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起点 8
2015-09-20 Sun 18:00




大好きな2人をイメージしたフィクションです
分裂期に触れています
ご注意ください









side Y




俺はどうしちゃったんだ



たった二人だけになってしまったグループの大切なパートナーであるチャンミンに…



キスをしてしまった





ーー・ーー・ーー・ーー





がむしゃらに走ってきて
やっと頂点に手が届いたと思った矢先に
メンバーの分裂という最悪のシナリオ



俺はグループのリーダーとして
完璧では無かったとしても



個々に極力目を配り、話を聞いて
メンバー全員の気持ちをちゃんと理解出来てたと思ってた



それなのに
いつの間にか話さえもろくに出来ない状況になって俺とチャンミンは完全につまはじきになり



そして
あいつらは出て行ってしまった



目の前が真っ暗になる
自分の人生において、そんな表現など存在しないと思っていたのに



まさかどんぴしゃりの状況になるなんて



一寸先は闇
そんな言葉を日本で聞いたことがあった
今の俺は、光が煌々と当たっていた所から
チャンミンと二人で突き落とされた状態で



でも俺は泣き言なんか言ってられなかった
奈落の底に落とされても
チャンミンの手だけは離すまいと誓った



他の奴らが出ていくことを
止められなかった俺だけど



俺は何を言われても構わない
チャンミンだけは守ってみせる



そう思ってここ数週間を過ごしてきた



こんな俺ですら我ながら顔がやつれた
俺より繊細なチャンミンは
日に日に痩せこけて、面影すら消えるほど
やつれてしまっていた





今までではあり得なかった二人だけの時間
考えるのは先の見えないこれからのことと
俺と同じ空間にいるチャンミンのこと



そういえばチャンミンは
いつも俺の隣にいて



振付の立ち位置を知らせるためにそっと腕を出して俺に知らせてくれたり



異物入りの飲物を飲んでペットボトルの飲物に恐怖感を覚えた俺のために出された飲物をいつも先に飲んで確認したり



よく考えてみると
他の奴らより、チャンミンはずっと身近な存在だった気がする



今回のことも他の奴らに言われたことをまず俺に相談してきて、そして最終的に俺と同じ選択肢をとった





そのチャンミンが
おそらく自分でもどうしたらいいのかわからないくらいの取り乱し方で泣いた



僕を置いて居なくなるのかと言って



俺がお前をいらないなんていつ言った?
もう俺には……お前しかいないんだ
むしろ…お前まで俺を置いて居なくなったりしないよな?



