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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 13~
2016-12-22 Thu 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Princess? Changmin



サプライズ…
これは全部、ユンホ殿下からの贈り物だったんだ



たくさんのハート型のバルーンは
僕たちが新婚だという事の象徴なんだろう



以前夢中になって見ていたドラマがあった
めでたくハッピーエンドを迎えた主役の二人
最終回に結婚式を終えた二人を出迎えた部屋が、まさにこんな感じの部屋だった気がする



そして僕がベッドの上に座る大きなトラのぬいぐるみに気を取られていたその後ろから
今度は何と、トラの着ぐるみを着たユンホ殿下が現れた



サプライズの上に更にサプライズを重ねられた僕は
目を大きく見開き、多分口もぽかんと開いてしまってたと思う…



でも
そのびっくりした気持ちが落ち着いてきた後は
色々な感情が止め処なく押し寄せて来たんだ…



初めて会った時は
そのシャープな目でジロッと睨まれた



ご自身の言いたいことだけ簡潔に仰られた後は、初めて会った僕には何の言葉もかけて下さらなかったユンホ殿下



初めて国王陛下にお会いする事で緊張していた僕をからかうように、ワザと握った手を離して下さらなかったユンホ殿下



初めてのご馳走を目の前にして食欲の止まらない僕を見つめ、問いかけに答えてもらえずに突然涙ぐんだ僕にオロオロなさっていたユンホ殿下



その人が



僕へのサプライズという贈り物をするために
ご自分のキャラクターとは似ても似つかぬ可愛い着ぐるみをお召しになられるなんて……



この人は……
何て愛おしいんだろう……



目の奥がジンとして泣いてしまいそうになる自分を誤魔化すために、思わず笑ってしまった僕



僕に笑われてぷりぷりと怒るユンホ様
そんな仕草も、堪らなく愛おしくて……



僕は自分からユンホ殿下を抱きしめていた



僕がもし女だったら、この気持ちは母性本能っていう括りになるのかな?
僕はユンホ殿下よりも年下だけど、愛おしい人を僕の全てで包んであげたいって思ったんだ



その愛おしい人は
尚も僕の感情を揺さぶってくる



『チャンミンが前に話してくれただろ?守ってくれたトラのぬいぐるみの事を。これからはずっと、俺がチャンミンを守るんだ!っていう意味で(トラの着ぐるみを)着ただけ…』



そんなユンホ殿下に
僕は自分の中でどんどん大きくなる想いを、抑えられなくなった



ユンホ殿下は一生懸命理由を説明してくださっていたけれど
その忙しなく動く、ちょっとぷっくりした殿下の唇を塞いでしまった



この人が好き…
自分でどうしようもないくらいに好き…



自他共に認める超恥ずかしがり屋の僕でも、想いを伝えるにはこれしか方法が見つからなくて



でもそれは
ちゅっと音を立てて触れくるらいの、子供じみたかわいいキスだったけれど…



僕がこんな気持ちになったのにはもう一つ訳がある



僕たちは何だか
いつの間にかずっと近くなっていた様で
思うことや考えることが似てきたみたい…



何かのタイミングで殿下を驚かそうと用意していた物が、そっくりそのまま殿下と同じだったんだ



ユンホ殿下を小さな時から見守ってくれていた、ぬいぐるみのバンビ
王妃様がお手製で作られたと聞いていた



でもこれからは僕が殿下をお支えするいう思いで、ネットでバンビになれる着ぐるみを探したんだ



僕だけが幸せになるのは不公平だから、王妃様に教わりながら殿下のバンビに相棒を作った
それを殿下に今日お渡ししようと思っていたから…



僕のベッドに座るぬいぐるみのトラ
僕が作ったぬいぐるみのバンビ



ユンホ殿下がお召しになるトラの着ぐるみ
そして僕も…バンビの着ぐるみを着る



こんな偶然も僕にはやっぱり奇跡に思えて
ユンホ殿下への想いがどんどん溢れてくる…



思いがけず与えられた殿下との二人きりの夜
とっておきの…とまではいかなくても、二人の間に色んな思い出が出来ればいいなって思ってた



そうは思っても
着ぐるみを着てバンビに扮する事やぬいぐるみを用意してあった事は、先にユンホ殿下にやられてしまったから…



僕から…何かサプライズを贈れるだろうか?
僕が見てたあのドラマで…何かいいヒントは…



あっ!
……恥ずかしいけど……言えるかな?



「嬪宮の間のお風呂はすごく広いんです。だから…そのぅ…よかったら一緒に入りませんか?」



良かった…何とか言えた…



けどやっぱり!!
どうしよう!!大丈夫かな?!僕っ!!



着替えを取ってくると急ぎ足で出て行ったユンホ殿下の背中を見送り、言ったそばからヘナヘナと崩れ落ちる僕だった






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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 12~
2016-12-21 Wed 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Prince Yunho



新しい相棒を迎えて嬉しそうにしているバンビ
二人していつまでも見ている場合じゃなかった



トラとバンビになった俺たちが
とっておきの夜を過ごす事がメインだっつーの



『チャンミナ、戻ろう』



可愛すぎるチャンミンを見ただけで、ちょっとだけ元気になってしまったアレは
ゆったり設計のパジャマのおかげで誤魔化せているけれど



腰を引き気味にしたまま、チャンミンの手を取った



サプライズは飾り付けやこのトラさんパジャマだけじゃないんだ…早く部屋に戻らなくちゃ



さっきはバンビに連れられたトラが東宮殿のホールを通り、今度はトラが可愛いバンビを連れて戻る



その順番の方が、正解だよな
これから可愛いバンビをトラが食べちゃうんだからァ~!!



