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耽溺 第2章 ~密事 我儘篇 ~
2016-10-29 Sat 18:00


このお話はフィクションです






《シム・チャンミンさん準備出来ましたー!よろしくお願いしますっ!》



アシスタントの元気な掛け声がかかり、撮影の準備が大詰めに入る



平日の午後
テレビの撮影で遊園地に来ているMAXのスタイリストとして俺も同行していた



〈いい天気で良かったです。野外ロケの時の雨率ハンパないから…〉



俺に飲み物を差し出しながら、撮影チームに合流したMAXを見やって言うのはキュヒョン



彼のマネージャーがそう言うんだから、今日はラッキーって事か



〈日本には雨を呼ぶ“雨女”っていう妖怪がいるらしいんですけど、さしづめチャンミンは雨男って感じで。今日は本当に運がいい〉



『きっと、俺がいるからだろ。小さい頃から行事という行事が雨天中止になった記憶がないくらい晴れ率ハンパ無いからさ!』



事実
運動会も学園祭も、修学旅行も晴れ渡る青空の下で撮った写真が残っているし
大学受験も入社試験の時も傘を持って行ったためしがない



それなのにキュヒョンのやつ
〈ハイハイ…〉という感じで聞き流しやがった



全く…俺をなめやがって
お前のそういうところが好きになれねーんだ
あいつのマネージャーじゃなければ、一発ガツンとくれてやりたい



超スーパースターのあいつの撮影という事で
その情報は瞬く間にSNSで伝わり、ガラガラだった遊園地にもあっという間に大勢のギャラリーが押し寄せる



黄色い歓声が飛び交う中
MAXと最近人気のアイドルとの仮想デートという今回の撮影が始まった



自分の恋人が、超スーパースターという現実
もう幾度となく、その現実に伴う辛さを味わっている



超スーパースターと同時に同性であるMAXを愛しているわけだから



ドラマの撮影で年上の俳優がMAXにやたら優しくしているのを見てもヤキモチを焼いてしまうし
今日みたいにすごく可愛いアイドルや超スタイルのいい女優なんかと一緒でもヤキモチを焼く



