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縁結 第2章 ~至愛 4~
2016-08-31 Wed 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Princess? Changmin



どうしよう…僕…
怒らせちゃう様な事を何かしちゃったのかな



大妃様と両陛下への朝のご挨拶に行った時は、別にいつも通りだったと思う



テミンに冷やかされながらも
ユンホ殿下は僕の手をぎゅっと繋いでくれて



あれは…初めて両陛下にご挨拶をする時だったかな
隣に立っていたユンホ殿下がいきなり僕の手を握って



緊張で震えて冷たくなっていた僕の手は
離そうとしても離してくれなかったユンホ殿下の手で汗ばむくらい温められたっけ



ユンホ殿下と手を繋いだ事が恥ずかしくて、とにかく離してもらいたくて仕方がなかったのに
最近はふと手が離れると、何だか寂しくなるくらいだった



今日は
そんな手を痛いくらいに握られて
おまけにユンホ殿下の部屋のソファーに投げ飛ばされるようにして手を離された



圭賢君殿下と会ってからだ…



僕が初めてキュヒョン様とお会いした時も
僕に握手を求めて差し出されたキュヒョン様の手を、ユンホ殿下は振り払った



ずっと一緒にいらっしゃらなかったお二人の間には、きっと僕には分からない何か複雑な感情がおありなんだろう…



でも、ちょっと
こんな風においてけぼりになるのが寂しく感じた



ユンホ殿下が居なくなられた部屋を出て、自分の部屋に帰る
週明けからいよいよ大学にも行ける様になるし、予習でもしておこう



そう思って机に向かった



僕は工学部に入ったけれど、キュヒョン様が専攻なさる物理理工学部が第一志望だった
二年間の成績次第では転部も出来ると言われて、出来ればそうしたいと考えている



僕が皇太子妃になり、ユンホ殿下が通われる王立大学に編入する事を嫌がったら受験した大学の学部そのものが引越しする事になって…



大げさ過ぎるスケールに周囲に申し訳ない気持ちでいっぱいになったけれど、学費や入学金等の免除が条件だったみたいで、編入を希望した仲間達にも迷惑は最小限に抑えられた様でほっとした



キュヒョン様は…理系大学の最高峰である米国の大学に通われてると伺った
しかも飛び級で入られたのだから、相当優秀なんだろうと思う



こちらにいらっしゃる時だけでも勉強を見て頂ければいいな、なんて厚かましい事を思ってしまい自分で頭をコツンと叩いた



自分でやらなきゃダメだ
受験勉強の時だって、あんなに努力出来たんだから



《失礼します。嬪宮(王世子の妻)様、圭賢君殿下がお見えです》



コ尚宮さんの声とともに、さっきまで頭の中にいた方が現れた



〈やあ、チャンミナ。ユノヒョンと出かけなかったって聞いたから、論文をハングルに訳してあるやつを持ってきたよ〉



そうおっしゃるキュヒョン様の手には、分厚い書類と可愛らしい箱が持たれていた



〈尚宮、お皿とフォークを持ってきて〉



キュヒョン様はそう告げて、テーブルに箱を置きリボンを解く



キュヒョン様のそばに寄ってその箱を覗き込むと、美味しそうなフルーツのタルトが入っていた



〈チャンミンは甘い物が苦手だって聞いたから。ここのタルトはね、フルーツの甘さだけでとてもさっぱりした味なんだ〉



どうして僕が甘い物が苦手な事をご存知なんだろう?



どちらかというとお菓子はスナック菓子ばかりで、ケーキみたいなスイーツ系が苦手な僕
子供の頃から誕生日のケーキも一切いらないと言うほどだった



「えっ…よくご存知ですね」


〈当たり前でしょ?チャンミンは、本当だったら俺の元に来る筈だったんだからね〉



確かに…
先王様とじいちゃんがした約束の対象者は、元々は先の皇太子様の嫡男であるキュヒョン様と僕だった



でも…
キュヒョン様がお生まれになる直前にお父上がお亡くなりになって今の王様が即位され、ユンホ殿下が皇太子になられたから、その対象がキュヒョン様からユンホ殿下に移ったんだった



尚宮から受け取ったお皿にタルトを乗せ〈はい、どうぞ〉渡してくださるキュヒョン様



〈来週から王立大学に通うんだってね?あそこはお坊ちゃんお嬢ちゃんの集まりだから…少し心配だな〉



尚宮さんがタルトに合わせて淹れてくれたコーヒーを一口飲んでキュヒョン様が目を伏せる



自分がまさか通う事になるとは思っていなかったけど、王族が自分の子に大卒という学歴を持たせるためにお金を出して作ったとか、金持ち以外は人扱いされないみたいな話を聞いた事がある



いくら見知った同級生が数人編入してくるとはいえ、不安がない訳じゃないけど…



考え事をしてぼんやりとタルトを一切れフォークに刺したままでいる僕
そんな僕の手を取り、そのまま僕の口に運ぶキュヒョン様



〈チャンミン、どう?美味しいでしょう?不安な事は行ってみてから対策を講じればいいんだから。今はほら。食べよう?〉



ユンホ殿下も強引なところがあるけれど
僕の手を持ってタルトを食べさせるキュヒョン様も案外強引だと思った



それでも
彼のこんな感じの理論的な言い方は嫌じゃなくて
笑顔のキュヒョン様につられて、なんだか気持ちが楽になる



〈タルトの半分は妹御の分ね。王后陛下とお出かけ中なんでしょう?〉



そう言って尚宮さんに冷蔵庫へしまっておくように心配りをしてくださるのも、キュヒョン様の優しさなんだろうか



〈机に向かっていたけど勉強中だったかな?邪魔しないように退散するよ〉



端はしに感じたキュヒョン様の優しさに調子に乗っちゃったのか
僕は…思わずさっき思った事をつい言ってしまった



「あのぅ…ソウルにおられる間で、もしお暇な時間があったらでいいんですけれど、物理学の勉強を見て頂けないでしょうか?」



ユンホ殿下との一連の騒動で勉学から随分と離れてしまってたから、すごく不安になってたんだと思う



〈もちろんだよ、そんなことだったら遠慮なく〉



にっこりと微笑まれるキュヒョン様
またまたつられて僕も笑ってしまう



ガラス戸の向こうから
そんな僕たちを見ている人がいた事には気づかずに…






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縁結 第2章 ~至愛 3~
2016-08-30 Tue 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Prince Yunho