って、どうも最近の俺はテミンのテンションに引っ張られて似てきた気がするぞ
いや、テミンがおバカって言ってるわけじゃないんだが…



『チャンミンはここに座って?俺、色々用意してあるんだ』



そう言う俺にチャンミンは一瞬迷ってから



「えっと、殿下はもうお風呂は入ったんですか?」



なんて言ってくる



何だかチャンミン、積極的なんだけどっ!
さっきからドキドキしっぱなしの俺の心臓が、チャンミンの一言で更に鼓動を速める



「僕、いつもだいたいこの時間にお風呂に入るんです。習慣が変わると何だか変なので…」



なーんだ
俺だけやたらがっついてるみたいだな…



そうだよな。チャンミンって何をするにも自分に習慣づけてきちんとやってる感じだから…流れが変わるのがストレスになるのかも知れない



まっ、いっか
風呂に入ってきて…それからもう一度仕切り直せばいい



『いいよ、入ってきて。俺も自分の部屋に戻って入ってくるから』



そんな気になって扉の方へ振り返った



「あっ…ユンホ殿下、待って。えっと…嬪宮の間のお風呂はすごく広いんです。だから…そのぅ…よかったら一緒に入りませんか?」



チャンミナ?



・・・・・今何て言った?!
チャンミンが下向いちゃうから聞こえにくかったんだけど……



“一緒に入ろう”
って言ったよな?!?!



!!!!!
我が妃が…超恥ずかしがり屋のチャンミンが…
一緒にお風呂に入ろうって言ってる!!



どうしよう!俺!!
自分でも自分のキャラが分からないくらい動揺してるっ!!



だって俺たち…まだ…その…あれだ
結ばれたのもたった数回だけだっていうのに
いきなりお風呂!!



いや、待てよ…



何を動揺してるんだ俺は!!
よくよく考えたら、チャンミンの里帰りについて行った時だって一緒に入ってるじゃないか!



使い方がわからないと駄々をこねて、服を着たチャンミンを無理やり風呂場に引きずり込んだだけだけど…



〈男同士なんだからいいじゃない〉



テミンだってそう言ってたじゃないか!
そうだよ、男同士が一緒に風呂に入ったってどうってことないんだ!!



『よし!チャンミナ!一緒に入ろう!とりあえず俺、着替え取ってくる』



待てよ
俺の下着はどこに入ってるのかちっとも分からないぞ?



自分が手を煩わす事なく、全てのことを女官たちがやってくれるという皇太子としての人生が
まさかこういう時に仇になるとは思いもしなかった



仕方ない
探して見つからなければ…チャンミンに借りよう



俺はトラのパジャマのまま再びホールをダッシュで通り過ぎ、自分の部屋に駆け込んだ



色々と段取りをつけたつもりでも、こんな風にバタバタしてしまう



まあ、いっか



俺は…チャンミンに対して、飾らない自分でいたいって思ってるから



クールでいる事はむしろ簡単だ
今までと同じ様に、ただ黙って冷めた目で何も見なければいい



でも多分きっと
こんなバタバタしている俺の方がずっと俺らしいのかもしれない



そういえば小さい頃…
父上も母上に対して、何だかいつもバタバタと動いていた記憶がある



今から数十年後は
今の父上の様にゆったりと落ち着いて居られるかな…



そして俺の愛しい人は
今の母上と同じ様にその俺のそばで、きっと穏やかに微笑んで居てくれるよな



今夜の俺は勘が冴えてる
一番最初に開けてみた引き出しに入っていた着替えを持って、再び可愛い俺のバンビの元へ向かった






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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 11~
2016-12-20 Tue 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Prince Yunho