若い男どもの歯軋りが聞こえそうなくらい、MAXを見るアイドルの目がハートになっているのを見て、なんとも言えないモヤモヤを感じた



ちぇっ…
仮想デートだとしても、羨ましいよ…



俺なんて…
あいつと付き合ってからデートというデートなんかした事ない



たった一度だけ、夕暮れ時の公園を一緒に歩いた事があっただけだ



それも
先に歩く俺の後ろを少し離れてMAXが黙ってついてくるという、一緒に歩いたとはいえない状況だった



それでも、俺は嬉しかった
俺たちの恋は誰にも知られてはならない“密事”…
そんな内容でも、立派なデートだったと思ってるから



普段の愛しい恋人とのデートと言えば
どちらかの家で会い夕飯はデリバリーで済ませて、夜を共に過ごすというスタイルになっている



仕事だとしても、こんな風に明るい太陽の下でMAXと腕を組んで歩ける、あのアイドルが羨ましかった



公衆の面前で、MAXのあの笑顔を隣で見られるあの子が…



仕事だと言うのに、相変わらずこんな事ばかり考えてしまう自分に嫌気がさして
撮影が終わるまで控室替わりのトレーラーハウスで休んでいる事にした



今日のあいつには白地に爽やかなブルーのラインが入ったカットソーを着ている
うちのブランドのカジュアルラインだ



アイドルの子が淡いブルーのワンピースを着るって聞いていたから、それに合わせるように同系色を選んだのだけど



天気が良かったから、ベージュ色の麦藁帽子も急遽プラスして、さっき二人並んでソフトクリームを食べるカット割の時にMAXに被せてきた



「暑かったから…ちょうど良かった。ありがとう、ユノ」



被せる角度をあれこれ変えている時に、ボソッと小さな声で言ったMAX



素肌に白いスーツを着せる時にはゾクッとする様な色気を感じ
こんな風に麦藁帽子を被って微笑むMAXには、あまりの可愛さに胸がドキドキさせられる



こいつに与えられるドキドキは
このまま心臓がどうにかなっちゃうんじゃないかって思えるほどで



そんなドキドキを治めるためトレーラーハウスで大きく深呼吸を繰り返した



使わなかった服を片付けたりしていると、しばらくして急に窓の外が暗くなってきた



急いでタオルを持ち、撮影現場に戻る



案の定雨が降り出して、MAXはキュヒョンの用意した大きな傘をさして俺の所に歩いてきた



濡れてしまった服を拭きながら、さりげなくMAXの濡れた顔もタオルで拭いてやる



『撮影は?中断?』


「うん。もう一度外でのコマ割りがあって、メリーゴーランドに乗る彼女の事をカメラで撮る僕っていうシーンを撮るんだって。雨が上がるまで待機」



MAXはそう言うと、傘を深めに差したまま急にどこかへ歩き出した



『ちょっと、どこ行くんだよっ』



俺はタオルを持ったまま慌ててMAXの後を追う



キュヒョンを呼ぼうと振り返ると、キュヒョンは〈追っかけて!〉と言いたげにMAXの方を指差した



全く…お前が追っかけろよって言いたいけれど
傘を深く差しているとはいえ周りにMAXだとバレて何かあったら大変だ
俺の大事な恋人を守るのは俺の務めだからな



急な雨でMAXの撮影を見に来ていたギャラリーも雨やどりをしているのか、遊園地は静まり返っている



MAXが足を止めた先には、数人のお客が順番待ちをしている観覧車が見えた



『ちょっ、お前何してるんだよ』


「何って…乗るの。これに」


『はぁ?何言ってんだ、ダメだって』


「キュヒョンに許可貰ったからいいんだよ」



手を引っ張っても頑として動かないMAX
仕方なく俺もMAXの差す傘に一緒に入った



何を考えてんだ、ほんとにもう…
こいつと付き合ってからというものこんな風に俺は振り回されっぱなしだ
…ま、それも今じゃ幸せだったりするんだけどな



俺たちの他にいた客もカップルばかりで
それも数組だけだったから、遊園地側も何やら気を使って観覧車には数台おきに客を乗せている



俺たちも二個の箱を見送ってから乗る様に案内された
MAXは中腰になり乗るギリギリまで傘を差していたから、係も俺の姿を見て普通にカップルだと思ったんだろう



「やった!ユノとのデート大作戦大成功!」



乗り込んで向かい合わせに座った俺たち
扉が閉まり、少しずつ上がり始めた時にMAXはそう言いながら俺の横に座り直した



相変わらず、全くの余白もないぎゅうぎゅう詰めの状態で…っていうか、観覧車の座席なんて大の大人が並んで座ると想定してないから、否が応でもぎゅうぎゅう詰めになるんだけど



『何だよ、デート大作戦って...』



ぎゅうぎゅう詰めでも無理矢理腕を絡めるMAXに聞く



「実はこの仕事。僕にしては珍しく絶対嫌だって我儘言ったんだ。そしたらキュヒョンが、どうしても断れないスポンサーの依頼だって言うんだよ


だからね、そこでもう一回我儘言ったの。ユノととデートさせくれるなら受けるよって」



MAXはうふふと可愛らしく笑う
どうも俺はこういう顔に弱い
そっか、だからキュヒョンがいいって言ってるとMAXは言ったんだな



全く...本当に相変わらずだ
こいつと居ると、毎日がサプライズのオンパレードになる



でも...MAXの我儘のおかげで、立派な遊園地デートが出来た
こんな我儘だったら...次も後押ししちゃおう
キュヒョンには怒られるだろうけど



ありきたりな“観覧車ベタベタデート”のシナリオ通り、てっぺんに来た時MAXの顔を強引に自分の方に向けてキスをした



どうやらそこまでは予想していなかったらしいMAXは、目を白黒させる
「ユノったら!」と言い麦藁帽子で顔を隠してしまった



そんなMAXの手をぎゅっと握る
観覧車がこのまま、ゆっくりといつもの倍ぐらいの時間をかけて進んでくれたらいいなと思った



思いがけない遊園地デートを満喫しつつ、MAXの次の我儘もちょっとだけ期待する俺だった






りょんりょん様
お誕生日おめでとうございます
この二人のデートでお祝いをさせて頂きました


ゆんちゃすみ




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耽溺 第2章 ~密事 番外篇 ~
2016-08-28 Sun 17:00


