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情火《番外編・後》
2015-12-23 Wed 18:00


このお話はフィクションです

軍隊、及び軍内部につきましては実在の物とは一切関係ありません。ご了承ください




side a captain Park



シム准将が再来月から指揮を執ることが決まっている我が師団の儀仗隊



その視察と指導を兼ねてシム准将は朝から留守にしていた



私も…シム元帥からの指示で准将と共に異動が決まっている



私はシム准将の影だ
あの方を守るために、どこへでもついていかなければならない



儀仗隊に移っても
彼のあの行為は続けられるのだろうか…



続けられるのであれば私はまた
それを表に出さない様にせねばならない



師団の儀仗隊からシム准将が戻られた旨の連絡が入り、入口で帰りを待つため足を向けた



途中でチョン訓練兵につけていたトン中尉が報告にくる。どうも初めての射撃訓練で散々だった様だ



シム准将が行為の一環で、銃口でも向けたのであろうか…



戻られたシム准将にさりげなくその旨を伝える
珍しく片方の眉が動いた気がした



私は、訓練兵達の本配属先が書かれた一覧表を手渡し、彼の前を退いた



軍務室に戻ると程なくしてトン中尉が入ってきて、シム准将が射撃場にチョン訓練兵を呼び出したと報告を受ける



シム准将は完璧主義者だ



ご自分が責任者である訓練兵に落伍者を出したくないという思いがある。だから私はあえてチョン訓練兵の射撃訓練が思わしくなかった事を伝えた



あそこは、私の許可がなければ立ち入ることが出来ない。トン中尉が入口にいればなお安心だ



チョン訓練兵と接するようになって以来徐々に感じてきたシム准将の変化を、後押ししたい思いがあった



以前ならばこんなことはしなかったのだが…



初めてシム准将が訓練兵の事を抱いている現場を目撃してしまった時、止めに入れば良かったという後悔に襲われた事を思い出す



かれこれ一時間も経っただろうか
射撃場の入口に立たせていたトン中尉が戻ってきた



《シム准将は司令官室に戻られております。チョン訓練兵が出た後、射撃場の施錠をして参りました》



トン中尉はそれだけ言って敬礼し出ていく



シム准将に抱かれたであろうチョン訓練兵が射撃場を出た瞬間、入口にあの無表情さでトン中尉が立っていたら、彼もさぞかし驚いだだろうと少し可笑しくなった



彼女はシム准将と同じ様に、冷徹が売りだ
職務に忠実で、シム准将が何をしているか分かっていても顔色一つ変えない



だからこそ、彼女が笑みを見せて言ったシム准将の《嫉妬》が余計真実だと感じた



私は彼女が出ていった後、司令官室に向かう



いつもの様に司令官室の椅子に深く腰を下ろして腕を組んでいたシム准将の顔に、今まで見たことのない憂いを感じた



男の私ですら言葉が詰まってしまうほどの
艶めかしいツヤを感じた



チョン訓練兵は
やはり今までのシム准将の相手とは違っている事を、准将の表情が表していたんだ



翌日のシム准将は珍しく気が立っていた
前日チョン訓練兵を手に入れたはずなのに、私も書類を投げつけられ追い出された



程なくしてトン中尉が軍務室に入ってきた



《あの様に声を荒げる准将は初めてでした》



そんな彼女の顔にも珍しく笑みが浮かぶ。シム准将の変化を彼女も感じているんだろう



《その後午前中の訓練を免除されているチョン訓練兵の元に行き、部屋にいた彼と関係しましたが…》



トン中尉はそこでまた含み笑いをする



〈シム准将にそんな顔を見られたら、さすがにお前でも首を切られるぞ〉



彼女はシム准将が今までしてきた事を散々見ていたが、こんな風に私に話すことはなく意外に思った



《すみません…シム准将がチョン訓練兵にシャワーを許可したので…何だか変わられたのが嬉しくてつい…失礼しました》



ほう…たしかにそれは彼女が笑みを浮かべるのもわかる気がする。シム准将の優しさを初めて感じた



シム准将は…
チョン訓練兵に心を動かされたんだ



二人の間に何があったのかわからないが、その事だけは間違いなさそうだと思った



私はトン中尉を部屋に残し、仕上がった書類を持って師団の上官の元に向かったが、そこで思いがけない話を聞いた



シム元帥の体調が優れないらしい…



直ぐにでもお伺いしたいが、まずは御子息が先だと訓練所に急ぎ戻る



こんな時もつい回りくどく言ってしまう私の悪い癖が出てしまい、シム准将が顔色を変えた



胸ぐらを掴まれ詰め寄られたが、私はそんなシム准将の姿に何だか色々な思いが頭の中を巡って心が熱くなってしまう