『チャンミナ、待ってたよ』



ベッドの奥に隠れていた俺
その俺を見たチャンミンは一瞬固まった後、口元を覆って笑い出した



「ゆ、ユ、ユンホ様っっ!その格好っ!!」



やっぱり…笑うと思ったんだよ…



〈サプライズをするならトコトンやりましょう〉
そんな助言を出し俺をすっかりその気にさせた、イ内官の顔を思い出し歯嚙みをする



そう
俺はチャンミンの枕に置いたぬいぐるみと同じ、トラの着ぐるみ風パジャマを着ていたんだ



『ホラっ、やっぱり笑った…んもぅ!だからイヤだったんだ!!!』



ぷりぷり怒る俺に慌てて駆け寄るチャンミン



「違うんですっ!可笑しいっていう訳じゃないんです!びっくりしたのと…そのぅ…ユンホ様がすごく可愛いから…」



そう言って、俺にぎゅっと抱きついた



チャンミンから抱きついてくる事はすごく珍しくて
笑われた恥ずかしさも忘れ、今度は俺が固まる



「これは…特別な夜だからということでして下さったんですよね?どうしよう…すごく嬉しいです」



抱きついたまま俺の胸元で言うチャンミン
何だろう…いつも俺が抱きしめている時とは違った感覚にとらわれる



チャンミンに抱きしめられているという安心感を、何故だか感じたんだ



『その、なんだ。俺たちさ、結婚したのに何だか新婚めいた事って何にもなかっただろ?チャンミンのそばにはいつもテミンがいるし…』



一方的に抱きつかれていたけれど、ようやく自分のペースでチャンミンを抱き返す



背は同じくらいなのに手をチャンミンの背に回すと、チャンミンは俺の腕の中にすっぽりと埋もれる様になるんだ



チャンミンはまるでトラさんに甘えるように、俺の胸元に顔を押しつけた



『だから今日はさ。ベタな方法でもいいから思い切り新婚さんになりたかったんだ。このパジャマは、その…えーっと…


ほら、チャンミンが前に話してくれただろ?チャンミンを守ってくれたトラのぬいぐるみの事を。これからはずっと、俺がチャンミンを守るんだ!っていう意味で着ただけ…』



その後にも色々言い訳めいた言葉が続く予定だったんだけど



チャンミンからの突然のキスで
…その説明はさせて貰えなかった



「ユンホ殿下…ちょっと待ってて」



突然のキスは、あっという間に終わって
チャンミンは戸棚の中をゴソゴソやると寝室の奥に消えて行った



「夫婦ってずっと一緒に居ると似てくるんだと、ウチの両親から聞いたことがあったんです。ユンホ殿下と僕は…新婚早々似ちゃったのかな?」



奥から出てきたチャンミンはなんと、バンビになっていた
そう、小さな時から俺のそばにずっと居たバンビに



バンビの着ぐるみを着たチャンミンは、手にしていた袋を俺に寄越す



『俺に?』


「そうです。開けて見てください」



トラの着ぐるみを着た俺と
バンビの着ぐるみを着たチャンミンの
傍目から見たらさぞかし笑える光景



でもいいんだ
バカみたいな事でも…
二人して同じことを考えてたっていう事は、それだけで紛れもない奇跡なんだから



リボンを解き袋を開けてみると
中には手製らしいバンビのぬいぐるみが入っていた



「王妃様に教えて頂きながら作りました。ユンホ殿下が僕を守る為にトラさんになって下さったのと同じで、僕はこれから殿下をあの子の変わりに守るつもりでいます」



あの子、というのは
母上が作ってくれた俺のバンビの事だ



「僕と出会うまで、小さな体で一生懸命ユンホ殿下を守ってくれたあの子にも幸せになって貰いたくて。あの子の隣に居る相棒を作ったんですよ」



チャンミンはそう言って笑った
優しい…そしてすごく可愛い笑顔だった



「あの子に会いに行きましょう」



チャンミンは俺の手を引き二人は部屋を出た



人払いを頼んであって良かった…
チャンミンはともかく、トラさんの着ぐるみ風パジャマを着ている俺の姿を女官達に見られなくて心底ほっとする



チャンミンと一緒に俺の寝室に入る
俺はチャンミンがくれたもう一体のバンビを並べて置いた



「これを巻いてあげて…これで良しっと」



チャンミンは袋を閉じていたリボンを俺のバンビの首に綺麗に飾ってあげている
よく見るとチャンミンが作ってくれたバンビが付けている物と色違いのリボンだった



「初めて挨拶をした時、僕はすごく睨まれたんです。だからこの子はきっと女の子だと思います。だから殿下のバンビにはピンクで、僕が作ったバンビはブルーのリボンにしました」



ベッドの上でニッコリ微笑むチャンミン
自分が更に可愛いバンビになっていることを分かっているんだろうか?



だとしたら…相当なヤツだ…
こんな可愛い見た目でこんな可愛い事をされて…
俺がどうにかなるって分かってないって事じゃないかっ!実にけしからん!!!



この場でドーンとチャンミンを押し倒してしまいたいっっ!



でも今俺たちはいつもと何の変わりもない俺の部屋に居るし…
ダメだ!せっかく飾り付けを頑張ったんだから…
新婚さんの部屋に戻るまで我慢するっっ!



「何だか嬉しそう!気に入ってくれたんですかね?」



小首を傾げたチャンミンが言う
パートナーと並んで嬉しそうにしているバンビをよそに、いつものバンビみたいに目を三角にして耐えている俺



バンビになったチャンミンはどんな仕草もめちゃめちゃ可愛くて
俺にとってはどんな悪魔よりも悪い小悪魔だった



トラさんパジャマの腰回りがゆったり設計で良かった…
そんなことを考えながら、やや腰を引き気味にする俺だった







参考イメージです♡
↓ ↓ ↓









※画像は全てお借り致しました


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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 10~
2016-12-19 Mon 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Princess? Changmin



