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夢現 ~耽溺 特別篇~
2017-04-20 Thu 12:00


このお話はフィクションです






大好きな人と思いが通じた僕は
どんなに仕事がきつくても、言い様のない充実感でいっぱいだった


最愛の人を得た事で僕は
今以上に仕事に打ち込むと宣言した
自分自身にも、恋人にも、社長のトゥギヒョンにも、マネージャーのキュヒョンにも…


でもさすがに、このところの分刻みの過密スケジュールは
気持ちだけはやる気があっても体が付いていかなくて、気づくと衣装を着たまま朝を迎えたりしていた


それでも、愛しい人の為に
僕は仕事へ向かった


ユノヒョン…ユノ…
ストーカーばりの猛アタックの末に片想いを実らせた僕の最愛の恋人


彼はアパレルショップの店員で
僕は芸能人で
当然、生活している時間帯が重なる事はほとんど無い


それでも、今の世の中には便利なアイテムがふんだんに用意されているから
僕は今も、そんなアイテムの一つであるSNSで恋人への愛のメッセージを送る


「今日の釜山は気持ち良い青空だよ!これで撮影もはかどる~」


生活する時間帯が違くても
撮影の為に釜山に来ていて、ソウルにいるユノと離れていたとしても
画面の上では一緒に居られる


ユノがこの時間何をしているのか?
恋が実ったばかりの僕には、まだ予想するのは難しいけれど
僕の送ったメッセージにすぐ“既読”が付いた


『こっちは朝から雨だ。そっちに雨雲が行く前に終われる様、仕事頑張れよ』


うふふ…頑張れよ、だって
誰に言われるよりも彼にそう言って貰える事は
僕にとって大きなエネルギーになる


「ユノ♡♡離れていても、ラブラブだね!
僕は今、きっとユノの頭の中に居るからぁ!」


そんなメッセージの後
投げキッスをするスタンプを送った


“既読”になったけれど返事が無い
僕の愛のメッセージに対して既読スルーなんて…いい根性してるな


僕はめげずにハートマークの付いたスタンプを何度も種類を変えて送った
相変わらずこんなところはストーカーっぽいけど…


『んもう!わかってるってば!』


僕のラブラブ攻撃に屈したユノから、そんな素っ気ないメッセージが帰ってくる


『俺もMAXが好きだよ♡』


そんな気の利いた返事は最初から期待してないんだけどね


忙しくてもこの小さい端末を使って時間を共有出来る
ユノの存在を感じ取る事が出来るんだから…


今の僕にとっては
たったそれだけでも幸せな事だ


最後に「사랑해♡」というスタンプを押して、スマホをオフにした


メイクも終わり、撮影が始まるのを待つ間の束の間の休息


昨夜の撮影が押してホテルの部屋に帰ったのは深夜遅くだったから
トレーラーハウスの小窓から入ってくるぽかぽかとした風に誘われて、ウトウトしてくる


ユノとSNSで話せた事で満ち足りていた僕は、その心地良い風に彼を重ねながら目を閉じる
ユノの腕に包まれている様な…そんな錯覚の中、頬杖をつき疲れた体を椅子の肘あてへと預けた


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


『MAX…俺、大事な事を話してなかった。
大学に入る前に済ませようと思ってたけど、その時親が病気をして…兵役義務を果たせずにいたんだ』


「ユノ…それじゃあ、もしかして…」


『ああ…。今、その義務を果たす時が来たんだ。
一年と九ヶ月。その間、俺を待っててくれるか?』


「イヤだよ!!だってついこの間ようやく付き合い始めたばっかりでしょ?
僕を置いて行っちゃうなんてヒドイ!そんなの我慢出来るわけないっ!」


『MAX…俺を困らせないでくれよ。
この国の男子たるもの、果たさなければならない義務だぞ?

そんな事も我慢出来ないんだったら、俺への愛もそれまでだな』


僕を抱きしめていた人が目の前から消えて行く
僕が必死で追いかけてもユノはその足を止めない


分かってる
その一年九か月という期間は、必ず味わわなければならない重要な期間だって事を


でも
付き合ってまだ数週間も経っていないのに
何故今、僕を置いていってしまうのか理解出来なかった


一年だけでも十分に長い
それに加えて九ヶ月もあれば、二年って言った方がいい気がする


そんな長い期間離れ離れになるなんて…


想像しただけでも気が狂いそうだったけれど
僕のユノへの愛はそれだけ深いものだから、その想いが揺らぐ事だってある訳無い


それなのに
俺への愛もそれまでだ、とか言っちゃってさ
僕がどれだけあなたを好きか分かっていないよね


でもいいもん!!
ユノが付き合って早々にそんな試練を与えるんだったら、僕にだって考えはあるよ!!