チャンミンを守らなきゃと張り詰めていた糸が急に切れてしまったのか



あろうことかマンネの前なのに…
俺まで何だか泣けてきて



ごめんなチャンミナ
お前のヒョンがこんな情けないやつで






でも俺は…
お前だけは失いたくないんだ
今俺の隣に居てくれるお前だけは…







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起点 7
2015-09-19 Sat 18:00





大好きな2人をイメージしたフィクションです
あくまで心の中でのお話です
ご承知おきください








一人で勝手に盛り上がり
一人で勝手に落ち込み
一人で勝手に結論を出す僕



ヒョンの居なくなったソファーに戻り
その温もりの残った場所に腰掛ける



ユノヒョン
ユノ・・・



僕が憧れてやまない人



その人と
たった2人になってしまって
先行きが全く見えなくなっている今



今まで過ごしてきた日常が崩れ去った現実に
向き合うことが出来ず



本能のままに泣いて
本能のままに悪態をついて
本能のままに告白をした



たった十数分の出来事なのに
もっともっと重大な時間を過ごした気分



ピザが届いてごはんを済ませたら
辞めたいって言って見ようか



辞めようと思ってみたものの
それをどう進めたらいいのかという
切実な問題にいきあたる僕



ほんとに短絡的というか・・・





そんな僕の自問自答を終わらせてくれるかのごとく、インターホンが鳴る



デリバリーのピザの到着だ



このまま考えていたら
僕の思考回路の容量オーバーだったから



僕の空腹を満たすために届いたピザも
それ以上に重大な役割を果たしてくれたのかも知れない



「ヒョン!ピザが届きました~!」



さっきまでマイナス方面に捉えていた
僕の短絡的という特徴が
今度はプラス方向に働いてくれて



普段の僕のままの感じで
ヒョンに声をかけることが出来た



ヒョンは僕の呼びかけに



『ああ、ありがとう』



と間髪入れずに答えてくれて
僕はほっとする
これで無視なんかされちゃったら
もっともっと落ち込んだはずだから



部屋から出てきたヒョンと
テーブルに並べたピザにパクつく



普段と何も変わらない風景



今日は自分がその空間に
さざ波を立ててしまったけれど



ヒョンと二人のこの空間は
僕にとってすごく心地よくて



さっきまで
この世の終わりかのごとく落ち込んでいたはずの僕を癒してくれる





今までの人数の時は
ヒョンとこうやって二人になることなんて
まったくと言っていいほど無かったから



今まで味わえなかったその時間が
すごくすごく嬉しい



やっと手に入れた、憧れのユノと二人きりの毎日を手放したくなくって



やっぱりいつか
見えてくる出口があるのなら



ヒョンと二人で
一緒にそこへ向かって行きたいって



舌の根も乾かぬうちに
そう思ってしまうゲンキンな僕



ほんと僕っていうやつは…
呆れるくらいコドモだよな



ヒョン…
一人で騒ぎ立てて、挙げ句の果てに好きだなんて言っちゃってごめんなさい



でも
後悔はしてないからね







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手紙 (前篇)
2015-09-18 Fri 20:30



ずいぶん経ってしまいましたがユノの入隊前に作りました。たくさんの拍手を頂いた御礼代わりに載せさせて頂きます












親愛なるチャンミンへ…



この手紙を
お前はいつ見つけてくれるかな



もしかしたら明日見つけてしまって
事務所で顔を合わせた途端



「ヒョン!びっくりしましたよぉ!」



なんて言いながら俺に飛びついて来てくれるかも知れないし



もしかしたら俺が帰ってきた後
お前の居ないこの部屋で、読まれていないこの手紙を見つけちゃうかも知れない



それはちょっと寂しいから
俺が居た痕跡をコッソリと残しておいたよ



お前がいつも俺のために買ってくれている
苺チョコのアイス食べちゃった



空いたカップと使ったスプーンも
テーブルの上に置いたまま



「ヒョン!ゴミはゴミ箱!使った食器はせめてシンクに下げてください!!」



そうお前に叱られると思うけれど
今日はワザとだからね?
俺が来ていたという痕跡を、あえて残すためだからね?



チャンミナ、怒らないでくれよ





改めて、こういう手紙を書くのは
なんだか恥ずかしいし緊張する
でも、面と向かうとなかなか言えないこともあるし今日思い切って書くことにしたんだ



チャンミナ
今日までの長い長い年月を
俺と一緒に居てくれてありがとう



お前が入ってきたばかりの頃は
やけに目立つお前に必要以上に厳しくしたこともあったし、怒鳴ることもあった



それでもお前は挫けず頑張ったよな



初めは後ろにばかり居たけれど、気づくと俺の隣に居て俺を支えてくれていた



こんなつらい思いをするために今まで懸命になっていたのかと愕然としたあの騒動の時も



ご両親の助言で芸能界をすっぱりやめて
学生に戻ろうとしていたお前を引き留めてしまって



お前は俺についてきてくれたけれど、今もたまにそのことが脳裏をよぎる時がある



お前と…
恋人同士になった時も



恋人になった経緯っていうか…
自然な成り行きだったのかも知れないけれど



俺にとってお前は
仕事の大切なパートナーであると同時に
俺の中では唯一無二の存在で



お前を失いたくないという気持ちが
お前を愛しているということなんだと気付くまでに時間がかかってしまって
散々振り回してしまっていたと思う





思い返せば
俺はお前にとって良いヒョンだったと言い切れないことばかりで



それでもお前は
人生の半分近くを俺と歩んでくれた





チャンミナ
お前は後悔してたりしないか?