四コマ目の後に予定されていたゼミの時間が変更になった



今日は久しぶりにユンホ殿下と一緒に帰ることが出来るかもしれない…なんてちょっぴり期待していたけれど、そんな希望はあえなく崩れ去る



ユンホ殿下はご公務に忙しく、僕はゼミの研究の発表会があるために、ここに来て講義以外でも大学にいる時間増えた



結婚してからは
それこそ四六時中顔を合わせる事になるだろうって思っていたけれど
むしろ少しずつ減って来た気がする



僕もユンホ殿下程では無いけれど単独での公務もあるし…



何だかやたらと時間が早く過ぎていく様な気がするのは、こんな風に目一杯スケジュールが詰まっているからかも



ゼミの課題をみんなで手分けして、何とか区切りをつける
大学を出る頃にはもう辺りは暗くなっていた



帰ったらすぐ夕食の時間になっちゃうな…
迎えの車に乗り込み時計を見る



〈殿下とのウキウキ新婚DAYを満喫してねっ!〉



なんてテミンは言ってたけれど
もう一日の半分は終わっちゃったよ…



ううん、そんな風に考えちゃダメ
冬の夜は長い…
ユンホ殿下との時間はこれから始まるんだ



こんな時のために密かに用意してたあれを出す時がとうとう来た
…実は僕、ユンホ殿下にお渡ししたいものがあるんだ



〈嬪宮様、お帰りなさいませ。ご夕食は国王陛下のお招きで大殿でお摂り頂きます〉



エントランスで出迎えてくれたコ尚宮さんには手でマルを作って返事をし、ダッシュで部屋に戻る
寝室の戸棚にしまっていたあれを取り出し、もう一度リボンを結び直した



お渡しする時までもう少しだけ待ってて
プレゼントにそう呟き、再度戸棚に戻す
小走りでついて来たコ尚宮さんが用意した服に着替えて、僕は息つく間もなく大殿に向かった



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*



国王陛下とユンホ殿下と僕
この組み合わせでの夕食は、初めての事だった



こうして見るとユンホ殿下はお父上に似ておられるんだなと感じる



お顔立ちはどちらかというと王妃様に似ていらっしゃるのだけれど
フォークの持ち方やスープをすする口元が似ていらして、そんな観察をしながらの夕食は楽しかった



途中イ内官さんが殿下を呼びに来て、ユンホ様は急いで東宮殿に戻られてしまったんだけれど



二人きりになりちょっと緊張した僕に、国王陛下はにっこりと微笑まれる



その笑顔がユンホ殿下の笑顔と重なって
愛しい人の数十年後を見た気持ちになった



その時
ユンホ殿下の隣にいる僕は
ユンホ殿下のお母様みたいに



愛しい人と年月を重ねて互いを分かり合い
黙っていても目だけで会話出来る様になれていると良いな



〈チャンミナ、ありがとう〉



数十年後の自分の姿を想像していた僕を現実に引き戻した、陛下の突然のお言葉
急な事でどうお返ししていいのか戸惑った



〈いや、驚かせてすまん。こうして二人になる機会があまり無いのでな〉



陛下は指で額をおかきになる
ちょっと照れていらっしゃるのだろうか
そんな仕草もまた、愛しい人のそれと重なって



〈君のおかげであれは大きく変わった。親の私があれこれ言うよりも、君が意識せずしていた行動が、ユンホを変えてくれたと思っている。


まだまだ子供な面もあると思うが…ユンホとそっくりな私を見捨てずに支えてくれている王妃と同じ様に、ユンホを見捨てずに支えてやって欲しい〉



そう言って恥ずかしそうに微笑まれた



「もちろんです。私の目標は…陛下の隣でいつもそっと陛下を見つめて、和かに微笑まれている王妃様ですから」



本心でそうお答えする



ユンホ様のお子を産む事が出来ない僕にでも出来る、小さなことを一つずつ積み重ねていき
そして大きな支えになっていける様に…頑張ります



国王陛下に心でそうお誓いして、僕は大殿のダイニングを後にした



東宮殿に戻ると、いつも其処彼処に立っている女官の姿が見えない事に気付く
ぽつぽつと警護の人が立っているだけだ



何かあったのかな?
僕についているコ尚宮さんも、何だか距離が遠い



「コ尚宮さん、何か…」



問いかけようとする僕の言葉をコ尚宮さんが珍しく遮った



〈本日は国王陛下からの思召しで、私達の日頃の務めを労ってくださる食事会が行われております。わたくしも嬪宮様をお部屋に送り届けましたので、そちらに向かわせて頂きます〉



え?そうなんだ
いつもの様にきれいにお辞儀をして去っていくコ尚宮さんの姿を見送る



いつも何をする時も側にいるコ尚宮さんが、こんな時間に居なくなるなんて…急に心細く感じた



「テミンも居ないしな……なんか寂しいんだけど」



ユンホ殿下は執務室にいらっしゃるんだ…
明かりの灯っていない対の間を見ながら、必要以上に大きな独り言を言い部屋に入る



とりあえず、大学から帰って来たままにしていた荷物を片付けよう
そう思って寝室の扉を開けて電気をつけた



!!!!!



何これ?!?!



普段から僕には到底似つかわしくない
ピンクのフリフリした雰囲気の僕の部屋が



様々な大きさのハート型バルーンで埋め尽くされていた



そしてベッドの上には
ユンホ殿下がお召しになる正装を着た
大きな虎のぬいぐるみが鎮座していたんだ






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更新再開のお知らせ
2016-12-16 Fri 18:00



親愛なる皆様


こんにちは
当ブログ管理人のゆんちゃすみでございます


いつもお運びいただきありがとうございます


先日は個人的な事情でお休みを頂戴し、申し訳ございませんでした
多くの読者様より暖かい励ましのお言葉をいただき本当に嬉しかったです


愛犬の体調は現時点では経過観察という状況で、何も出来ないという葛藤の日々を過ごしております


四時間おきに目を覚まし排泄をさせに外に出なければならないのですが、こちらは以前もしていた事なのですぐに体が慣れてきた様です


仕事の方も彼の体調に合わせて時間を調節することが出来たので、この数日で自分自身の生活サイクルが整ってきました


つきましては皆様にお伝えさせて頂いていたように、ある程度の目処がつきましたので更新を再開させて頂きます


月曜日より「至愛~番外篇~」を
木曜日より「渇欲」をそれぞれ再開させて頂きます


お時間がございましたら、どうぞお運び下さい


最後になりますが
至らない私に、いつも温かい拍手やお言葉を下さっている読者様に心よりお礼を申し上げまして、結びの言葉とさせて頂きます


ゆんちゃすみ







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渇欲 24
2016-12-08 Thu 21:00


このお話はフィクションです
性的な描写を含みます
ご注意ください






絡まる舌の熱さは
アルコールのせいだけなんだろうか…



ヤツの腕の中で
ヤツの舌にも酔わされていく



上顎を乱暴に舐められると
その都度ぞくりとした感触が背中に走る



容赦なく口腔内を蹂躙され逃げ場を失う俺の舌は、チョン・ユンホの熱いそれにあっさり捕まる



その熱い舌からは
さっきまで飲んでいた質の良いウィスキーの香りが伝わってきて
ますます酔いを深めてゆく



「んっ……ふぅ……」



眩暈のする様なキスから逃れ、空気を求めて必死に開いた俺の口からは
自分でも信じられないくらいに甘い声が漏れた



ヤツの大きな手が俺の頭をしっかり抑えていて
そのせいで俺は角度を変えるヤツの顔に、まるで自分から望んでいるかの様に顔を合わせて動かしてしまう



そんな風に思っているのは全て言い訳か?
気持ちとは裏腹に身体の芯は火がついた様に熱くなっていくんだ



その微妙な変化にチョン・ユンホも気づいたのか、ヤツの指がゆっくりと俺の身体につたいおりてくる



さっき不器用に氷をグラスに入れていたヤツの指は、人が変わった様に繊細に肌をまさぐる
熱くなった身体は、些細な指の動きにも敏感に反応してしまう



『お前の肌が俺の指に懐いてきた様だな?良い子だ…シム・チャンミン』



訳のわからないヤツの表現も、どこか遠くの方から聞こえてくる様で
着ていたシャツの隙間から入る風だけが、現実との唯一の接点の様だった



肌に触れるひんやりとした風は、目の前にある現実を教えてくれているというのに
当の俺は非現実的な方に意識が集中してしまい、自分のシャツが脱がされた事にも気づかなかった