このお話はフィクションです





はぁ……



最近はこんな溜息ばかりが出てしまう



いつも通り、何も変わらない毎日なんだけど
きっと…心が全く満たされていないのが原因なんだと思う



だってさ



MAXが…俺の可愛い恋人がめちゃめちゃ忙しくて
仕事ではしょっちゅう顔を合わせるけれど、プライベートではここひと月会えていない



仕事場では
あいつは超スーパー有名人で
俺は彼の衣装を合わせるスタイリストで



大好きな人がすぐ目の前にいるっていうのに
身体に触れる事が出来ても、それは彼が着る“jil-ju”…俺の働くメンズブランドの服を手直しする時だけだった



俺たちの恋は「密事」だ



超スーパー有名人MAXの恋人は身近で働いていて、しかも同性だなんて世間に知れようものなら、それこそ天地がひっくり返るくらいの大騒ぎになる



付き合ってすぐ、俺がMAXのそばで仕事をする様になってから



初めてMAXと一緒に仕事をするようになった日に、あいつからキスをしてくれた時と



気持ちの行き違いでお互いが嫉妬に苦しんだ時に、俺が控室代わりのトレーラーハウスであいつを抱き寄せてしたキスだけが



恋人として接した時だった



それ以外は、決して恋人として周囲に悟られないように細心の注意を払っているから、MAXとはいつも二言三言会話をする程度で



MAXを見る視線も、恋人のそれにならないように気をつけている



最愛の人を守るには…しがない一般人の俺には、それくらいしか出来ないからさ



今日も朝からあいつの雑誌の撮影に参加したけど



いつも通り控室でMAXのヘアメイクが済んだ後
俺が“jil-ju”の服をコーディネートして渡し、それを着たMAXの襟を立てたりチーフを差したりするだけで



『はい、これでお願いします』とMAXに告げて
「ありがとう」とあいつに言われるだけだった



MAXの気持ちが冷めただなんて思っていないけど…



あいつ自身も俺との恋を守ろうという思いから、いつもの「ユノォ~」という辺りにピンク色のハートが装飾されるような甘い雰囲気を一切出さないから



もしかして俺のこと飽きたのかもしれない…なんていう不安も少しだけ頭に浮かぶ



MAX…シム・チャンミンという超スーパー有名人の恋人を持った事によって課せられた試練は



遠距離恋愛みたいに会えない寂しさではなく
会っているのに触れられない寂しさだったんだ



あいつとの仕事を終えた後、本社に顔を出して明日のスケジュールを確認してから帰路につく



溜息ばかりが出てしまう、こんなブルーな時は



いっそ難しい本でも読んで、落ちるところまで気分を落としてみるのもアリかも…そんな風に考えて最寄り駅に降り立った俺は珍しく本屋に足を向けた



陳列されたたくさんの書籍を流し見ながら、ぷらぷらと歩く
絶対見ないような哲学の本を手に取ってみる



意味の分からない内容に、こんな哲学的な内容は気分が落ちるどころか気分が悪くなるかも知れない…とあっさり前言撤回する俺



以前だったら
彼女とケンカしてムシャクシャした時なんかは
キレイなお姉さんの裸が載ってるような雑誌を買って、鼻の下を伸ばしながら眺めたりしたけど



吸い寄せられるように手に取った雑誌は
俺の…俺の可愛い恋人が、ものすごくかっこいい顔をして表紙を飾るファッション誌だった



チャンミン…いい男だなぁ
こんなかっこいい顔をしてるけど、俺と一緒にいる時はあんな可愛い顔を見せんだぞ



あいつの、このかっこいい表紙を見て喜ぶたくさんの女子たちに、勝ち誇った様な気分で小さくガッツポーズを決めるものの虚しくなってしまった



それでも俺の手は自然と
MAXが表紙を飾る雑誌ばかり手に取りレジに並んでいた



会いたい…っていうか毎日のように会ってるんだけど触れることの出来ない愛しい人を、雑誌でもいいから眺めながら今夜は眠ろう



学生の頃好きなアイドルの夢を見たくて、写真集を枕の下に入れて眠った事があったけど
夢の中でもいいからあいつを抱きしめたい…



俺ってばけっこう乙女だななんて思い、書店を出た俺は思わずニヤけていた



「エッチな本でも買ったの?恋人がいるっていうのに」



ふと声を掛けられて視線を上げると
見なれない車に寄りかかるサングラスの男



その男こそ、俺が本を枕の下に入れて夢に見ようと思っていた、その人だった



夕闇が濃くなり車もヘッドライトをつけているというのに、そんな濃い色のサングラスをかけるなんて…仕方ないけど余計目立つ気がするぞ