大妃様と両陛下への挨拶を終え、母上の買い物に付き合う予定だというテミンをおいて居間を出る



今日は週末だから、このまま俺もチャンミンとどこかへ出かけようかと思案してみる
公に結婚したわけだから…どこで一緒に居ようとも問題は無いわけだ



そんな事を考えながら後ろに続いて出てきたチャンミンの手を握り、歩き出した



《仲が良くて羨ましいな》



角を曲がったところで声をかけられた



『キュヒョナ…挨拶の参内(宮中に参上する事)か?』


《やあ、おはよう。チャンミナ》



俺の問いかけを軽く流して、隣に立つチャンミンに声をかけてくるキュヒョン



前々から思っていたけれど、今更ながらいちいち癪にさわる



キュヒョンは、俺の従兄弟だ
先の皇太子であった俺の叔父上の嫡男、圭賢君は長年暮らしていた海外から交換留学とかいうやつで戻ってきている



結婚は俺の父上より早かったけれど子宝に恵まれずにいた叔父上



ようやく授かった自分の子…皮肉にも世孫(王の孫、王位継承者の子)になるはずの王子が生まれてくる直前に事故で突然この世を去った



頭脳明晰で非常に優秀だったという叔父上は先王にも愛されていて、その息子を突然失った先王はあまりのショックに父上に玉座を譲り渡し隠居してしまった



そして本来だったらキュヒョンがつくはずだった皇太子という立場に、今俺が立っているのだが…



「おはようございます、圭賢君殿下」



俺が癪にさわるキュヒョンにも、にこやかに対応するチャンミン
本当によく出来た伴侶だと鼻を伸ばしそうになるも、キュヒョンの手がチャンミンの頭に伸び凍りついた



《ここ、ピンが飛び出ちゃってるよ。じっとしてて…》



肩下まである長い髪をカールさせて、ハーフアップにしているチャンミン
捻っている髪の脇から差していたピンが、キュヒョンの言うように飛び出ている



『気安く触るな、キュヒョン。チャンミンは俺の妃だ。わきまえろ』



あろうことか
髪に伸びてきたキュヒョンの指にされるがまま、じっとしているチャンミンを見て頭に血が上った



押さえつけた俺の腕を振りほどくキュヒョンは、端正なその顔を引きつらせて俺を見る



《……元々は俺の許嫁だったんだぞ?ユノヒョン、それを忘れては困るな》



キュヒョンは俺を見据えてそう言う
ヒョン、と呼ぶくせにどこかキュヒョンの方が上に立つ物言いなのは、彼が生まれながらの世孫であったからだろうか



「あっ、そうだ。キュヒョン様!ぼ…私、この間キュヒョン様の論文をようやく拝見しました」



イライラした感情が湧き出て、さっさとここを離れたいと思っている俺をよそに、チャンミンは嬉しそうに話かける



「まだ全文訳したものが手に入っていないんで…さわりだけなんですけれど。“液晶の動的協調現象をさぐる”…とても興味が湧きました」


《俺が書いたんだから、俺に言ってくれればいいのに。訳した物を持ってくるよ》



全く入っていけない会話が繰り広げられる状況
何だか…すごく嫌な気分になって、もう一度チャンミンの手を握った



『行くぞ、チャンミン。出かけるから支度しろ』



そんなことは聞いていないとばかりにキョトンとした顔をするチャンミン



去り際にも振り返り「キュヒョン様、ありがとうございます」と名残惜しそうに言うチャンミンに俺の頭が一気に沸騰した



自分の身体中を駆け巡る訳のわからない感情が、握る手の力をつい強めてしまう



「あっ…ユンホ殿下、手が痛いです…」



ずんずん歩く俺に引きずられながらついてくるチャンミンが、ぼそっと言う
でもそれを離してやるつもりはなかった



『部屋に人を近づけるな』



ホールに立つ尚宮に言い放ち、チャンミンを自分の部屋に連れて入った



勢いよくソファーに座らせる
チャンミンは軽いから、俺に投げ飛ばされるように倒れこんだ



「痛っ」
どこかぶつけたのか、小さな声が聞こえた



彼の座る脇に膝を立てて、チャンミンの顔を俺に向かせる
俺を見上げるチャンミンの目が、俺を非難しているように見えた



『……出かけてくる』



何をチャンミンに伝えて、そして自分が何をしたかったのか分からなくなって



何も言わないチャンミンを自分の部屋に残し、俺はイ内官に支度をするように告げて足早に部屋を出る



むしゃくしゃするんだ
訳もなく、イライラする



結婚後初めて過ごす休日
チャンミンとどこに出かけてどう過ごそうかと楽しみにしていた俺



訳のわからない感情にいきなり襲われ思考回路がどうかしたらしく、肝心のチャンミンを部屋に残したまま、乗馬クラブに向かっていた



何やってんだろ…
そう思ったけれど、今更どうしようもない



俺が来ると聞きつけたドンヘが駆けつけて、彼と一緒にしばらくぶりに馬の背の感触を楽しむ



気持ちよく周回を続けているうちに
こういう事は忘れようとしても無理だと分かった



馬のギャロップが身体に伝わるたびに
頭にチャンミンのあの非難めいた目が浮かんで



結局乗馬も、思ったほど楽しめなかったんだ






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縁結 第2章 ~至愛 2~
2016-08-29 Mon 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Prince Yunho