ヤツの指が、俺の胸の突起を捉える
輪郭を辿る様に撫でたと思うと、乱暴に摘み上げる



そんな未経験の行為にも、質の良い酔いは上手く作用する様で
自分でもわかるくらいに身体が紅潮していくんだ



『きれいな色をしているな…』



そんな妖しげな言葉が聞こえた刹那
言い様のない感覚が身体に電気を走らせた



自分の胸にある小さな器官
男には到底必要さを感じないそのもの
その突起を尖った様な形になったヤツの赤い舌が動き回るのが視界に入ってくる



ウィスキーの酔いだけではない何かが、俺の身体の奥底から湧き上がってくる様だった



怖い…
自分の身体が、自分のもので無くなってしまう気がして
俺は思わずヤツの背中にしがみついてしまった



「ああっ……」



どうかしてる
女の様な嬌声を自分があげるなんて
そのくせ
強請る様にチョン・ユンホの頭を抑えてしまう



ヤツが俺を見上げる
宝石の様なヤツの黒い瞳はいつも、人形の様に何も見えていない様だったけれど
今はその黒い瞳に、俺が映っていた



浅ましいほどに
未知の快楽を貪ろうとしている俺の姿が…



『良い表情だ…ここも随分と辛そうだが?』



胸の突起が熟れた果実の様にぷっくりと色づいて
それを尚も指で甚振りながら顔を寄せ耳元で囁いてくるチョン・ユンホ



もう片方の手は
そんな言葉とともに俺のジーンズの上に添えられていた



ジーンズが窮屈なくらい形を変えている場所に…



『ここでこのまま続けるとさすがに出入り禁止になるか。俺がこれを下げた時にはもう止められないぞ?…どうする、シム・チャンミン?』



ジーンズのファスナーに手をかけて俺を見つめながらそう言う



嫌なヤツだ
俺をこんな風にしたくせに…
自分の姿態を忘れようとして精一杯ヤツを突き放す



「はっ、離せっ!どっちみち俺はこんな場所入れないし!お前だってオーナーのくせに出入り禁止になんかなるわけねーだろっ!」



次の瞬間
俺はあっという間にチョン・ユンホに組み敷かれていた



『やはり知っていたのか…ならばもう帰せないな。思う存分、俺に善い声を聞かせるんだ』



仕留めた獲物を喰らう肉食獣は
きっとこんな風に噛み付いて獲物を甚振るのかもしれない



俺の首に何度も歯を立てながら
ヤツは性急にファスナーを下ろしていった



決して抜け出す事の出来ない
愛欲という名の底無しの沼に



沼に棲む悪魔が
自ら俺を誘っていった…







皆様へ


先に更新させて頂きました「至愛」でもお伝え致しました様に、「渇欲」も当面の間お休みをさせて頂きます

楽しみにして下さっている皆様には本当に申し訳ございません

何卒よろしくお願い申し上げます


ゆんちゃすみ



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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 9~
2016-12-08 Thu 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Princess? Changmin



勉強熱心で真面目
子供の頃からそう言われてきた僕が



今日は何だか、講義に身が入らない



〈チャンミナ。ねぇ、チャンミンってば!〉



隣に座っていたスヨンが腕を引っ張って初めて、講義が終わった事に気がつく



〈どうしたの?チャンミンにしては珍しくぼーっとしちゃって〉



慌てて荷物をまとめる僕に、スヨンが心配そうな顔で言う



《妃殿下!体調がお悪い様であれば私めにお申しつけください!》



そう言いながら僕の前にしゃがむミノに軽くキックを入れてやる



前にお友達のドンへさんを思い切り蹴飛ばしていたユンホ殿下を見たことがあったけれど
何だか僕も、ユンホ殿下のキャラに似てきた?



《何だよ、おぶってあげようと思ったのに》



ブツブツ文句を言うミノを小突くスヨン



〈バカだねぇ…チャンミンを背負って歩いてる所に、もし皇太子殿下がいらしたらどうすんのよ?!〉



ミノは大袈裟に震える素振りをしながら僕を見る



《俺はきっと皇太子殿下に背骨を折られるかもしれない…》



全く大袈裟に言うな、こいつ…
どっちかと言うと僕の方がミノに負ぶさったままヘッドロックをキメてやるけど



「皇太子殿下は今日もご公務でお忙しいから、今朝も僕一人で来たよ」



大殿で公務に出発なさる大妃様一行を見送った後、東宮殿に一緒に帰って来た僕たち
ユンホ様は公務をなさるため執務室に消え、僕は大学に向かう支度をしに部屋に戻る



最近パターン化した流れだ



以前まではホールで左右の部屋に分かれて入り
三十分後には再びホールで顔を合わせ、共にエントランスに向かい車に乗り込んでいたけど…



〈あら?そうなの?三コマ目が始まる前にお見かけしたけど…〉



え?
ご公務が片付いたんだろうか
最近は大学に来るのもままならないほどお忙しいのに



「見間違いじゃない?ここのところ、単位を落とすかもしれないって殿下が悩まれるくらい、大学に来られてないんだよ」



《よしっ!四コマ目は休講になったから空いちゃったし!経営学部に見に行ってみよう!!》


〈いいわね!さすが弟!〉



こういう時の双子ほどやっかいなものはない
嫌がる僕の両脇を双子の姉弟に挟まれて、引きずられる様に講堂を後にした



講義が始まるチャイムが鳴る
スヨンはスマートフォンを見ながら、目的の場所を探しているようだ



〈こっちみたい!〉



腕を引くスヨンの力が強くて為すがままの僕
美人のくせに、力だけは本当に男勝りでびっくりする



〈ほら…見てみて?いらっしゃるでしょう?〉



スヨンに促され講堂の入口のガラス戸から覗く
僕の目は一瞬にして窓際に座る愛しい人の姿をとらえた



ユンホ様…
ご公務の合間に時間が出来て、大学に出ていらっしゃったんだ



『俺はチャンミンとは違うから。講義では寝てるだけだってば』



何かの時にそんな事をおっしゃっていたけれど
今僕の目に映るのは、シャープペンシルを持った左手を口元に添えて、黒板を見つめるユンホ殿下の姿だった



窓から差し込む陽が眩しいのか、時折目を細めるユンホ殿下
講義が面白いのかな?時折口許に笑みが浮かぶ



同じ大学に通い始めてしばらく経ったけれど、こんな風にユンホ殿下の通われる学部に来るのは初めてだ



ユンホ殿下は時折
僕の様子を見にいらしてくださったけれど



見た事の無いユンホ殿下の姿に見とれてしまう
ただ、講堂の椅子に座りシャープペンシルを持って講義を受けているだけなのに…



《チャンミナ、見えた?》


〈シーっ!あんたはいいんだってば〉



僕の後ろで双子のいざこざが始まったけれど
僕は…スヨンが連れて来てくれた事に感謝した



〈そういえば今日から、大妃様と王妃様にくっついてテミンも釜山に行ったんだってね〉


《さっきスマホのニュースで見たよ。テミンのやつ、本当にお姫様みたいで思わず笑っちゃった》



そうだった…
今夜はユンホ殿下と二人きりなんだ



僕ってば
だから今日は講義に身が入らなかった?



いつもだったらみんなの目を気にして思い切り殿下をつき飛ばしちゃうのに
大殿から戻る際にユンホ殿下に突然抱きしめられた時、何故か今日は殿下の腕の中で大人しくしていた



僕の中で僕自身の命令を聞かないくらい
ユンホ殿下の温もりを求めてたんだと思う



今夜は二人きり………
きっと僕らは………



《チャンミナ??顔が赤いけど?って、大丈夫かよっ!鼻血出てるってば!》



!!!!!