『バカ言うな、ホントに…何だエッチな本って?』



そう言いつつ
目の前の本人が全て表紙を飾っている本ばかりを持っている事はちょっと恥ずかしくて
思わず袋を後ろに隠してしまう



「怪しいなぁ~~?絶対エッチな本でしょ?」



素早い動きであっという間に彼の長い腕が俺の後ろに周り、袋を奪い取った



『ああっ!ダメだって!返してっ』



悲痛な俺の願いも虚しく、書店の紙袋はMAXの手によって封を開けられてしまった



「……全部僕じゃん」


『……そうだよ、文句あっか』



中身を確認し固まっているMAXの手から本を奪い取った俺は、せっかく会えた嬉しさよりもMAXの表紙の本ばかり買っていることを本人に見られた恥ずかしさでいっぱいになり、思わず逃げ出した



「えっ?!ちょっと何でっ!」



いつだったか、あいつが俺の前から逃げ出した事があったけど…それは俺を想うことが苦しくて逃げたんだと後から聞いた



今日の俺は、あいつを想うことを知られた事がすっげー恥ずかしくて逃げたんだ



……俺、ジム行かなきゃダメだな
体がちょっと重いのか?美しい肉体をジムで作り上げているMAXに、あっという間に追いつかれちゃった



MAXは俺の腕を掴み、ズンズンとさっきの場所まで戻り車に俺を押し込んだ



「やっと時間出来たから、久しぶりに車まで出してユノにすぐ会いに来たのに。逃げるってどういうこと?ホントにもう…」



そっか
俺、MAXの仕事の時の車しか知らなかったから、MAXの愛車って初めて見るんだ



『ってか、俺の居場所よく分かったな?家に行って居ないから探したのか?』


「ふふふ…愛の力だ!ユノォ~~会いたかった」



フルスモークの車の中で俺は
愛しい人からの苦しいくらいの抱擁に包まれた



実はMAXが
俺が寝ている間にスマホをいじくって、GPSで居場所がすぐ分かるようにしていた事に気づく事はなかったけど



久しぶりの愛しい人の熱を
自分の胸に感じる事が出来たから
その事は…まぁ、いっか



チャンミン…
会いたかったよ






ユ****様

お誕生日おめでとうございます
あなたが大好きだと仰ってくださった耽溺の二人で、ささやかですがお祝いさせていただきました





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耽溺 第2章 ~密事 特別篇 後~
2016-05-20 Fri 18:00


このお話はフィクションです
BL表現を含みます
ご注意ください





side MAX



僕の足は自然にユノの元に向かった



シンプルな黒のピンストライプ地のスーツを身に纏い、華やかな場所に合わせたようにシルバーのラメが入ったネクタイを締めているユノ



その前に座るACEはユノと対照的な真っ赤なロングジャケットを着ていて



黒と赤との美しい色のコントラストが、このカウンターバーを一枚の絵のようにさせていた



キュヒョンに散々釘を刺されたけど
もう僕も我慢の限界だ



僕よりずっと年下のACEにヤキモチやくのもみっともないって思うけど…ユノの隣に居ていいのは僕だけだから



ユノの腕を掴んで嬉しそうにぶんぶん振るACEの背後から近づいて、じっとユノを見つめる



ユノが僕を見た
最初僕ににこっとした後、ふと考えるような表情になって…最後は何だか一人で納得したように大きく頷いた



ユノのそんな表情の移り変わりが何だったのか、僕にはちっともわからなかったけれど



とにかく「ACEよ、僕のユノの腕を離せ」と言うために近づいたその瞬間、僕はいきなりユノにグッと引き寄せられた



『ごめんな、ACE。俺は…こいつのものだから』



ユノから発せられた一言に飛び上がった
これじゃACEに僕たちの仲を宣言したみたいじゃないか…バレたらどうするんだよ



ACEは普段は天然っぽい雰囲気だけれど、咄嗟に自分のキャラを生かしてユノをかばうような鋭さを持ってるから絶対に気づくと思った



案の定、大きな蒼い瞳をクルクル動かして何やら答えに行き着いたらしく、僕に向かってにっこり微笑む



〈チャンミン先輩!僕まだまだあなたの背中は遠くて、でももっとモデル頑張って背中が見えたらもう一度ユノヒョンにチャレンジ!〉



やっぱり気づいたし……
それに!!やっぱりユノにアタックする気だったんじゃないか!!!うわぁぁぁ!