《皇太子殿下、お目覚めになられてもよろしゅうございます》



扉の向こうからかかるこの声を聞いてから
枕元のバンビのぬいぐるみにぽんぽんと挨拶してベッドを出る



もう何年も変わらない朝の一コマ
いつまで経ってもよくわからない風習だ



寝間着のまま顔を洗い、用意されているシャツとスラックスを着て寝室を出る



今日のシャツは…またこれも母上の趣味なのだろうか、首元にネクタイではなくふんわりとしたリボンを結ぶようになっていた



どう考えてもあまり俺に似合わない感じのものを選ぶ母上の癖は、相変わらずらしい



『おはよ』



扉のそばでお辞儀をしたまま出迎えてくれるのは
俺が生まれた時から俺の補佐をすることが決まっていたイ内官



二十も年の離れた彼は、独身を貫き俺を支えることに人生を費やしてくれている人だ



両親以上に近い存在で
親でもあり兄でもあり、時に良き友人として俺のそばにいてくれている



俺の服装を見て、遠慮なく彼がクスッと笑うのも
ただの主従関係ではない俺たちの間柄を象徴している



『可愛いお人形を手に入れても、まだこんなリボンの服を俺に着させようとする母上がわからん』


《さようでございますね。お母君であられるのに、王后陛下は殿下のお顔をご存知ないのでしょう》



冗談を言いながら居間を出た



「皇太子殿下、おはようございます」



秋にふさわしいワイン色のブラウスを黒いパンツにあわせ、シンプルな服装なのに隠しようのない美しさを見せて微笑む人…



そう
彼は俺の結婚したばかりの人生の伴侶
男だけれど…皇太子である俺と人生を共に生きる事を決意してくれた運命の人、チャンミンだ



先の大戦で九死に一生を得た俺の祖父
その祖父を助けたチャンミンの祖父と戦後も親交を深めて、互いが亡くなるまでその深い縁は続いた



その二人が固く約束したのが
いつか生まれてくる互いの孫を結婚させようというものだった



その約束を孫である俺が成人した際に遂行せよという先王の遺言によって、王宮に連れてこられたのがシム・ミンチョル氏の二人の孫だったんだ



〈殿下ぁーおっはよー!新婚なのに毎晩別々に寝なきゃいけないなんて寂しいよねぇ?床入りって毎晩じゃあダメなのぉ?!〉



ツイード素材にベルベットのリボンがあしらわれたワンピースを着て、そんな上品な服装とは合わないニヤけ顔を見せるのはチャンミンの妹…ではなく弟のテミンだ



先王の遺言で王宮に連れてこられた二人は
なんとどちらも俺と同じ性別だった



ニヤけるテミンの白いおでこに軽くデコピンをお見舞いし、二人を伴い朝の挨拶のため大殿に向かう



無駄に遠い大殿への道のりを歩きながら思い返す



生まれる前から決まっていた俺の結婚相手…
そんな運命に導かれるままチャンミンを好きになった俺



男であると打ち明けられた時も、その衝撃より王宮から帰る事が出来ると言ったチャンミンの言葉にショックを受けた



チャンミンを好きだという想いは彼が男であっても何も変わらなくて
そしてチャンミンもまた、同性だと知りながら俺を好きになってくれた



互いの祖父が決めた約束は
その二人が結んだ縁が導くように俺とチャンミンを深く結びつけ、そして俺たちは結婚した



大殿の居間で寛がれているのは、俺の祖母である大妃(先王の王妃の事)様と俺の両親である国王と王妃だ



「おはようございます。今朝はいくぶん冷えましたがお身体に障りはございませんでしたか?」



チャンミンが三人をいたわるような挨拶をする
結婚してまだ間もないけれど、彼はしっかりしているから、何だかすっかり俺の妃という立場が板についている



〈あー?!大妃様?ちょっと声がかすれてるよぉ~?大丈夫なの?お風邪を引いちゃったかな〉



俺以上にこの三人に可愛がられているテミンもまた、そんなチャンミンの妹役をしっかり務めてくれる



そうなんだ
実はこの三人は、チャンミンとテミンが男だと未だに気づいていない



俺も、承知して事実を話していない



国を司る王室
全てにおいて盤石であるとは言い難いけれど、先王の遺言である重大な内容に於いて、よもや性別を見誤るなどという安易な間違いがある筈がないと思った



両陛下と俺が、先王の遺言を始めて聞かされた翌日には、その内容がチャンミンの名前を含め全てマスコミに流れていて、その流出元も未だに判明していない事もおかしいと思っていた



何かとてつもない、大きな何かが動き出している
そんな予感がしていたんだ



その見えない何かと向き合おう
そう思った俺は、両陛下と大妃様には黙ったままチャンミンと結婚をした



無理がある
そう思ったけれど



何かと対峙するには、チャンミンが必要だった



チャンミンを守る、チャンミンを愛していると思うその力こそが俺を支えてくれるから



もう後には引き返せない
俺は、チャンミンと共に生きていく道を選んだんだ





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縁結 第2章 ~至愛 1~
2016-08-28 Sun 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
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side Crown Princess? Changmin