あの時
俺を選ばず違う道を選んでいれば
お前も、もっと違う人生があっただろう



恋愛をして、結婚をして
早ければもう父親になっていたかも知れない





アーティストとしては
初めは小さい地方の会場しかまわっていなかった外国人の俺たちが、日本の大きなスタジアムでの公演を成功させられるほどに成長出来たけれど



お前はこの道を選んで幸せだったか?
答えを面と向かって聞くのが怖くて…
ずっと聞けなかった
こんな俺を許してほしい





チャンミナ
俺はけっこう欲張りだ



アーティストとして成功出来たと思うけれど
やっぱりこの先は…



一人の人間としても
幸せになりたいと思ってる



でも、俺の願う幸せは
もしかしたらお前の人生の足枷になるかも知れないんだけれど



ああ、うまい文章が浮かばない!
まどろっこしい!!!





二人でこの国の男子としての責務を全うしてきたあとも



ずっと俺と一緒にいてくれないか?
仕事のパートナーって意味じゃなくてさ
人生のパートナーとして一緒にいてほしい



チャンミナと
この先も手を繋いで
影を重ねて歩いて行きたいんだ



これからもずっと
俺の隣に居てほしい



うまい言葉が浮かばなくて
ありきたりの言葉ばっかりで



カッコ悪いな、俺…





でもな
俺、多分お前が思ってる以上に
お前のこと好きだぞ?




それだけはわかってくれ!!



じゃあなチャンミナ
行ってくるよ



チョン・ユンホ




PS

あのさ、日本で教えてもらったんだけど
男同士でも…婚約指輪は給料の3か月分か?!
わかんないから俺の独断で買ったぞ!!











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起点 6
2015-09-18 Fri 18:00





大好きな2人をイメージしたフィクションです
あくまで心の中でのお話です
ご承知おきください









汚れていない場所の掃除なんて
あっという間に終わっちゃって



ピザを頼んでから
まだ10分しか経っていないことに溜息が出る



ちらりと視線を動かすと
未だにソファーで同じ格好を続けるヒョン



勢いのままに告白してしまい、気持ちを伝えられたと自己満足していた僕だけど



ヒョンのそんな姿を見ると…
少しずつ不安な気持ちが生まれてくる



掃除を終えてしまい
手持ち無沙汰になってしまった僕は
その不安に煽られて
ちらちらとヒョンを伺う




!!!