僕の頭は急な事にパニックになる
バレた!ユノのこと好きだったんだ!ヤバイ!
同じ言葉が頭の中で駆け巡る



それなのに当のユノは
なぜか余裕めいてドンと構えている
挙げ句の果てには



『俺は自然体で行きたい。これからもずっとおまえのそばにいるんだから。だからさ…おまえも、もう無理はすんじゃねーぞ』



なんて、僕が乙女じゃなくてもクラクラするくらいカッコいい事をサラッと言って…もうほんと、この人のズルさにやられっぱなしだ



僕たちの恋は密事だけれど
決して悪い事をしているわけじゃない
そうだね、ユノ…僕も自然体であなたに全てを任せるよ



そんな決意をして、愛しい人の首に腕を絡めた






一階のレストランから僕の泊まるセミスイートまでの距離が、ソウルから済州島までのそれよりもずっと遠く思える



カードキーでドアを開け
扉が閉まる寸前から抱き合う僕たち



ユノからの性急なキスは、初めから蕩けるくらいの熱さで



僕は彼の勢いのまま廊下の壁に押し付けられた



両手をしっかり掴まれたまま壁に拘束された僕は
熱すぎるユノの舌で口腔内をも支配される



彼の逞しい太ももが
僕の中心で彼を求め始めていたそれを下から撫でるように刺激してきて



僕の目の前がチカチカした



最後の衣装を着た直後と同じように
ユノは自らが着せたジャケットのボタンを外し、僕のネクタイを強引に引っ張る



引っ張られたことで緩まっているのに
そのネクタイはまるで彼の意思が乗り移ったように僕を縛り上げてくるんだ



はだけた僕の胸を這う彼の指
すごくそばにいたのに、触れられるのは衣装を着せてくれる時のこの指だけだった



今はその指が嫌というくらいに
胸だけでなく僕の頬や首筋、そして腰を撫で上げてくる



たったそれだけで
それだけで愛しい人を待ち構える僕の場所が疼くんだ



互いの体を愛撫しながら廊下の壁を伝い動き
僕はようやく辿り着いたリビングのテーブルに押し倒される



『チャンミン…』



ユノが僕を呼んでくれるその声もまた
僕の身体の中心と奥をじわじわと熱くしてきて



ユノのそれが欲しいんだ
そうせがんでしまう様に腰を揺らした



『悪りぃ…俺…もう余裕ねぇ…』



ユノが呻くように言った後
僕はテーブルに片足を乗せられて貫かれた



彼の頭を抱えて僕はその激しい熱さに耐える



「…あぁ…ユノ…」



僕自身も余裕なんか全然なくて
やっとの思いで愛しい人の名を呼ぶ



僕の中で愛を伝えるそれが、ぐっと強さを増した気がした



テーブルに乗せられた足はいつの間にかユノの手に抱え込まれて今度は僕自身がテーブルに乗せられる



ユノの全てが熱いから
硬くて痛いはずのテーブルがむしろ冷たくて心地よい



僕の嫉妬も
ユノの嫉妬も全て
この済州島で捨てていこう



僕はあなたを絶対に離さない
そんな気持ちを込めて、彼の腰を両足で拘束した



僕のそれから溢れる雫が
お互いの身体の間で溶け出している感じがする



抽挿のスピードが緩やかになり、ユノの美しい指が互いの身体の隙間に侵入して僕のそれをしなやかに包み込む



彼の愛が指から伝わってきて
程なく僕を高みまで追いつめた…






息が整うまでの時間
ユノは僕の顔を何度も何度も撫でてくれて
この人に愛された余韻を満喫する



「…ユノ、僕たちさ…余裕ないね」



撫でてもらったお礼代わりのキスを彼の鼻に贈る



『ごめんな…ほんと余裕ねぇ…』



そこが硬いテーブルだった事に今更気付いたユノが慌てて僕を抱き起こし、そのまま抱えてソファーに移動する



『こんな広い部屋だってのに…何も一番痛そうなとこでさ…ほんとゴメン』



「…ふふ…僕も我慢出来なかったから。いいんだ」



そう言ってユノに抱きついた



ユノは僕を抱きとめた後、心配そうに背中をさすってくれる



窓に映る僕を見たユノが、僕の身体の向きを変えた



『チャンミン、背中赤くなってるよ…ごめんな。俺のせいだから俺が治してあげなきゃ…』



ごめん、って言ってたくせに…



ユノは僕の背中に舌を這わせて
さっきよりはまだマシなソファーで、再び僕を抱いた



ねぇ…ユノ…
僕たちさ



いったいいつになったらベッドに辿り着けるんだろうね



でもいいんだ
僕も
そんな余裕がないから



余裕が出来るのはいつになるかな
ねぇユノ
ずっと余裕がなくてもいいかな?