『俺のことほっといて勉強かよ』



東宮殿の中庭に設けられた重厚な石造りのパーゴラは、僕のお気に入りの場所だ



秋の風は肌に心地よい
それでも季節は確実に深まりつつあって



真鍮で作られたテーブルに教科書を置き、ペンを走らせていた僕は少し肌寒さを感じていた



そんな僕をふわっと包み込んだ温かさ
その温もりの持ち主が、耳元で呟く



少し大きめな僕の耳にチュッと口づけるのは、ユンホ皇太子殿下
つい数日前、結婚した僕の最愛の人だ



〈チャンミナァ~ダーリンをほっといて勉強してんのかよぉ~、つまんな~い〉



可愛いけれど天然過ぎるのが玉にきずな僕の弟のテミンが、ユンホ殿下の顔をつけた抱き枕の人形にそう言わせた事があった



テミン曰くそれは僕とユンホ殿下の新婚ごっこだったけれど、今まさに本当の新婚生活を送り始めていた



本当の…というのは少し違うだろうか
僕は、ユンホ殿下と同じ男である身で彼の妃になったわけで



偽りの皇太子妃…
ユンホ殿下はそう言うと怒るけれど、男なのにお妃様なんだから間違った言い方ではないと思う



でも…頭の中のそんなごちゃごちゃは
背中から伝わるユンホ殿下の熱さで、どんどん消えていくんだ



「さっきから少し風が冷たくなっていたから…ユンホ様が暖かくてすごく嬉しいです」



僕の胸の前で組まれている愛しい人の手に口づけを返した



『チャンミンのカーディガンかよ、俺は』



そう言って僕の顔を覗き込むユンホ殿下は、まるで子供みたいに口を尖らせていて
ふっくらしている下唇をつつきたい衝動に駆られてしまう



「そんな訳じゃなくて…」



自分の頭に浮かんでいたそんな衝動を隠そうと
思わず俯いてしまう僕
でもすぐにユンホ殿下の指で顎を掬われ、つつきたかった唇が僕の唇を覆った



好き
ユンホ様の事が好き



家族の温もりとは違う深い温もりがあるなんて、想像もできなかった
ユンホ殿下が僕にその事を教えてくれる



『チャンミンのためならカーディガンでもコートでも何にでもなるけどさ』



聞いてるこっちまで恥ずかしくなるような事をさらっと言うユンホ殿下
でも…やっぱり照れてるのか急に目をそらす



座っている僕の前に跪き、そして手のひらにキスをする
そんな痺れるくらいカッコ良いプロポーズをして下さった人



その一方でこんな風に照れるユンホ殿下…
この人の色んな一面を見るたびに、その全てに恋をしてしまうんだ



手のひらへのキスというのは、求愛の意味が最も強いということを後から知った



人間の身体の中で一番無防備な場所であるそこへのキスは、自分の強い思いを伝えたいという意味合いを持つらしい



《俺にはかっこいいプロポーズなんか出来ねーんだよ!と仰りつつも、パソコンで散々お調べになられていた様ですよ。何でも最初のかっこ悪いプロポーズを帳消しにしたいとかで》



ユンホ殿下の側近であるイ内官さんが、後から僕にこっそり教えてくれた



僕はこの素敵な人に…
国中の女の子が憧れているユンホ皇太子殿下から
二回もプロポーズをされたんだ…



最初にしてくださったプロポーズも
二回目にしてくださったプロポーズも
僕には夢のような出来事だった



『チャンミン、勉強するなら部屋に戻ってやれよな?俺がカーディガンになってても良いけど、俺は最高級素材だから、高くつくぞ』



そう言ってもう一度僕の頬に口付けてから
何事もなかったかの様にホールに戻られて行くユンホ殿下



ちょっと冷たそうな言い方なのに
ご自身の身体と同じくらい暖かいユンホ殿下の言葉



風邪をひく前に、言われた通りにしよう…
勉強道具をまとめて、僕は自室に戻る



今日も王妃様の手作りらしいクリーム色のワンピースを着ているテミンが、ソファーの上にあぐらをかいてお菓子を食べていた
だから…パンツが丸見えだってば



〈オンニ~明日さぁ、僕ね、王妃様のお供でお買い物に行ってくるよ!〉



姉妹と偽って…といっても向こうの間違いに合わせていただけだけど、兄弟ではなく姉妹としてこの王宮に来て以来、弟のテミンは僕をオンニと呼ぶ



この東宮殿の主だった人たちは僕らが男だと知っているけれど、多くいる女官の人たちはそれを知らない



ユンホ殿下のお心が僕らを男だと打ち明けようとお思いになられるまでは、僕とテミンは女の子で居続ける決意をした



床屋代節約のために伸ばしていただけの僕の髪だったけれど、最近は毎朝きれいに整えられ、ヘアアイロンってやつでカールまでつけられているから、自分で見ても女の子みたいだし



テミンも同じように床屋代節約で伸ばしていた髪を、美容師志望の同級生に栗色に染めてもらったのが気にいって、今は女の子みたいなロングヘアになっていて



そんな可愛らしい容姿も手伝ってユンホ殿下のお母上…つまり王妃様にいたく気に入られていて、裁縫が趣味の王妃様が作ったドレスを着せ替え人形のごとく毎日着ているんだ



そんな見た目も手助けしているのか、僕らはここでは完全に姉妹として通ってしまっている



「王妃様にご迷惑をおかけするなよ?僕は週明けからの大学に備えて明日は予習でもしようかな」



机に勉強道具をしまいながらテミンに言う



〈何でさ~?僕がわざわざ居ないって教えてあげたんだから…ユンホ殿下といちゃいちゃすればいいんだよ〉


「なっ、何言ってんだ!テミンおまえ、またアレをキメられたいのかよっ!」



振り返りテミンに突進した僕は
とりあえず得意技をキメる前にソファーに座っていたテミンにボディプレスをお見舞いしてやった



明日の休み…
テミンのせいで、何だかユンホ殿下にお会いすることすら恥ずかしくなったウブな僕だった






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耽溺 第2章 ~密事 番外篇 ~
2016-08-28 Sun 17:00


