静かに待った



反撃の時、というのは穏やかではないな
想いを告げる時、というべきか



シム准将の秘密の行為を知り、その身を案じ支えていた彼の部下に密かに守られながら、俺は彼と想いを通じさせた



チェスの勝負という機会を借りて見事に彼を射止めた訳だが……



基礎訓練を終えた訓練兵は、それぞれ本配置に振り分けられる



シム准将が自身の権限を使って自らが来月異動する儀仗隊へ俺の配属を決めていた



芸能人は芸能兵の扱いは無くなったものの比較的その身を生かせる広報や軍楽隊等へ行く事が多いのだが



「おまえは私のものだ。除隊まで手放すものか」
…そう耳元で囁かれた事を鮮明に覚えている



式典を終え再び家族と合流し束の間の休息を得る
まずはしっかりと基礎訓練を終えた事に両親も安堵の表情を見せていた



〈儀仗隊って聞いたけど、おまえに務まるんだろうか?〉不安そうに言う父



『大丈夫だよ、きっと。兵長に聞いたけれど儀仗隊は軍の花形だっていうし…俺も自分の経験を生かして頑張るさ』



父の背中を叩き、自分にも言い聞かせた



明日から本格的に約1年8か月の兵役期間を迎える
未知の世界だけど…きっと大丈夫



あの男がいれば…俺はきっと大丈夫だ



家族との楽しい食事時間は訓練の経験談を話しているうちにあっという間に過ぎ、与えられた時間が終わりを告げ両親と抱き合って別れた



次に両親と会えるのはいつになるのだろうか…



各自宿舎に戻る
週末は基本的に休みだから、週明けから本配属先の兵舎へ移る予定になっている



宿舎の自分の部屋…といっても8人部屋の2段ベッドのひと区画だけが自分のスペースだけど、そこに戻り新しい兵舎へ移る準備をする



5週間の間、寝起きしたこの小さなベッドともお別れだ



入営する際に持ち込みが許可された少量の荷物と、支給された迷彩柄の通常勤務服等の衣服を一まとめにしている時、肩を叩かれた



振り返るとパク大尉の部下であるトン中尉が、今日も変わらず無表情で立っていた



〈シム准将より言伝がある。今期訓練兵で特段に根性を見せたチョン訓練兵のみ、シム准将が労って下さるそうだ〉



パク大尉とトン中尉は、過去にシム准将が訓練兵にしていた行為を知り、密かに准将の影となって守ってきた



そして、俺とのことで徐々に変わっていくシム准将のために2人の橋渡しをしてくれた人達なんだ



〈荷物は私に預けておけばいい。私もチョン訓練兵と一緒に儀仗隊に移る予定だ。師団の建物の裏口に車が止まっている。そこに行け〉



トン中尉は他の訓練兵に聞こえないよう小声で言うと俺から荷物を奪い取り、代わりに鍵を寄越した



〈万一、他の兵士に咎められることがあれば、パク大尉の指示だと言えばいい〉



そう言い残し足早に去っていく



俺は呆気にとられるも、トン中尉に言われた通りにしようと思った



同室で過ごした仲間一人一人と固く握手を交わし別れを告げ



俺は軍帽を被り部屋を後にした






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2016-02-18 Thu 18:22 | | # [内容変更]
やったー🙌🙌🙌1拍手👏Getだぜい(๑•̀ㅂ•́)و✧
ゆんちゃすみさん やったわ(๑•̀ㅂ•́)و✧
1拍手👏👏Getだぜい(๑•̀ㅂ•́)و✧
ふふふっ ありをに勝ったわ( ✧Д✧) カッ!!
本妻座は頂いたわよ(๑⁼̴̀д⁼̴́๑)ドヤッ‼

久しぶりの情火のメンバーに
懐かしい感じがしましたよ(♡ˊ艸ˋ)むふッッッ♬*
シム准将 
パク大尉
トン中尉
懐かしいわ〜♡(๑¯ ³¯๑)
あっ シム准将 お誕生日おめでとう
ございます★.。・:*:・゚`☆.。・:☆♪才×〒\├-
貴方の化粧品使ってます♡(๑¯ ³¯๑)
でも そんなにお肌艶々になってませんけど…(¯―¯٥)
オカシイナ……