それくらいあなたを愛してるよ…






MAXとユノさんの済州島の夜でした



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*



拍手コメントの御礼

ち***様
最後までお付き合い下さり本当にありがとうございました♡そしていつも嬉しいお言葉も頂戴し、とても励みになりました
更には...テ〇ンもといACEのファンになって下さって最高に嬉しいです٩(>ω<*)و
お母様と一緒に祝っていただけて、すごく光栄でした。これからもどうぞよろしくお願い致します


クー**様
はじめまして♡
最後までお付き合い下さりどうもありがとうございました
クー**様の素直なお気持ちが伝わって、目の奥が熱くなりました...すごく嬉しいです
これからもお時間がございましたら遊びにいらしてくださいね(∩´∀`∩)*゜




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耽溺 第2章 ~密事 特別篇 前~
2016-05-19 Thu 18:00


このお話はフィクションです





side MAX



写真集の撮影が無事に終了した



撮影隊が宿舎として泊まり込んでいた済州島のホテル



その中にあるレストランを貸し切っての打ち上げパーティーがこの後開催される



僕は自分の部屋でグミさんにヘアメイクを施された後、入れ替わりで今度はユノの手によって衣装を身に纏った



スーツの襟にファーがあしらわれてる…珍しいな



前もってグミさんとユノの間で打ち合わせが出来ていたようで、僕のヘアスタイルもゴージャスなスーツに合わせカールを付け華やかにセットされていた



『……額を見せてスッキリ纏めてるのもいいけど、こんな感じもいいな』



僕に対しての評価をしてくれたであろうユノは
そう言ってからなぜか視線を逸らす



ふふふ
ユノ…僕のこと好きでしょ?
僕を褒めて、それで照れるなんてさ…もう僕をどうしたいって言うんだよ



グミさんは撮影ではないからといって、今日はいつも僕の唇につけるグロスをつけなかった



だから僕は、自分の恋人を褒めて照れている
そんなピュア過ぎる愛しい人の頬を挟み込んで強引にキスをしたんだ



昨日まで…っていうか正確にいうとついさっきまで
気持ちのすれ違いというか
お互いの感情に、ちょっとしたズレが生じていた



それを解決してくれたのはユノからの強引なキスだった



それまで僕の中に燻っていた嫉妬の感情や、自分でもわからないモヤモヤした複雑な感情を全て消し去ってくれる魔法のようなキス



この人は色んな所に無自覚だけれど
僕を翻弄し夢中にさせ虜にさせる…そんなズルさがある



ユノとベッドを共にした後朝は
大抵が二人で微睡みながら、朝から再びお互いを求めあっていたのに



僕が冷静さを失って吐いた憎まれ口のような言い方に、顔色を変えて飛び出して行ったあの日のユノ



僕が謝りたくてもそんな隙すら見せず
そして、あのタイミングでの強引なキスだった



ユノはよく僕の事を小悪魔みたいだって言う



彼に夢中になって、追いかけまわしていた時から『俺はおまえに振り回されっぱなしだ』って言われるけれど、実は僕があなたに翻弄されてるんだよ



あなたの、そんな無自覚なカッコよさにね



そんな事を考えながらのキスは当然深いものになって、僕もユノも互いの舌をそれぞれに求め合い絡め合う



『っ…やべっ……ヤメロって、MAX』



ユノは急にそう言うと、僕の身体を遠ざける
そして『腹痛いから!!後でな!!』と腰を引かせて、慌てて部屋を出て行った



ふふふ
ユノ…僕のキスでシたくなっちゃったんでしょ?