このお話はフィクションです





はぁ……



最近はこんな溜息ばかりが出てしまう



いつも通り、何も変わらない毎日なんだけど
きっと…心が全く満たされていないのが原因なんだと思う



だってさ



MAXが…俺の可愛い恋人がめちゃめちゃ忙しくて
仕事ではしょっちゅう顔を合わせるけれど、プライベートではここひと月会えていない



仕事場では
あいつは超スーパー有名人で
俺は彼の衣装を合わせるスタイリストで



大好きな人がすぐ目の前にいるっていうのに
身体に触れる事が出来ても、それは彼が着る“jil-ju”…俺の働くメンズブランドの服を手直しする時だけだった



俺たちの恋は「密事」だ



超スーパー有名人MAXの恋人は身近で働いていて、しかも同性だなんて世間に知れようものなら、それこそ天地がひっくり返るくらいの大騒ぎになる



付き合ってすぐ、俺がMAXのそばで仕事をする様になってから



初めてMAXと一緒に仕事をするようになった日に、あいつからキスをしてくれた時と



気持ちの行き違いでお互いが嫉妬に苦しんだ時に、俺が控室代わりのトレーラーハウスであいつを抱き寄せてしたキスだけが



恋人として接した時だった



それ以外は、決して恋人として周囲に悟られないように細心の注意を払っているから、MAXとはいつも二言三言会話をする程度で



MAXを見る視線も、恋人のそれにならないように気をつけている



最愛の人を守るには…しがない一般人の俺には、それくらいしか出来ないからさ



今日も朝からあいつの雑誌の撮影に参加したけど



いつも通り控室でMAXのヘアメイクが済んだ後
俺が“jil-ju”の服をコーディネートして渡し、それを着たMAXの襟を立てたりチーフを差したりするだけで



『はい、これでお願いします』とMAXに告げて
「ありがとう」とあいつに言われるだけだった



MAXの気持ちが冷めただなんて思っていないけど…



あいつ自身も俺との恋を守ろうという思いから、いつもの「ユノォ~」という辺りにピンク色のハートが装飾されるような甘い雰囲気を一切出さないから



もしかして俺のこと飽きたのかもしれない…なんていう不安も少しだけ頭に浮かぶ



MAX…シム・チャンミンという超スーパー有名人の恋人を持った事によって課せられた試練は



遠距離恋愛みたいに会えない寂しさではなく
会っているのに触れられない寂しさだったんだ



あいつとの仕事を終えた後、本社に顔を出して明日のスケジュールを確認してから帰路につく



溜息ばかりが出てしまう、こんなブルーな時は



いっそ難しい本でも読んで、落ちるところまで気分を落としてみるのもアリかも…そんな風に考えて最寄り駅に降り立った俺は珍しく本屋に足を向けた



陳列されたたくさんの書籍を流し見ながら、ぷらぷらと歩く
絶対見ないような哲学の本を手に取ってみる



意味の分からない内容に、こんな哲学的な内容は気分が落ちるどころか気分が悪くなるかも知れない…とあっさり前言撤回する俺



以前だったら
彼女とケンカしてムシャクシャした時なんかは
キレイなお姉さんの裸が載ってるような雑誌を買って、鼻の下を伸ばしながら眺めたりしたけど



吸い寄せられるように手に取った雑誌は
俺の…俺の可愛い恋人が、ものすごくかっこいい顔をして表紙を飾るファッション誌だった



チャンミン…いい男だなぁ
こんなかっこいい顔をしてるけど、俺と一緒にいる時はあんな可愛い顔を見せんだぞ



あいつの、このかっこいい表紙を見て喜ぶたくさんの女子たちに、勝ち誇った様な気分で小さくガッツポーズを決めるものの虚しくなってしまった



それでも俺の手は自然と
MAXが表紙を飾る雑誌ばかり手に取りレジに並んでいた



会いたい…っていうか毎日のように会ってるんだけど触れることの出来ない愛しい人を、雑誌でもいいから眺めながら今夜は眠ろう



学生の頃好きなアイドルの夢を見たくて、写真集を枕の下に入れて眠った事があったけど
夢の中でもいいからあいつを抱きしめたい…



俺ってばけっこう乙女だななんて思い、書店を出た俺は思わずニヤけていた



「エッチな本でも買ったの?恋人がいるっていうのに」



ふと声を掛けられて視線を上げると
見なれない車に寄りかかるサングラスの男



その男こそ、俺が本を枕の下に入れて夢に見ようと思っていた、その人だった



夕闇が濃くなり車もヘッドライトをつけているというのに、そんな濃い色のサングラスをかけるなんて…仕方ないけど余計目立つ気がするぞ



『バカ言うな、ホントに…何だエッチな本って?』



そう言いつつ
目の前の本人が全て表紙を飾っている本ばかりを持っている事はちょっと恥ずかしくて
思わず袋を後ろに隠してしまう



「怪しいなぁ~~?絶対エッチな本でしょ?」



素早い動きであっという間に彼の長い腕が俺の後ろに周り、袋を奪い取った



『ああっ!ダメだって!返してっ』



悲痛な俺の願いも虚しく、書店の紙袋はMAXの手によって封を開けられてしまった



「……全部僕じゃん」


『……そうだよ、文句あっか』



中身を確認し固まっているMAXの手から本を奪い取った俺は、せっかく会えた嬉しさよりもMAXの表紙の本ばかり買っていることを本人に見られた恥ずかしさでいっぱいになり、思わず逃げ出した