僕ともあろうものが…
ダメじゃないかっ!!



鼻血を見て慌てているスヨンとミノに、頭の中で僕が考えていた事を悟られない様に
言い訳を散々言いながら、逃げる様に経営学部を後にした



僕って
エッチなのかなぁ…





-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

皆様へ

いつもお運び下さりありがとうございます

ここ数日愛犬が体調を崩しておりまして、その世話の為に多忙になっております

私事で大変恐縮でございますが…

実子を産まない代わりに迎えた愛犬は、私自身にとりまして我が子同然です
それ故メンタル的にも非常に落ち込んでいる状況です

そのため、しばらくの間お休みを頂戴したいと思っております

「至愛」並びに「渇欲」を楽しみにお運び下さっている皆様には、この様な事態でお待ち頂く様になってしまった事を深くお詫び申し上げます

以前も同様の症状を発症しながらも自然に症状が好転した経緯がありますので、今回も一時的なものだと思っておりますが…

いかんせん症例の少ない病で治療法もないため、経過を見守る事しか出来ないのがもどかしいです

落ち着きましたらすぐ再開させて頂きます
しばらくの間お待ち頂ければ幸いでございます

何卒よろしくお願い申し上げます

ゆんちゃすみ


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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 8~
2016-12-07 Wed 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Prince Yunho



どうしても午前中にやらなくてはならないと言われていた公務を終える



急いで部屋に戻り大学に向かう支度をする
今から行けば、何とか三コマ目に間に合うだろう
エントランスに向かう時に、コ尚宮に会った



〈おそれながら申し上げます。嬪宮様におかれましては、本日教授のご都合でゼミの時間が一時間遅れ、お戻りになるのは夕刻になるそうです〉



俺が問うより先に聞きたい事の返事をくれる
そっか…平日だしな、仕方ない



理系の学部に通うチャンミンは、文系の俺と違って連日目一杯の講義を受けているから、毎日だいたい俺より遅く帰ってくる



それでも以前はチャンミンと少しでも時間を共有したくて



朝も自分の講義が始まる一時間以上早い時間にチャンミンと一緒の車で大学に向かい、帰りはドンへに付き合わせて時間を潰し、チャンミンの講義が終わるのを待って一緒に帰ってきた