だから嘘吐いて逃げてったんだね
カッコいいのにさ、そういうところはお茶目なんだよな



そんなあなたに僕は翻弄されてるんだよ



ユノの唇で濡らされた僕の唇は
グロスよりもなんだか艶めいた赤い色になった気がした



そんな自分の唇の色がユノがスーツの胸元に挿してくれたポケットチーフの赤と合っていて
鏡を見ながらついニヤけてしまう



ポケットチーフを指で弾きニヤけた頬を叩いて引き締めてから、迎えに来たキュヒョンと共に会場に向かった



〈チャンミナ~~!!!こっちだこっち!〉



今回の撮影を企画したミレ出版社の方々や関係者の面々との挨拶を一通り終えた後、バカでかい声でダニエルさんに呼ばれる



ソウルから駆けつけて、それまでダニエルさんの隣で飲んでいたトゥギヒョンが入れ違いに僕の肩をポンと叩く



〈本当にお疲れ様。チャンミンは全てを極めたのかな…出来上がりが楽しみだ〉



トゥギヒョンは、そう言ってくれた
ダニエルさんから話を聞いて、ある程度写真もチェックしたんだろうな



とりあえず、合格を貰えたと思っていいんだろう



〈いやぁ、驚いたのなんのって〉



隣に座った僕にグラスを重ねてから、早速ダニエルさんが話し始める



〈香水プロモーションの仕事を受けた時、久しぶりにお前に会えると思って引き受けたんだけど。たった一年でこんなにも人間って変われるのかって思ったよ〉



ダニエルさんはいかにも外国人、というふうに大きく肩を竦める



〈チャンミナ…いい人捕まえたな。彼はお前の恋人だろう?〉



……ダニエルさんに隠せるとは最初から思ってはいなかった



彼は世界でも有数のトップカメラマンだ
彼がファインダー越しに見つめる世界には偽りというものは写らない…それほどの腕前の人を騙せるはずがない



ユノのことは、ダニエルさんにはお見通しだってことだ



「ダニエルさんには隠し事は出来ませんね…その通り、彼は僕の大切な人です」



そう言って、ビールを呷った



〈香水のプロモーションでさ。俺がおまえさんと並ぶモデルに違和感感じて、何気なく辺りを見渡した時彼が目に飛び込んできたけど…


実際おまえと並ぶ姿をファインダー越しに見たときに、コレだ!って直感したんだよね〉



ダニエルさんは続ける



〈おまえが彼の肩に手をかけ、辺りを睥睨とした後に俺のカメラに向けた表情がさ。美しい肉食獣がこの獲物は俺のモノだと睨みをきかせている顔そのもので…堪んなかったよ〉



面と向かって褒められると何か照れる
ビールを空にしてから、思わず顔を伏せた



〈MAXにこんな顔を作らせる様になったのは彼なんだと直感してさ。2人の恋は密事だけど、自分たちは隠さずそれをあえて誇示したっていう一枚に仕上がった。


俺が今まで仕事してきた中で最高にお気に入りの一枚になったよ


それとさ、並ぶくらいに最高な一枚が別に撮れたから。おまえにも記念に額に入れて贈るわ〉



そう言って自分のタブレット端末を手に取り、何やら写真をスクロールしている
そして一枚の写真を僕に見せた



そこに写っていたのは
鮮やかな夕日に浮き出るユノの背中
そしてその彼の腕に抱かれる僕の姿だった



あの写真と同じユノの広い背中
あの写真と同じユノの綺麗な横顔



あの時は
彼の目は僕の妬心に満ちて立てた爪を見つめていたけれど



この写真では
彼の目は抱き上げた僕を愛おしむような表情に見えた



〈MAX…彼に愛されてるんだな。愛の海に、すべての嫉妬を捨てて2人は真の愛を手に入れるってか…ロマンチックだな〉



ダニエルさんらしくないそんな情感めいたセリフを言い残して〈またな〉と席を立った



ユノ……



僕たちは愛の海に「嫉妬」を捨てられたのかな
控室でされた強引なキスであなたの思いは知ることが出来たけれど…



そんなことを思い浮かべながら、この会場にいる筈であろう彼を探す



会場の隅に設けられたカウンターバー
長い足を投げ出したように座り、ACEと二人きりで楽しそうに話している



その人を見つけた







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耽溺 第2章 ~密事 あとがき~
2016-05-18 Wed 18:30