「えっ?!ちょっと何でっ!」



いつだったか、あいつが俺の前から逃げ出した事があったけど…それは俺を想うことが苦しくて逃げたんだと後から聞いた



今日の俺は、あいつを想うことを知られた事がすっげー恥ずかしくて逃げたんだ



……俺、ジム行かなきゃダメだな
体がちょっと重いのか?美しい肉体をジムで作り上げているMAXに、あっという間に追いつかれちゃった



MAXは俺の腕を掴み、ズンズンとさっきの場所まで戻り車に俺を押し込んだ



「やっと時間出来たから、久しぶりに車まで出してユノにすぐ会いに来たのに。逃げるってどういうこと?ホントにもう…」



そっか
俺、MAXの仕事の時の車しか知らなかったから、MAXの愛車って初めて見るんだ



『ってか、俺の居場所よく分かったな?家に行って居ないから探したのか?』


「ふふふ…愛の力だ!ユノォ~~会いたかった」



フルスモークの車の中で俺は
愛しい人からの苦しいくらいの抱擁に包まれた



実はMAXが
俺が寝ている間にスマホをいじくって、GPSで居場所がすぐ分かるようにしていた事に気づく事はなかったけど



久しぶりの愛しい人の熱を
自分の胸に感じる事が出来たから
その事は…まぁ、いっか



チャンミン…
会いたかったよ






ユ****様

お誕生日おめでとうございます
あなたが大好きだと仰ってくださった耽溺の二人で、ささやかですがお祝いさせていただきました





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拍手コメントの御礼
2016-08-28 Sun 15:30



親愛なる皆様


連載再開に先立ちまして、頂戴しておりました拍手コメントの御礼をさせていただきます


いつも本当にありがとうございます






「縁結46話」にコメントを下さったa****様

せっかくコメントし頂戴しておりましたのに、お返事が遅くなりました事をまずもってお詫び申し上げます

いつも嬉しいお言葉をありがとうございます
「宮」をご覧になられていたa****さんにも、続編も楽しんで頂けるよう頑張ります



「新作のお知らせ」にコメントを下さったハ*様

うわーん(T_T)ありがとうございます
お待たせ致しました…そんな風に言って頂けると本当に嬉しいです

正直プレッシャーも半端ないのですが…私にはハ*さんのように待っていて下さる方がいらっしゃるのだと自分を励ましていこうと思います



「新作のお知らせ」にコメントを下さった〇み***様

お待たせ致しました...
って、ちゃんと言ったと思うんですが...申し訳ありませんでした( ノД`)

枯渇しまくるホミンエキスに飢えながら、今回は今までで一番書きあぐねております...
いつも以上に支えていただく事になりそうです






昨年九月より始めましたこのブログでございますが、多くの皆様にこの様に支えて頂く様になりもうすぐ一年が経とうとしております


再開のお知らせを掲載する日に、まさかの二人の久々の再会があるとは…びっくりです


この一年で色々なお話を書かせて頂きましたが、正直申し上げて今回が一番産みの苦しみを味わっておりました


皆様と同じように、大好きな二人を見ることが出来ない寂しさを私も味わっております


あの分裂期を経験しておりますが、今回の方がいつ戻ってくるかはっきりわかっているにも関わらず、喪失感がなぜか大きくて…


ホミンエキスを吸収したく録画した番組やDVDに手を出すも、寂しさが余計募るという悪循環に襲われました


そんな中ではございますが、皆様に愛して頂いた「縁結」の続編だけはと、何とか気力を振り絞り書き進めております


途中で壁にぶち当たってしまい更新をお休みすることもあるかと思いますが、どうか温かいお心で見守って頂ければ嬉しいです





ゆんちゃすみ





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新作のお知らせ
2016-08-27 Sat 18:00



親愛なる皆様


ご無沙汰をしております
お変わりございませんでしょうか?


本日は新作開始のお知らせをさせて頂きます


8月上旬まで連載させて頂いておりました「縁結」の続編を、明日より掲載致します


タイトルは「至愛(しあい)」
至上の愛という意味でございます


今回もAli様に素敵なタイトル画及びブログ村ランキングのバナーを作成して頂きました


Ali様のブログにもどうぞお運びくださいませ
ホミンを愛でるAliの小部屋





「縁結」を分けようと思ってから何度と無く書き直しを致しまして、なかなか思うようにいかずにおりました


本物の作家の方でしたら、おそらくぐしゃぐしゃにした原稿用紙が山のように部屋に積み重なったと思います


皆様のご期待に添えるか不安ではございますが、今の私なりに精一杯努力をしたつもりです
(そんなに大層なものではございませんが…汗)


多くの皆様に楽しんで頂けたお話でございますので、続編も最後までお付き合い頂ける様なものにしたいと思っております


元になっている「宮~love in palace~」をご覧になられた方もそうでない方にも、楽しんで頂けるよう頑張ります


それでは…
明日いつもの時間にお待ちしております




ゆんちゃすみ




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縁結 48 -最終話-
2016-08-07 Sun 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Prince Yunho



〈皇太子殿下、嬪宮(王世子の妻)様の御成りでございます〉



後朝の憂いで…いつにも増して肌が輝いている様に見えるチャンミンを伴って大殿の広間に入る



ついさっきまで
顔をこれ以上ないくらい赤くして、尚宮達に聞かれてもいない夜のことをあれこれ言い訳していたチャンミン



「お布団が一組しかなかったから!殿下が掛け布団にくるまって、僕は敷き布団で自分を挟み込んで寝たんですっ!」



《さようですか、それは大変でございましたね》
朝の挨拶に向かうための支度をしながら、尚宮にあっさり聞き流されて墓穴を掘っていた



『電気がついていないと眠れないんだ』
「ええっ?ダメです!僕は暗くしないと眠れません」



そんなやり取りで最後まで揉めていた俺たちは
結局明かりがきちんと消えた状態で朝を迎えた
きっと俺が先に寝てしまい、その後チャンミンが明かりを消して眠りについたんだろう