ヒョンが顔を上げて僕を見た
僕は悪いことをしている訳でもないのに
びくっと体を縮ませる



『部屋にいるよ。ピザ届いたら声かけて』



ヒョンはそう言うと
自分の部屋に消えてしまった




「ふぅぅ~」



僕は思わず深呼吸をして
その場にへたりこんだ



やっぱりあんなこと言わなければよかった



さっきまでの自己満足がすっかり何処かへ消えてしまって、僕はまたネガティヴな気持ちになる



そうなんだ
僕はやっぱりこの程度なんだな



元々内向的に考えるタイプの性格で
一度下向きにスイッチが入ってしまうと
頭の中のどの思考回路も
一斉にスイッチを下に下げる





あんなこと言うんじゃなかった


ヒョン、僕の事気持ち悪いって思ったかな


男同士で愛してる、だなんて…


ヒョンまでここを出て行っちゃうかも


もう僕なんか誰も必要としてないんだ


どうしよう、どうしよう、どうしよう





頭の中のありとあらゆる場所から
そういう類の声が聞こえてくる



2人になってしまってから
毎日のように襲いかかる
不安や焦り、絶望感



さっきまで治っていた負の感情が
堰を切ったように溢れ出してしまう



もう僕はここに居られない
辞めるって言おう
家に帰って、もう一回やり直してみよう
両親だってきっとわかってくれる




一気にネガティヴないつもの自分に逆戻りしちゃった僕は



自分で出した答えから逃げるように
そう思ってしまったんだ







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起点 5
2015-09-17 Thu 18:00





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あくまで心の中でのお話です
ご承知おきください









置物のように固まっていたヒョンは
僕の言葉を聞いて目をパチクリさせた



『え、あ、ああそうだな。何か頼むか』



それはお腹が空いた、という僕への返答
ヒョンを好きだと言った僕への返答はなくて



そりゃそうだよね
突然あんなこと言われて
何て答えたらいいかなんて
告白した当人だって浮かばないよ



「ヒョン、僕ピザがいいです」



僕はそう言うと、ソファーから立ち上がった



引き出しからデリバリーのメニューを持ってヒョンの元に戻る



「ヒョンはどれにする?」



僕はヒョンにメニューを開いて渡す



「僕はこれとー。ああやっぱりこっちかな」



精神的に落ち込んでいても無くなることのない僕の食欲は、ある意味立派だと思う



ヒョンはメニューを指差す僕の指を見ているのか見ていないのか



『チャンミナの好きなやつにして。俺は何でもいい。適当につまむよ』



そう言うと、僕にメニューを返してきた



いつもだったら
あれやこれやお互い言いながら決めるのに





メニューを受け取りながら
いつもは気づかないような些細なことでも
敏感に感じてしまう



男の僕に、ましてや2人だけになってしまったグループの片割れの僕とキスをして



それだけに止まらず
いきなり愛の告白なんかされたんだ



ヒョンだって
どうしていいのかわからないんだろう





ヒョンに気持ちを伝えられただけで満足だ、なんて思っていたけど…



チクっと胸が痛む



僕はデリバリーの注文を済ませて
さっきまで座っていたソファーに戻ろうとしたけれど、さっきと同じ体勢でじっと何かを考えているヒョンの姿を見て…



なんだか戻れなかった



そのままキッチンに足を向けると
ピザを取り分ける皿を取り出した



それはあっという間の作業で
僕は仕方なくガステーブルの掃除を始める



2人だけになってからは
お手伝いさんが来ることもなくなって



たまに僕がちょこっと使うだけになった
このガステーブル
掃除するほど汚れてないんだけれど



ヒョンのそばに行くことが出来ない僕は



その汚れていない場所を
ただ黙々ときれいにするしかなかった







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起点 4
2015-09-16 Wed 18:00





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あくまで心の中でのお話です
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三たび時が止まってしまった空間