地獄の真夏の5週間にも及ぶ訓練を
終了して ユンホ訓練生は
儀仗隊に配属になったんだね(*´∀`)
ってか シム准将が
離してくれないからねっ。:+((*´艸`))+:。
知り合いに男っぷりが上がったと
言われたユンホさん( ・ิ౪・ิ)( ・ิ౪・ิ)( ・ิ౪・ิ)
そりゃあ(b´∀`)ネッ! シム准将に
手取り足取り その他モロモロお世話に
なってますからね( ✧Д✧) カッ!!  イイナー→→くみを心の声(笑)

相変わらず無表情のトン中尉と
片腕のパク大尉が シム准将の
側で働いてくれるから助かるわ❀.(*´▽`*)❀.
一体シム准将に何を労って
貰えるのかしらねっ(๑⊙ლ⊙)(´。✪ω✪。`)


ゆんちゃすみさん あゆさんと部長から
回ってきた純文学の本は
責任を持ってそちらに回すから
ちょっと待っててね♡(๑¯ ³¯๑)
どうか 旦那が居ない時に
届きますように(¯―¯٥)
2016-02-18 Thu 18:37 | URL | くみちゃん #- [内容変更]
(´;ω;`)ウッ…
ま…負けたぁ…ガ━━━━━━━∑(゚□゚*川━━━━━━━━ン!
やっぱり私は日陰の女(_ _;)…パタリ

でも、くみを‼
拍手1番でもコメントは本妻の座を奪われてるじゃないのぉ‼
どういう事なのぉ‼
新たな刺客ねっ( ー`дー´)キリッ

ねぇねぇ、ゆんちゃすみさん‼
今回はユノが挿れられちゃうのぉ?
『あん♡』言わない?
おせーてぇ(〃艸〃)ムフッ
2016-02-18 Thu 19:21 | URL | Ali #- [内容変更]
シム様〜〜チュッカチュカ💕
ゆんちゃすみさんご無沙汰です〜(๑•̀ㅁ•́ฅ✧
キタキタキターッ本妻の座を争った極道の妻!仁義無き戦いっ!!
じゃなかった(°0°)‼

情火〜〜〜♡
ユノ目線で猛暑の中で佇むシム准将を盗み見ている気分でムフッムフッしながら読みましたよ(*´罒`*)ニヒヒ♡
私、情火はユノ目線のお話が好きかもです。
でもシム准将の上から目線も捨て難い。
うむむっ。

しかーし、今日は後半でヒィッて一人で喉を鳴らしてしまいましたよ(笑)
トン中尉がぁ、、、ユノにぃ〜〜〜触れてるぅぅぅ!!
私の知り合いの顔がチラチラ目に浮かんで集中出来なかったぁ・゚・(。>Д<。)・゚・
しかも……同じトコにちゃっかり配属されてんじゃんって(笑)
んふ、やっぱりちゃっかりユノが好きな事を漏らしてる誰かさんが愛おしいですねヽ(〃∀〃)ノ
2016-02-18 Thu 20:45 | URL | あゆ #- [内容変更]
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016-02-19 Fri 01:14 | | # [内容変更]
Re: オ***様
おはようございます
コメントありがとうございます

最終回に頂いたオ***様のコメントを拝見して、今回のお話を書くことを密かに決意しました
それ故、今回の特別篇の末尾に小さくオ***様宛にメッセージを入れておりまして...まさか1話目にコメントを頂戴出来ると思っておらず、びっくりしつつもとても嬉しかったです

チャンミンのあの制服姿には、私も思わず変な声が出てしまいました!情火でイメージしていた軍服姿(某国陸軍の濃いグリーン系の軍服をモデルにして書きました)のイメージ通りで...警察の制服といえ、うっとりしましたね♡

今回は4話で纏めておりますが、最後までお付き合い頂けたら幸いです
2016-02-19 Fri 06:15 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
Re: くみちゃん様
おはようございます
コメントありがとうございます!