「すまなかった…パク大尉もゆっくり休みたまえ」



感情的になった事がバツが悪かったのか…伏し目がちにそう言うシム准将に思わず目頭まで熱くなってしまう



准将が私を見ないでくれて助かった…こんなことで目が真っ赤になっている所など見られたくないからな



〈はい〉

とだけ返せばよかったが

〈先ほどの姿を見て、あなたに血が通った様に感じました〉

と感傷めいた事を言ってしまった



びっくりしたように顔を上げたシム准将と目が合う。こんな風に目が潤んでいる所を見せるなんて、軍人失格だと思ったけれど…



それくらい
シム准将、あなたの変化が嬉しかった
凍てついたあなたの心が、ようやく解け出した事に気づけてよかった



どれくらいの時間と
どれくらいの犠牲を払ったのだろうか…



シム准将をあの時止められなかった事をずっと後悔してきたが、その後悔は思いがけずも一人の訓練兵によって救われることになった



これからはシム准将に「影」は要らないだろう
しばらくしたら私も元帥にお会いして「影」の任務を終えた事を報告しようと思った



今夜はトン中尉を連れて
美味い酒でも飲みに行くことにしよう



シム准将の事を酒の肴にするくらい
私たちは許されてもいいはずだからね



情火 番外編 –完–



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この記事のコメント
こんばんは〜♪
ゆんちゃすみさんお久しぶりです!!
二日酔いのしおんでございますよ〜
なんだか体調の悪い休みでございました←
パクサイドお疲れ様です!!
影としてシム准将によりそうパク、そんな裏側があったとは、本編を読んでいると色々裏付けられることが多くて感慨深かったです〜
ほんとお疲れ様でした♡
パク様と飲みにいかれるのでしたらこっそり後をつけますね(///ω///)←
2015-12-23 Wed 18:27 | URL | しおん #- [内容変更]
パク大尉とトン中尉🔥
ゆんちゃすみさん こんばんは〜🌛
パク大尉とトン中尉は
シム准将にとって なくてはならない
部下なんだなぁ〜って
パク大尉sideのお話を読んで
思いました♡(๑¯ ³¯๑)
シム准将の影となって見えない所で
手足となって働く切れ者のパク大尉と
トン中尉かっこいいわ〜。:+((*´艸`))+:。
シム准将が人間らしさを取り戻した
様子を 喜んで ふたりで飲みに行くんだって💨
ちょっと覗きに行こうかな?|ω・`)チラ

ゆんちゃすみさん 今日は少し
落ち着いたみたいで安心しました(*´ ˘ `*)
2015-12-23 Wed 20:34 | URL | くみちゃん #- [内容変更]
Re: しおん様
こんにちは〜
コメントありがとうございます♡

おおっと?!忘年会でもありましたか!
二日酔い…辛いですよね( ノД`)
私はアラサー時代、ワイン好きでクリスマスとかシャンパンをがぶ飲みしてよく二日酔いになって居ましたが、今はもっぱらハイボールか韓国焼酎になったので、飲みすぎても二日酔いになりにくくなりました

醸造酒より蒸留酒の方が残りにくいんですって!

しおん訓練兵
パク大尉に珍しく誘われ、すっかり変わられたシム准将の話を酒の肴に楽しく飲んでいたら…もの凄い視線を感じたのはしおん訓練兵だったか…

大丈夫、私にとってパク大尉はただの上官である。心配するな

2015-12-24 Thu 14:53 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
Re: くみちゃん様
こんにちは〜
コメントありがとうございます♡

今日は朝から頑張ったおかげで、働いた感は満載ですがババア故に身体が痛いです(TT)

情火を書くにあたって絶対入れたかったキャラだったので、くみちゃんさんたちにも気に入って頂けたしパク大尉の話も書いてみて良かったです

シム准将の手足になるパク大尉の、さらに手足になる人物も必要だと思いトン中尉を作りました
イトゥクに見張りはさせられないなーと思い…


クミコ訓練兵
珍しくパク大尉に誘われて、美味しい酒を飲んでいたら、四方から視線を感じた…
一人はちゃっかりパク大尉の部屋にも忍び込んでいるしおん訓練兵、もう一人は貴様だったか…
貴様の後ろにしっかり財閥御曹司の肩書を使って強引に抜け出してきたシウォン訓練兵もくっついてきているぞ?
彼の愛犬だけでなく、本人もすっかり手なずけたな…さすがカリスマコメンテーターだ

2015-12-24 Thu 15:06 | URL | ゆんちゃすみ #- [内容変更]
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