僕は自分のしていることが把握できるまで
ものすごく時間を費やした気がした



それはもしかしたらあっという間の
出来事だったのかも知れないんだけど





ヒョンとの口づけ





そう把握出来た瞬間
僕は全身が燃えるように熱く感じて



どうしてこんなことになったのか
そんな過程は頭にちっとも浮かばず



この人を愛しているのだと
僕の頭の中に明瞭に刻まれ…



だからこそ
こんな状況をも正当化出来た






ヒョンの唇が離れていく



『…ごめん』



え?どうして謝るの?
僕の心は、またかき乱されてしまう



「ヒョン……どうして謝るの?」



『だって俺…今お前に…』



ヒョンはそう言って
僕を抱き締しめていた腕を緩め
今度はその腕を限界まで伸ばして
僕を遠ざける



その動作が
僕を拒絶しているかのような感じで
天から地へと落とされた気持ちになる



今迄の僕だったら
落とされたまま1人で悩んでたと思うけど



今日の僕は何故かそのままで終わらず
逆に勢いにかまけて
ヒョンに思いの儘をぶつけた



「ヒョンに謝られるのは…逆につらいな…」



『チャンミナ……』



僕はスゥ~っと深呼吸して続ける



「だって僕は……ヒョンのことが好きなんだ。男同士なのにだなんて思ったことも無い



ヒョンを…ユノを愛しています」






ずっと心に秘めてきた思いを
思いがけずも伝えられた



それだけでも
今迄の僕を思えば大きな進歩だ



だって僕は



いつも他のヒョン達に囲まれて笑うあなたを
ただただ、見ているだけだった



時に勇気を出して、どさくさに紛れる風を装ってヒョンに抱きついてみたりしても



背中をポンポン、と軽くあやされるだけで
あなたはまた、他の人たちとの話に花を咲かせる



その時出来た僕の精一杯のアピールでも
たくさんの人たちに囲まれて笑う太陽のようだったあなたには



微塵も届かなかった



きっかけは、自分の幼い行動だったけれど
僕は少し成長出来た気分になれた



ヒョンの気持ちはどうであれ
思いの儘を伝えられただけでも
僕は満足してしまった



先の見えない今のこの状況であっても
僕の自己満足であっても



ヒョンに好きだと言えたんだ
それだけで十分だ





僕はついさっきまで大泣きしていた事が
まるで無かったかのようににっこり笑って



「ヒョン・・・僕お腹空いちゃった」



動いていたこの空間でまたも1人だけ時を止めてしまっているヒョンに





僕はそう言ったんだ








同じ師匠様の元に育った私の先輩、紫苑様のブログです。とても可愛らしい二人をお書きになっていらっしゃいます。ぜひお運びください

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苺な彼とビールな僕






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起点 3
2015-09-15 Tue 18:00





大好きな2人をイメージしたフィクションです
あくまで心の中でのお話です
ご承知おきください










頬を打った方も
頬を打たれた方も



ストップモーションみたいに動きが止まる



僕も一気に現実に引き戻された



「ヒョン・・・」



時が止まったかのような空間
僕の声が、その止まった時を動かし



次の瞬間
僕はヒョンの広い胸の中にすっぽり包まれた



『チャンミナ・・・』



ヒョンはそう呟くと
僕を抱きしめる力を強めた
ヒョンの鼓動が煩いくらいに聞こえて



『そんなこと言って・・・おまえの方が俺から離れていきたいんじゃないの?』



僕は埋もれていたヒョンの腕の中から顔を出してあわてて答える



「な、そんなわけない!!」



『チャンミナ・・・おまえまで俺の前から居なくならないでくれ』



そう言ったヒョンの声が
なんだか掠れて聞こえて
僕はヒョンを見上げて目を疑った





ヒョンが・・・泣いてたんだ





ずっと僕を守るように批判の矢面に立っていたヒョン。僕以上の苦しみがあったという事が容易に想像できて



誰にも弱さを見せないで耐えていた
そんなヒョンが泣いた



僕にだけ見せてくれたヒョンの涙・・・



それなのに今の僕には
かける言葉すら浮かばなくて
ただじっとしていることしか出来ず



でも僕の意識とは違うところで
僕の右手は
ヒョンの頬をつたう涙を拭っていた



「ヒョン・・・僕はずっと、ずっと一緒にいる。ヒョンから離れるなんてありえないよ」



いつもはなんだか素直になれない僕だけれど
この時は自然とそう言えた





ヒョンの腕の中で
ヒョンの頬を撫でて
ヒョンの瞳を見つめた





どれくらいそうしていたのか
また時が止まったかの様な空間に戻り



次に時を動かしたのは
ヒョンの唇が、僕のそれと





合わさった瞬間だった







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起点 2
2015-09-14 Mon 18:00



大好きな2人をイメージしたフィクションです
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あの頃の僕たちには
色々なところからバッシングを浴びせられた
心無いファンに、生卵を投げつけられた事だってある