兵役に行ってその合間の自由時間に
僕の熱烈なラブシーンを見てしまえばいい!


会えないどころか、SNSだって出来ないんだよ!
僕の熱愛報道とか出たら、僕に直接確かめる術も無いんだからっ!


『まさかMAXが?そんなバカな!』


辛い訓練を受けながら、思う存分ヤキモチを焼けばいいんだぁぁ!





ミンッ!…ッ!!チャンミナッ!!〉


ガクガクと僕の肩を揺らしながら、マネージャーであるキュヒョンが鬼の様な形相で立っていた


〈疲れてるのは分かるけど、後少しだから頑張れよ〉


…いけない
僕ったらウトウトしてたつもりが、がっつり寝てしまったみたい


今日の撮影が終わればソウルに戻れるんだ
トゥギヒョンに認めてもらうために、仕事でポカをするわけにはいかない


気合いを入れ直す様に大きく深呼吸をし頰をバチっと叩く


シム・チャンミン
俳優としての顔をしっかり作り、トレーラーハウスを後にした




撮影が無事に終了したけれど、ソウルへ帰ったのは翌々日だった
映画のPR活動も同時にこなし、同時期に開催されていた映画祭でのプレゼンテーターの仕事も重なっていたから


息のつく暇もない程のハードスケジュールは
僕の脳内での疲労を徐々に蓄積させていた様で
スマホを見る余裕も無ければ、テレビを点ける気力も無くなっていた


ハウスキーパーの人がきちんと手入れをしてくれているから、一週間ぶりに帰る自宅はきれいだったけれど
やっぱり人けが無かった自分の部屋は、実際の温度よりもずっと寒く感じる


僕の中にぽっかりと空いたものが何なのか
それすらも気づかない
睡眠不足が重なっていた事もあり、僕の思考回路はショート寸前だった


“ピンポーン”