俺が公務に時間を費やす様になってからは
それも無理になってしまったけれど



共に暮らす様になってから
もう随分と月日が経った気がする
時の移ろいは、ただそれだけで様々な事を変えて行ってしまう



少しずつ生じる時間のズレが、夫婦にとって大きな溝になるのかもしれない



でも
俺は絶対にそうならない様にするんだ



時間のズレは、可能な限り元に戻す様に努力する
万一溝が出来てしまったときは気づいたら即、修復する



チャンミンと一緒にいる時間を捻出するためには、自分の時間を犠牲にすればいい



犠牲にするっていうのは語弊があるな
俺の方が、チャンミンに合わせていくって感じか…



前は二日とおかず通っていた大好きな乗馬も
今はほとんど行かなくなった
それよりもとにかく、東宮殿のテラスのベンチに腰かけてチャンミンの話を聞く事の方が楽しくて



乗馬が趣味だった俺は
チャンミンの顔を見る事が趣味になってる気がする



彼が身振り手振りを加えて、目をくるくる動かし、俺に語りかけてくれるのが楽しくて堪らない
見つめているだけで心が満たされていくんだ



こうやってチャンミンの事ばかり考えていると、苦手な教授の講義すらあっという間に終わってしまう



チャンミン言ったらきっと、ものすごい勢いで怒るだろうな…



「殿下!!講義は集中して受けて下さい!!」
真面目な彼は前のめりになって、そう言うだろう



以前は机に突っ伏して講義の大半を眠って終わらせていた俺だったから
こうしてしっかり前を向き、ノートを開きシャープペンシルを持っているんだから大きな進歩だ



なんて屁理屈を言ったら
あの恐ろしいコブラツイストをキメられそうだな…



午前中は公務で来られなかったけれど、予定通り三コマ目と四コマ目を受講して大学を後にした



〈殿下、お疲れ様でございました。予定通りショッピングセンターに向かってよろしいでしょうか?〉



大学の入口に迎えに出てくれたイ内官
『うん、頼む』と言って彼と共に車に乗り込んだ



〈テミン様から良い情報は得られましたか?〉



車の中で問うイ内官に首を振った



『それがさ。結局何がいいのか分からなくて…』



実は俺
チャンミンと迎える大切な一日を記念して、彼に何かサプライズを贈りたいと思ってたんだけど…



元々こんな性格だったから、あいにく人を喜ばす術に関しては不得手で
頼みの綱のテミンにも〈自分で考えてよぉ~〉とあっさり見捨てられた



万事控えめな性格のチャンミンは、あまり物欲もないらしい



服装もシンプルな傾向を好み…と言っても性別を隠しているから好みを出せないってのもあるだろうけど、用がない時はブラウスにパンツという至極シンプルな服装でいる



母上が一緒に買い物に行った時も、欲しい物を買ってあげると言うのへ
「お気持ちだけで嬉しいです。その分で大妃様のお土産を求めましょう」と返したらしい



〈嬪宮様も殿下と同じ男性ですからね。かと言って殿下が欲しいとお思いの物を嬪宮様が欲しがるとも思えませんし…〉



そうなんだよな
俺は甘い物に目がないけど、チャンミンはケーキも好きじゃないみたいだし



俺が喜ぶことをチャンミンも喜んでくれるだろうか…



俺が嬉しい事…
それはチャンミンと一緒に居られることだ…



喜ぶ喜ばないは抜きにして、サプライズはあくまでも添え物的に考えよう
前もって注文してあった物を店に取りに行き、足りない物をイ内官と一緒に買い揃えていった



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*



大妃様も母上もおられず寂しいとおっしゃる父上のワガママに付き合わされ、夕食は大殿で三人でとった



チャンミンは優しいから父上にもあれこれ気を配り、父上は俺が見たこともないくらいに相好を崩しておられる



まあ、そんな所も親子って事だ



打ち合わせ通り、食事の途中でイ内官が至急の用件だと俺を呼びに来る
チャンミンに犠牲になってもらい、俺は急いで東宮殿に戻った



喜ぶ喜ばないは別だと言えども
驚いてこそのサプライズなんだから
そんな思いで、柄にもなくハートのバルーンでせっせと部屋を飾りつけていく



前にドラマで見た光景を自分のイメージで再現する
新婚さんは結婚式を終えた後、こんな飾りつけをされた部屋に戻ってきてたから



俺とチャンミンは新婚なんだ
一日くらいその気分に浸ったっていいだろ



飾りつけを終えて、最後にチャンミンのベッドにぬいぐるみを置いた



〈殿下っ!嬪宮様がお戻りです!!〉



間に合った…
ホッと胸を撫で下ろし最後の仕上げに入る



俺とチャンミンの
とっておきの夜が始まった



良い思い出を作りたいな…






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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 7~
2016-12-06 Tue 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Prince Yunho



俺の一世一代のイベントの始まりだ



大げさかもしれないけど
今回のチャンスはそれくらいの価値がある



だってさ
俺とチャンミンは、世間で言うところの新婚カップルだ



それなのに、ちっとも新婚らしい時間を過ごせていない



父上の代わりで公務に忙しく一日のスケジュールが目一杯になってしまい、チャンミンと過ごす時間が全く取れない事が最大の理由だ



それに加え



チャンミンのそばにはいつもテミンが居るという事が一つ
そして夜には、俺とチャンミンの共寝を許可していない母上が急にやってくる危険性がある事が一つ



そしてもう一つ
我が愛しの人は、“超”のつく恥ずかしがり屋だという事だ



時折チャンミンと触れ合えるチャンスがあっても、大抵俺のそばに居るイ内官かチャンミンのそばに居るコ尚宮の目を気にして俺から逃げてしまう



俺の手が触れただけで耳まで赤くして、大きな目を更に目一杯見開いて動揺するチャンミン



彼のチャームポイントのきれいな瞳が、その都度せわしなくキョロキョロと動き回る
本人がまるで意図していない自然体のそんな仕草が、俺には堪らなく可愛い



出会った時は
チャンミンの飾らない凛とした美しさに惹かれた



彼のその自然美を、母上がご自分の大好きなカラーという花の美しさに例えていらしたっけ



結婚してからは
チャンミンの凛とした真っ直ぐなところに、恥ずかしさから来る可愛らしさが加わって



俺的に
チャンミンは無敵状態になった



未だにステージ3までクリア出来ない、俺の苦手なゲームのスーパーマリオ
マリオがスターを取って虹色に点滅しながら敵を蹴散らしていくイメージそのもの



飾らない美貌、真っ直ぐな性格、そこに可愛らしさが加わったんだから…もう無敵だろ?



そんなチャンミンと二人きりで過ごせる千載一遇の機会が巡って来たんだから



今日の俺は一世一代のイベントに向けて、朝から気合十分だった
前の晩もこっそりチャンミンの寝顔を堪能したおかげで寝つきも良く、すっきり目覚める事が出来た



でも実は
昨夜、公務の合間にチャンミンのことが気になってホールから対の間を覗き込んだ



愛しい人はあいにく風呂にでも入ったのか不在で、そこに顔を出したテミンに覗き見を見つかるという不運にあう



〈オッパ~!ヒョンならシャワー浴びてるよ。部屋は覗いてもいいけど、お風呂はやめた方がいいよ?丸っきり変態おじさんだから〉



『このヤロっ!誰が変態おじさんだっ!風呂なんか俺が覗くかよ!!』



相変わらず言いたい事をズバズバ言うテミンに、チャンミン直伝のヘッドロックをきめてやる



〈ちょっ!!ギブギブっ!!!酷いなァ、オッパ。僕がせっかく駄々こねてお二人の公務について行くって言ってあげたのに~〉



テミンが言うには



最近ほとんど一緒に摂ることが出来なくなった夕食時に、チャンミンがよくため息をつくようになったらしい



俺が居ない事で寂しい顔をしている兄の姿を見て、切なくなってしまったという



〈僕さ。大妃様と王妃様がご一緒に公務に行かれるって聞いて、これはチャンスだ!って思ったんだァ!だからね。お二人に甘えて連れて行ってもらう事にしたの〉



テミナ…さすが俺の義弟!!
信じてたよ!おまえのことをっ!
変態おじさんって言った事も許そう!



〈ヒョンはさ。寂しくても寂しい、って言い出せない性格だからね〉



そう言うテミンの頭を思い切り撫でてやる
チャンミンのおかげで一人っ子だった俺にこんな可愛い弟が出来たんだ



〈オッパ~!代わりにさ、僕の宿題やっといてね~。僕の部屋の机の上にあるから!それじゃ、おやすみィ!〉



ちくしょー!このちゃっかり者め!
仕方ない。チャンミンと二人きりの時間を作り出してくれたテミンのために、ここはオッパが一肌脱ごう



そんな経緯もあり、俺は今日の記念すべき日を迎えられたわけだ



よしっ!今日は忙しくなるぞ!
そんな気合いを入れて始まった一日



大妃様一行をチャンミンと共に見送った俺は
帰り際に一緒に行けるなら公務の場所はどこでもいい、なんて可愛い事を言ったチャンミンを抱きしめた



いつもだったら「何するんですか!」と大袈裟に突き飛ばされるところだったけれど
今日のチャンミンは大人しく俺の腕に収まっていたんだ



チャンミンも…
今夜は二人きりだということを意識してる?
腕の中で微かに揺れる髪が、俺の頰をくすぐる



名残惜しかったけれど
チャンミンの背中にぽんぽんと合図をして離れた



イ内官もコ尚宮も、何だか今日はいつもより距離を置いて付いてきている



テミン、そしてイ内官やコ尚宮の好意を無駄にしない為にも、先ずは公務をしっかり終わらせよう



チャンミンの残り香を感じながら、俺は執務室に向かった



一日は始まったばかりだ
今日は…一生忘れる事がない様な、そんな思い出を作りたいと思った






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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 6~
2016-12-05 Mon 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Princess? Changmin