同じ事務所の中でさえ浮いた存在になって
仲良くしていた他のグループのメンバーからさえも、僕たちが裏切り者扱いをされた



普通に考えたら理不尽だと思うけれど
なぜか世間はそんな風潮で



そんな中で、僕は今までヒョンにどれだけ守られていたのかを身を以て感じた



僕は守られて居ながらも、理不尽な状況に耐えられなくて精神的にもぼろぼろになり



ずっとそばに居てくれて僕を守ってくれているヒョンにも事あるごとにやつ当たりした



今思えば
僕があんな状態になっていて
ヒョンはよく僕を見捨てなかったと思う



当の僕が言える義理じゃないけれど



僕が逆の立場だったら・・・
逃げ出していたんじゃないかと思うんだ






この先どうなるか全く先行きの見えない状況で、何もなく1日1日が過ぎていくだけだった



そんなある日
2人だけでは広すぎる空間になってしまった宿舎のリビングで



読んでいるのに内容が全然入ってこない本を放り出した僕は何故か涙が出てきた



本を読んでいても考えてしまうのは
自分のおかれる今のつらい現状



流れる涙は止まるどころか
泣き声を上げるまでに勢いを増して
泣きじゃくるまでになる



少し離れたテーブルでパソコンを弄っていたヒョンが、びっくりしてソファーに座る僕に駆け寄る



『どうした、チャンミナ?』



ヒョンはそう言いながら隣に腰を下ろし
いつもの様に僕の背中を撫でる
そのヒョンの手が温かくて優しくて・・・



ただ何も言わずに撫で続けてくれる



僕はまるでむずがる赤ん坊で
ヒョンはその母親みたいなんだけれど



いつもはしばらく撫でてもらった後



「ヒョン、ごめん。もう大丈夫」



ってまた何事も無かったかのように
振る舞うんだけど



今日はもう、自分でも何を言ってるのか理解出来ないくらいにパニックになった



「どうしてヒョンはそうやって優しくするの?今はなんだかんだ言ってどうすることも出来ないから、仕方なく僕をあやしてるだけでしょ」



『何言ってんだ、チャンミナ』



「ヒョンはこんな面倒くさい奴なんか残してあの人達と一緒に行けば良かったって思ってるんじゃないの?」



『チャンミナ!何だそれ!』



それまで優しい眼差しだったヒョンの顔色が変わった。パニックになっていた僕ですら身がすくむ様な目付きになったヒョン



それでも今日の僕は黙らずに食い下がる


「ヒョンにとって僕は重荷なんじゃないの?もう僕なんか放っておいてよ!」






ーー バシッ ーー



張り詰めた空気を裂く乾いた音



それはワガママ放題の僕を
ずっと溺愛してくれていたヒョンが



初めて僕の頬を打った音だった







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起点 1
2015-09-13 Sun 18:00



大好きな2人をイメージしたフィクションです
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「お疲れ様でしたぁ」
「お疲れ~」


今日は写真集の構成チェックだけで残りのスケジュールが急遽キャンセルになり、ちょっとした休みになった


「ヒョン、この後何か予定ありますか?」


僕は、僕の仕事の大切なパートナーであり、大切な恋人でもあるユノに聞く


「ん~何にも。チャンミナは?」
「俺も無いです」


急に空いた時間だし、今から誰かに声をかけるのも億劫だ


「じゃあ久しぶりにお前んちに行こうかな」


ヒョンが嬉しい事を言う
もしかしたら、そう言ってくれるんじゃないかと内心期待して聞いてみたんだけれど


「いいですよ。この前完成したヤツを見せたかったんです。夕飯もご馳走しますよ」


僕は大好きなプラモを完成させると、ヒョンに見てもらいんだ。プラモに興味はないヒョンだけどなんだかんだ褒めてくれる


ヒョンに褒めて貰うのは気持ちいい
マンネだった頃の名残なのかな


そんな事を思いながら、帰る支度を急いだ



ーー・ーー・ーー・ーー



僕は全部で5人いたメンバーのマンネで


ヒョンはその頃からリーダーとしてみんなを引っ張ってくれていた


時には叱り飛ばし、時には髪がくしゃくしゃになるまで頭を撫でて褒めてくれて


僕はヒョンに褒めて貰うのが嬉しくて、ついていくのがやっとだったダンスを1人黙々と練習したんだ


厳しかったヒョンに対して初めは
「畏怖」という気持ちしかなかった僕


それが次第に
「憧れ」に変わり


ヒョンのことを目で追うごとに
「好き」という気持ちにに変わっていった


「好き」という気持ちに同性だからという戸惑いは感じなかった。チョン・ユンホという人間に僕は猛烈に惹かれたんだ












そしてつらく苦しい経験をして
僕達は2人になった


心ないバッシングの嵐に精神的に落ちるところまで落ちていた僕は訳もなく泣いたりして、それまで以上にヒョンを困らせた思う


どんな時もヒョンは
僕をひたすら守ってくれた


でもそのつらく苦しい時間は
僕を苦しめるだけでなく、ヒョンとの距離を急速に近づけてくれたんだ


ドン底まで落ちて苦しんだのは
今のこの幸せを掴むための試練だったのかも
今はそう思えるようになった





ねぇヒョン
ヒョンもそう思うでしょ







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