親愛なる皆様


この度、無事「密事」の最終回を迎えさせていただきました


最後までおつきあい下さり、本当にありがとうございます


皆様から頂く拍手やランキングへの応援、そしてコメントにたくさん励まして頂きました


感謝してもし尽くせないほど、お話を書くことを支えて頂いたと思います


合わせまして
皆様から頂戴した拍手の累計が、5万回を突破している事に先だってようやく気付き…御礼が大変遅くなりましたことを深くお詫び申し上げます


昨年9月に始めて以来、こんなにも多くの方に拍手を頂いたんだと自分では信じられない気持ちです


至らない私がここまで続けて来られたのも、多くの方に支えて頂いているからだという感謝でいっぱいでございます


励ましてくださる師匠をはじめ、多くの読者様に今一度深く御礼を申し上げます


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


この様に東方神起の二人をモチーフとしたお話を書かせて頂くようになってから、初めて一つのお話の続編という形で「密事」を書くことになり、正直申し上げて不安ばかりでした


「耽溺」終了時に皆様から頂戴したご意見を私なりに反映させる事を最大の目標としました


また「耽溺」は多くの方々に愛して頂いた作品なので、それを守りつつMAXとユノさんのその後をどれだけ描く事が出来るかすごく不安で…


ご期待に添えなかった部分も多いと思いますが、とにかくやり遂げられた事にまずはホッとしております


思いが通じあって始まった恋が、愛に深まっていく過程で相手を思うが故に些細な誤解でも嫉妬に変わる事も多いと私は思っています


好きになれば好きになる程、相手を縛りたくなり、激しい妬心も心に浮かぶようになるのではないでしょうか


そんな思いを「密事」では多く描きました




私は2008年にファンになって以来、誰かと東方神起のファンだという話になる度その相手に問われるとユノが好きだと答えています


そのくせ昨年9月からこの様なお話を書かせて頂くようになって以来、いくつかのお話を書いたものの「かっこいいユノ」が書けていない気がして…実はずっと悩んでいます


自分の書く話に自信が持てず、ユノの描写以外でも悩むことも多くて落ち込む事が増えた頃でしょうか


「密事」を書き始める前に、私を支えて頂いております「with love…TVXQ」のブロガーあゆ様にお話する事がありまして…


あゆさんとは先だっても記事にいたしました通り、新潟でのSHINeeライブの折にお会いする予定でおりました


私がこの様なお話を書かせて頂くようになった原点であるあゆさんとお会いする時まで、このブログを続ける事が目標ですという内容の事をあゆさんに伝えていたのですが…


師匠であるあゆさんに伝えたその目標も遂げた事で、この「密事」を終えた時お話を書く事をやめようと思っていました


かっこいいユノを書けない
自分の書く話に自信が持てない
そんな感じでMAX並みにグルグルしてしまい…


それならば、この「密事」をとにかく最後まで頑張って書こうと最後の方は二人に自分を重ねるように書きました


そして今までで一番、私の中のユノを強く意識し密事のユノに重ねてみたんです


かっこいいのかどうかはそれぞれの受け取り方だと思うのですが、自分では私が思う彼を書けたかな…と感じています


迷い続ける自分自身との葛藤という状況で書いたお話を、最後までずっとお付き合い下さり読んで下さっていた読者様がこんなに居てくださったと思うと胸が熱くなります


半年以上続けても相変わらず進化を遂げられない私でございますが、もう少し頑張っていけるかなと前向きになれました


耽溺~密事と皆様からとても愛して頂いている二人ですのでいつかまた、続きを書けたらいいなと思っております





〈今後につきまして〉


しばらくは、読者様に頂戴したリクエストのお話を書かせて頂く予定でおります


一つは「華筏」
もう一つは「情火」の予定です


その後は新しいお話を考えておりますが、まだ頭の中から出ていません……(TT)


更新の詳細はまとまり次第、追ってご報告させて頂きます


なお、明日より二日間「密事」のおまけ的なお話を掲載させていただきます


エンディングはどうしてもあの様な形で終わらせたかったので、書ききれなかったMAXサイドを追加させていただいた次第です


もしよろしければ、お付き合いください


最後になりますが
耽溺~密事では初めてのコメント、という形でお言葉を頂戴することがたくさんありまして…


多忙から体調を崩した時も、本当に多くの読者様から温かいお見舞いのお言葉を頂いて、年とともに涙腺が緩む一方の私は涙ぐむ事もしばしばでございました


私もかつて師匠のもとで初めてコメントを書くようになって、それ以来長いお付き合いをさせて頂いております


コメントを書いてくださった皆様と、これからも長くお付き合いできたらいいなと思っております




皆様におかれましては、どうぞお身体をご自愛くださいますように


最後までお付き合い頂き、ありがとうございました




ゆんちゃすみ




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