腕の中で俺にしがみつくような格好で目覚めたチャンミンは「うわぁっ!ごめんなさいっ」と言い慌てて離れた



一組しかないと文句を言っていた布団で、二人密着した状態で寝覚めたことが恥ずかしかったようだった



俺に続き、神妙な面持ちで両陛下に昨日の礼を述べるチャンミンを見ながら
そんな朝を迎えていた可愛い姿を思い出し思わず顔がほころんでしまう



《皇太子、嬪宮。この度はおめでとう。これからも末長く幸せに過ごすように》



嬉しそうなお顔の大妃様と、穏やかな笑みを浮かべる両陛下が俺たちに祝いの言葉をかけてくださる



そしてその脇に、公主(王の嫡女)様のごとく上品な佇まいで韓服を着たテミンが微笑んでいた…正確に言うと、ニヤついていた



きっと昨夜のことを想像してニヤけているに違いない
この弟は兄よりもずいぶんマセているようだ



チャンミンも気づいたようで、両陛下に見えないようテミンに対しファイティングポーズを見せた



朝の挨拶を済ませ、宗廟に婚礼の挨拶をし終えた後、ようやく東宮殿に戻った



軽装に着替え終わってから、対の間に向かう



『チャンミナ~腹減った。飯食おう』


「うわぁぁ!!」



尚宮に手伝われ着替えていたチャンミンが慌てて脱いだ唐衣で身体を隠す



男同士なのに…昨日素肌を重ねたのに…
女の尚宮に触らせて平気なのに俺に見られるのが嫌だというチャンミンがよく分からないけど



『うわぁっ!!ごめんっ!』



そう言って慌てて振り向いて見ないようにしてしまう俺もよく分からない



《皇太子殿下、少々お待ちくださいね。さぁ嬪宮様、よろしゅうございますよ》



くすくす笑っている尚宮に送り出されてチャンミンが俺の元に来る



「ノックぐらいして下さい」


『えー、いいじゃん。そんなこと…俺たち夫婦なんだから。さ、飯食いに行こう』



ぷりぷりしているチャンミンの手を握り、食堂へ歩き出した



「親しき中にも礼儀あり、って言うでしょう?殿下がお召し物を脱いでいる時に僕が入ってきたら嫌だと思いませんか?」



怒ったような言い方の割に繋いだ手は解こうとしないチャンミン
なんか、ちょっと嬉しい



〈うわ~早速見せつけてるぅ!〉



後ろからいきなりかかる声は、さっき俺たちをニヤけながら見ていたテミン
そう、俺の義理の妹…じゃなくて弟になったんだ



「テミナっ!ちょっと来なさいっ!」



繋いでた手はそこで解かれて
チャンミンは逃げるテミンを追いかけ、そして得意技のコブラツイストを見事に決めた



〈やめてぇー痛いってば!新妻がこんなことしていいの?オッパ~助けてぇ!!〉



テミナ…オッパじゃなくてヒョンだろう…
でもまだちゃんと女であり続けてくれているんだな



ここではいいけれど、大殿ではチャンミンもテミンもまだ女だと思い込まれている



愛しいチャンミンと結ばれた喜びに浸っている余裕は無いんだ



きちんと納得のできる答えを見つけ出して、二人を本来の姿にしてやりたい
それが俺に課せられた大きな宿題だ



その時もう一度、チャンミンと結婚式が出来たらいいなと思った
今度は…そうだな、純白のタキシードを二人で着よう



テミンも…
いや、今日も母上の最新作らしい赤いリボンとレースが施された白いワンピースを着ているテミンは、この際そのままでもいいか



チャンミンにコブラツイストをキメられて、パンツが丸見えになってることは見なかったことにしよう



チャンミンと踏み出した新しい生活は
いつも通りに賑やかな兄弟によってもたらされる東宮殿の人々の明るい笑い声から始まった



俺と
チャンミンの



二人で歩んでいく長い人生の幕開けだった






親愛なるあゆ様

貴女によってもたらされた縁は
このお話を機にさらに広がりました
知り合ってからの日々の中で、頂いた多くのことへの感謝をこの作品に込めたつもりです

一年間ありがとうございました




大切な読者の皆様

最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました



ゆんちゃすみ




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縁結 47
2016-08-06 Sat 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
BL表現を含みます
ご注意ください