《大妃媽媽(テビマーマー、先王の王妃・敬称)、王妃媽媽(ワンビマーマー)のお成りでございます》



大殿の正面玄関に響くソン尚宮さんの声
居並ぶ職員と共に国王陛下、ユンホ殿下、そして僕がゆっくりと頭を下げてお迎えする



ソン尚宮さんに続き上品なツイードのコートをお召しになり、色を合わせたベルベットの帽子を被る大妃様がお出ましになる



続く王妃様は、シンプルなお色で襟元にきれいな刺繍が施された珍しいコートをお召しになられる
僕が初めて公務に出た時もそうだったけど、王妃様もまた、飾りのついた帽子を被られている



王族の女性陣には公務の際に
帽子を被るという様な着る物に細かい決まりがあるんだ



《続いてテミン様のお成りでございます》



「チッ…」



下品だと思うけれど誰にも聞こえない程度の舌打ちが思わず出てしまったのは、自分の弟がドヤ顔で歩いて来るのが見えたからだ



今日もまた、王妃様自ら選ばれたんだろうか
テミンはワイン色のワンピースにファーの施されたベージュ色のマントを合わせている
帽子にもふわふわのファーが縁取られていた



全く…
我が弟ながら、お姫様の姿がよく似合う
でもあのドヤ顔は帰ってきたら注意しなきゃいけないな



皇太子妃である自分よりも、テミンの方が最近すっかり人を使うことに慣れている気がする



って言うか
元々天然の可愛いオーラが強いテミンに対して
大人の方から寄ってたかってチヤホヤしてるんだけど



〈大妃様、どうぞお気をつけて。王妃、テミン。大妃様のお身体を労って差し上げるように〉



公務に出かける三人を見送りに出た僕たち
国王陛下がまずお声をかけられる



『大妃様、王后陛下。釜山の美味しい海の幸を私の分までたくさん召し上がって来てください。テミナ、食べ過ぎてお腹を壊すなよ』



僕の隣に立つユンホ殿下は、そう言ってテミンの頬っぺたをつまむ
一人っ子のユンホ殿下は、本当の弟の様にテミンを可愛がってくださる



〈オッパァ!大丈夫だよぉ~!僕お肉だけ食べるから!〉



『全く…テミンは肉ばっかだな。オッパみたいに好き嫌いなく食べる様にならないとだめだぞ』



……弟っていうか、妹?
もうこの際どっちでもいいけど



「大妃様、王后陛下。海沿いの風は大層冷たいと聞き及びます。くれぐれもお身体に気をつけてくださいます様に。テミナ、お二人に決してご迷惑をかけない様にしなさい」



僕の前にいらしたお二人にお伝えしてから、着ている韓服のチマをつまみ膝を落としてお辞儀をする



ヨーロッパに古くから伝わるカーテシーというお辞儀は、品が良く見えると思って自分で意識してやっているんだ



前に…どこかの国の王女様がやってるのを見て、すごくきれいだったから



《チャンミナ、留守を頼みますよ。わたくし達が居ないという事は、内命婦(王妃などの王族や女官を含めた宮中にいる女性の総称)の最高位にそなたが立つという事です》



そうおっしゃり、にっこりされる大妃様
確かにそうだった…責任重大じゃないか…
一瞬にして身の引き締まる思いがした



《大妃様、皇太子妃なら大丈夫です。わたくしが初めて会った時にユンホの妃になるのはこの人だと見込んだ子ですよ》



王妃様…
いつもはテミンに夢中で、僕にはお言葉をくださることが少ない王妃様にそう言っていただけるなんて…何だか嬉しい



〈オーンニー!素敵な夜を過ごしてねぇ?じゃないと、僕がお二人について行く!ってワガママ言った甲斐がなくなるよぉ~〉



先に進まれる大妃様と王妃様の後に僕の元に来たテミンは、そう僕の耳元で囁いた



だからっっ!!
素敵な夜って何だよっっっ!!



ニヤつくテミンの足に蹴りをお見舞いしてやろうとしたのに
テミンのやつ、サッと身を翻して逃げやがった



〈オッパァ!ファイティン!!〉



そのまま大妃様達の後を追い、迎えの車に乗り込む際にもう一度振り返り手を振るテミン
ユンホ殿下まで何で親指立てて合図送ってるんだよ…んもぅ



連なる車が一台ずつエントランスを出て行くのを見送る
国王陛下に改めてお辞儀をして、僕はユンホ殿下の後ろについて東宮殿に戻る



テミンは相変わらずアレだけど、初めての遠出をすごく喜んでいたのは僕まで嬉しくなったな
昨夜もたった一泊の予定なのに必要以上に荷造りがに時間がかかってた



〈トン尚宮さーん!僕のお気に入りのアレ知らない?〉


《ええっ?!テミン様、さっきお渡ししませんでしたか?》


〈うそ~そうだった?おっかしいなぁ?どこ行っちゃったんだろ〉



失くし物はテミンの得意技だけど
“アレ”だけで何かわかってしまう尚宮さんもすごい
そんな賑やかな荷造りを見ているだけで楽しかった



『俺たちもさ…次は一緒に公務に行かせてもらおうな』



ぼんやりと昨夜の事を思い出して歩く僕の手をスッと握り、ユンホ殿下がおっしゃった



僕の方を振り返らずとも、僕の手の位置が分かっちゃうユンホ殿下



こんな何気ない事で
二人の間の距離が近くなった事を実感する



『どこが良いかな?景色が良いところも良いし…釜山みたいに海の幸が美味いところも良いな』



ユンホ殿下は前を向き歩いたままおっしゃる



「僕は…ユンホ殿下と一緒に行けるのならどこでもいいです。一人で待つのは寂しいから…」



そう
ユンホ殿下がご公務でタイに行かれた時は
小さかった頃に経験した、両親が仕事で居ない夜を思い出すくらいに寂しかった



「っ!痛っ」



急に立ち止まったユンホ殿下
僕は殿下の背中にそのままぶつかってしまう



『そうだな、次は絶対二人で行こう。ダメだと言われても…チャンミンをスーツケースに無理矢理入れてでも連れて行くよ』



ユンホ殿下の優しい腕にふんわり包まれる僕は
世界で一番の幸せ者だと思った



でもユンホ様…
スーツケースはちょっとあれかな…






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