一拍手GET...本当に嬉しいです(T-T)
以前も書いたと思いますが、忙しい時間帯に貴女を拘束してしまい本当に恐縮しきりです

情火は、ミンホ設定という事に加えて軍を舞台にするという勇気のいる話でしたが、あゆさんの元で知り合えた仲間達の後押しと、なまらMENのお二方に背中を押して貰った思い入れのあるお話です

地味にこの先も書きたいなぁと思っております


くみこ訓練兵

私だ
シム・チャンミン准将である
貴様も無事に基礎訓練を修了したな。同期のフィリピーナ訓練兵が当時ハマっていたイ・ジンギ下士の元に入り浸っていた中で、貴様はタンクトップ姿でシウォン訓練兵と共に頑張ったな
シウォン訓練兵と「馬」が合うようだから、一緒に配置しようと思っていたのにトン中尉が私の元に置きたいと言うから、儀仗隊に連れてゆく

私の化粧品?
あれは私好みの年齢にのみ合うようになっている
それ以外は「明日に続かないね」だ
諦めろ
2016-02-19 Fri 06:29 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
Re: Ali様
おはようございます
コメントありがとうございます!

だから!何の争いなのぉ(。-∀-)
耽溺が終わっても密かに繰り広げられる
仁義無き戦い...ガクガクブルブル((;゚Д゚))

Aliさんに作って頂いた情火のタイトル画のイメージの様な特別篇を今回書きましたの♡

Aliさん...ユノが挿れられちゃうの〜?って貴女...
(((;゚ρ゚)))アワワワワ
最初から行為がある前提かーい!!
ありをは私とともに、純情双子姉妹だったはずなのに...シクシク...純文学の所有数がすごいって聞くし...シクシク

今回はミンホです(♡´艸`)
ユノさんに「ぁん♡」は言わせておりません(笑)
2016-02-19 Fri 06:39 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
Re: あゆ様
おはようございます!
コメントありがとうございます(*´∀`)

仁義無き戦い...耽溺が終わっても密かに続く戦いに終わりはあるのでしょうか?
本家のあゆさんのところでは、私も参戦したいのに時間が...(T-T)コメント一番乗りに意欲を燃やす所存です(だから何の争いなの?)

情火はあゆさんをはじめ、多くの方に背中を押して貰った思い入れのあるお話です
シム准将がすごい好みでして...

はぁ!?ユノさんに触れた?
何をおっしゃっているのかわかりませんなぁ(笑)
TST部炎のカリスマですよ?自ら火中の栗を拾いに行っているんです(* ̄m ̄)
決して肩を触ってちょっと肉付きがいいわねやっぱり、なんて言いながら預かった荷物を漁ったりなんかしていません
あゆさんには、この下着をお土産に...
2016-02-19 Fri 06:50 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
Re: サ**様
おはようございます
コメントありがとうございますヾ(〃^∇^)ノ

お誕生日に更新するつもりはなかったんですが...うちのくみちゃんマネージャーがすごいプッシュしてきて(笑)
お休みしているのに、そのうちビシバシ尻を叩かれそうで今から震えておりますガクガクブルブル((;゚Д゚))

お誕生日を意識していたら、サ**さんのお話の様な胸に響くものを書きたかったのに...ミンホ...(。-∀-)
ごめんなさい...

そうなんですよ!シムケル!
情火を書く時に参考にした某国陸軍の濃緑色の軍服に、被る軍帽はシムケルの時にかぶってた制帽のイメージそのものだったので、初めて見た時歓喜に震えました
個人的にシム准将キタ━(゚∀゚)━!でしたね
2016-02-19 Fri 07:00 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
(♡ >ω< ♡)
うぉ〜お久しぶりぶりのシム准将だぁ〜☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
リアルにシムケルとドンピシャ〜(●´艸`)ムフフ ユンホ訓練生と…♡(๑¯ ³¯๑) 楽しみだわ〜♡♡
2016-02-19 Fri 14:32 | URL | カプリコ #- [内容変更]
Re: カプリコ様
こんばんは〜
ご無沙汰しております!
コメント(*´∀人)ありがとうございます♪

最初情火を書くときにイメージしていた雰囲気そのもののシムケルが来た時は、個人的に歓喜いたしました(♡´艸`)

お休みをしている時にこそ…とシム准将にして再登場していただきました♡よろしければお付き合いくださいませ〜
2016-02-19 Fri 18:31 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
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