side Prince Yunho



“愛しい”
この気持ちは全てのしがらみを越えられる



男同士ということ
子孫を残さなければならない皇太子だということ



そんな一切を忘れて
目の前にいる愛しい人で頭がいっぱいになった



チャンミンとの初めてのキスは
彼が流していた涙のせいかちょっとしょっぱくて
それなのにすごく甘くって



そんな不思議なキスの味を…彼の唇を…
もっともっと知りたくて、何度も啄ばんでしまった



俺が着替えていただけで
顔を赤らめて手で目を隠すような照れ屋のチャンミンが、自然と俺の背中に腕を回した



そのことで、自然と俺とチャンミンの身体が密着度を増す



チャンミンの心臓がドキドキしているのが
俺の身体にも伝わってきて
だからきっと、俺の心臓が痛いくらい鼓動を速めていることもチャンミンにバレたと思う



好きだ…チャンミンが好きだ



抱き合って身体を重ねていることで、チャンミンを思う気持ちがそれ以上の繋がりを求めてしまっている気がして



そんな初めての感覚に驚いた俺は、チャンミンの身体をゆっくり離した



中庭を挟み窓越しに目が合っただけで頬を染めていたチャンミン…



両陛下への初めての挨拶の時、握った手を離さずにいたら顔を真っ赤にしていたチャンミン…



テミンの仕業で背後から抱きつくようになった時、離れ際に触れた耳が熱かったチャンミン…



そんな恥ずかしがり屋だったチャンミンが
離れてしまった唇を惜しむかのように潤んだ瞳で俺を見つめる



好きだ…
チャンミンにもっと触れていたい
好きだ…
チャンミンの全てを知りたい



必要ないと思っていた合房の儀
教わっていた内容ではない意味で、この儀を俺とチャンミンの結婚の証にしよう



同性だけれど
偽りを隠したままだけど
俺とチャンミンは結婚したんだ



そんな思いで目の前にいる愛おしい人を見つめ返した



チャンミンの額に、鼻に、口づけを落とす
このかわいい人は、俺のものだという証だ



絶対に離さない…
自分の心でそう固く決意をして、再びキスをした



鳳凰を象ったかんざしを抜くと三つ編みが解ける
根元で縛っていた紐を解いて付け毛を取った



肩ぐらいのチャンミンの髪の毛
撫でつけられた部分に指を通す
チャンミンの素顔を見たかった



偽りの妃の姿ではなく
ありのままのチャンミンと、この夜を過ごしたかった



一組しかないと文句を言っていた布団にチャンミンの身体をゆっくりと横たえる



目を伏せて、少し身体を震わせているのは
必要のない合房の心得を読んでいたからだろうか



男同士での愛の行為…
今はまだわからなくてもいい
俺だって初めてなんだから、焦ってチャンミンを傷つけたくない



だけど今
チャンミンを心から愛していると俺なりに伝えたくて、白いチョゴリの紐を解いた



恥ずかしそうに横を向くチャンミン…
やっぱりいつものチャンミンだ
彼のかわいらしい耳に唇を寄せる



「んっっ…」



チャンミンの口からこぼれ出た声
俺の中で何かが弾けた



チャンミン…チャンミン…
互いの祖父が残してくれた縁で運命を重ねた俺たち
これからどんな人生を二人で歩いていくのかな



細くてきれいな首筋に
眉の上のチャームポイントと同じようなそれを見つけ、そこにもキスを落とす



チャンミンのチャームポイントも
全部、俺の物だから



口づけるたびにチャンミンの身体がピクッと動き
肌が赤みを帯びていく



そんな反応を見せられるごとに俺の身体の全てが彼を欲してしまう



そして俺の足が触れていたチャンミン自身も、俺を求めてくれていた



心得がわからなくてもいい
手順だってどうでもいい
愛しい人の、大好きな人の全てが欲しい



俺の指がチャンミンの肌をつたい
俺の唇がチャンミンの肌に印を刻む



冷たかったシルクの布団はもう二人の温度ですっかり暖まっている



その中で、チャンミンの身体を覆う全てを脱がせ
同じように裸になって重なる



直に触れたお互いの肌は、もうそれだけで溶けてしまいそうで
このままチャンミンが消えてしまったらどうしようなんて思ってしまった



チャンミン…
俺の腿に触れる想いの昂まりは、俺を愛しているという証拠だと思っていいか?



おまえの腿に当たっている想いの昂まりは、俺がチャンミンを愛しているという全てだよ



身体をつたっていた指をそっと降ろしていき、チャンミンの昂まりへと辿り着く



間近にある美しい俺の伴侶の顔…
指で触れた瞬間キュッと眉間にしわを寄せる



『チャンミナ…大切にするよ』



その眉間にもキスで自分のものだと印を刻み
指でゆっくりと愛を表現した



初めての夜は
俺に美しい伴侶の姿をしっかり焼き付けておくようにと天が言ってくれるかのごとく



明るすぎるくらい美しく輝く月明かりの下で
ゆっくりと時を進めていった






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「縁結」につきましてのお知らせ
2016-08-06 Sat 17:30



親愛なる皆様へ


日頃より温かいご声援をいただき、心より感謝申し上げます
また「縁結」を日々楽しみにして下さって、本当にありがとうございます


皆様にご報告させていただきたいことがございます


本日および明日の更新分で「縁結」を一度区切らせて頂くことに致しました


突然のご報告となりました事をお詫び申し上げます


このお話は、去る六月にお誕生日を迎えられた私の師匠様へのお祝いとして書き始めました


大まかにはストーリーを構成して書き始めたものの、自分でも納得のいくきちんとした内容にしたいという思いが先にたちすぎてしまい、書いていくうちにあれよあれよと回を重ねていきまして…


ドラマが3話だったところを結婚までに40話を突破してしまうという状況となりました


頭の中で構成していた大まかなストーリーの中で、まだ回収出来ていないことが多々ございます


このような状況でございますので、結婚を区切りとして一度最終回とさせていただき、改めてドラマの「宮」のように二人の結婚生活を書くことに致しました


一重に私の力量不足でございます
本当に申し訳ございません


ギリギリまで区切るか続けるかで悩み続けておりましたため、現在書き直している状況でございます


つきましては、楽しみにして下さっている皆様には大変心苦しいのですが、しばらくお休みを頂戴したいと存じます


重ね重ね申し訳ございません


まだまだ至らぬ点ばかりの私のブログにお運び下さる皆様に、出来る限りきちんとした内容でご覧頂きたいと思っております


多くの皆様に励ましのコメントを頂戴し、そのことが大きな励みになっております


読んで下さっている皆様に私が当初作りましたあらすじのまま、この先もお付き合い頂きたいと思い、この様な形をとらせていただきました


ご理解頂ければ幸いでございます




ユンホ殿下とチャンミン妃殿下の結婚生活をお届けできる時まで、しばしのお別れとなりますが、皆様におかれましてはお身体をくれぐれもご自愛下さりますように


再開の時は改めてご報告させていただきます
どうぞよろしくお願い申し上げます




ゆんちゃすみ




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