よろよろしながらようやくソファーに辿り着いたというのに、煩わしいチャイムの音がした


普段だったらモニターで応答するのに
そんな事も判断できずに、もう一度よろよろと歩いて玄関へと向かう


『MAX…』


ドアの向こうには、僕の最愛の人が立っていた


びっくりするくらい小さい顔にきれいな目
僕を包み込む広い肩と厚い胸
ちょっと可愛らしいぷっくりした下唇


ユノだ…
ユノが帰って来た…


「ユノっっ!」


僕にぽっかりと開いた穴はこの人の存在だった
僕が…恋い焦がれて、ようやく想いを通わせたこの人だ


『MAX?どうしたんだよ、目にそんないっぱいに涙を浮かべて…』


「だって…だって…ユノが僕を置いて行っちゃうんだもん…」


目の前から居なくなり、追いかけても振り向きもしなかったイジワルな恋人に抱きつく


『置いてったって…それは釜山へ行ってたお前の方だろ?
俺がどれだけ寂しかったか分かってて言うのかよ』


ユノ…
僕と会えなくて寂しかったって言ってくれてる
そうやって下唇を尖らせて拗ねるあなたが愛おしくて堪らない


「僕は置いてってなんかいないよ。ユノでしょ、付き合ったばっかりで兵役になんか行っちゃって」


『はっ?何言ってんの?MAX…いや、チャンミン、しっかりしろって。
俺だよ?ちゃんと分かってる?!』


あ…兵役に行っちゃったのは夢だったんだ…
僕ってば、疲れ果てて意識混濁しちゃってた


「ユノ…ユノ…僕のユノだよね?
もう僕を置いてどっか行ったりしないよね?」


夢だったと分かってもどこか不安が残る僕は
そう言いながらユノの服を掴み、まるでむずがる子供みたいに何度も揺らす


話が全然見えなくて、多分頭の中にハテナマークがたくさん浮かんでいるであろうユノは
それでもそんな僕を安心させる様にぎゅっと抱き締めてくれる


『今日こっちに帰ってくるってキュヒョンから聞いて、職場から直接来たんだけど。
どこにもいかないよ、もう。ずっと、チャンミンの傍にいるから』


ちょっと高い声で優しく語りかけてくれるユノ


「ここに来た、じゃ…なんだか遠く感じる」


駄々を捏ねる僕のそんな言葉にも
ユノは僕の眉間、瞼、頰へと順に優しいキスを落としながら答えてくれる


『チャンミンのところに帰って来たよ』


ユノ…ユノ…
こんなワガママな僕だけど
子供みたいな僕だけど
これからはずっと一緒にいてね


「おかえりなさい、ユノ。釜山から僕もただいま」


『じゃあ俺からも。
ただいま、チャンミン。釜山からおかえり…』


大好きな人の匂いの中で
僕の夢現の時間は、ゆっくりと現実に変わっていった


ユノ…大好きだよ…


夢の中でも、現実でも
これからはずっと一緒に居てね






夢現 -完-




貴方のがないという心の空白


色々な現実を見て視野を広げることが出来たこの期間は、今まで知らなかった多くの事を得る事も出来ました


私にとっての空白の期間をどんな風に過ごしてきたのか
あなたがこれからどんな姿を見せてくれるのか楽しみです


おかえりなさい、ユノ




くみちゃん様


お誕生日おめでとうございます


二年近いこの期間を短く感じる事が出来たのは、きっと貴女という存在があったからでしょう


私が落ち込んだ時も、自然と笑顔を取り戻させてくれた貴女


貴女が周りに笑顔を届けてくれた以上の幸せが
くみちゃんさんへ届きます様に




Ali様


いつもいつも素敵な作品を快く提供して下さり
本当にありがとうございます


今回もまた、作品を見ながらお話を作りました
貴女の作る作品の雰囲気に合えば嬉しいです


Ali様のブログはこちら↓


ホミンを愛でるAliの小部屋



ゆんちゃすみ






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耽溺 あとがき
2016-02-04 Thu 18:30



親愛なる皆様


いつもこのようなところにお運びくださり
また、拍手やランキングへの応援を頂戴しておりますことを、重ねて感謝申し上げます


この度「耽溺」の連載を無事終了致しました
このお話は、以前短篇で書きました2人の続篇ということで始まりました


コミカルテイストを含ませた内容は、初めて挑戦したわけですが、私自身もとても楽しむことが出来たと思います


「耽溺」には、たくさんの方から身に余るような拍手を頂戴し、途中プレッシャーに負けそうになることもありました


しかしながら、こんなたくさんの方からお話のMAXとユノさんを愛して頂けているのだということを支えに、自分に喝を入れて参りました


最後までこのお話をご愛顧頂けたことを
心より感謝申し上げます




お話の元になった短篇「悔恨」が、一夜の過ちを過ごしながらも、最後までシタのかシテないのか…という様な含みを持たせた終末にしたので


「耽溺」ではめでたく最後までキチンとやり遂げて(?)の終末というかたちをとりました


前回のモヤモヤを、MAXとユノさん同様に皆様方にもすっきりして頂けたら幸いでございます




〈今後につきまして〉


しばらくお休みを頂戴しようと思っております


お休み後は皆様のお声を伺いながら「耽溺」の続篇といたしまして、恋人篇を書ければ…と思っております


MAXとユノさんに、この様なことをさせてあげたい等、ご要望がございましたらお聞かせ頂ければ嬉しいです




最後になりましたが


日頃から私を支えアドバイスを下さる師匠様を始め、タイトル画を提供して下さるAli様、コメント欄を賑わして下さる仲間たち…


そして、私のお話を読んで下さっている読者様に、心より御礼申し上げます




再開の時まで、しばしのお別れでございますが、皆様方にはどうぞお身体をご自愛下さります様に





ゆんちゃすみ


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耽溺 42 -最終話-
2016-02-04 Thu 18:00


このお話はフィクションです

二人のキャラが若干崩壊しています
ご承知おきください




side MAX



ユノの右隣に座って
黙々とピザを頬張る



無言での食事風景は
なんだか昨夜のリプレイのような…



大きな違いは



昨夜は恥ずかしくて…ただひたすら食べることしか出来なかったのに対して



今朝は、彼と愛し合った結果生じた空腹を、ひたすら満たすためだということ



それなのに



食べづらくても、やっぱり
彼の右手に腕を絡めちゃう僕なんだ



ユノはというと
ピザで満タンに膨らましている僕の頬を
そっと指でつついてから、穏やかに微笑んで



その指でピザをつまみ、口に運んだ



ねぇユノ



僕たちは始まったばっかりだ
これから、僕たちにどんな幸せが待ってるのかな



あなたに関しては僕、すごくポジティブだから
幸せ以外のことが待ってるなんて、これっぽっちも思わないけど…いいよね?



僕は、あなたのことを糧にして
今以上に仕事を頑張ろうと思ってる



トゥギヒョンに言われたように
しっかり仕事を頑張って、あなたとの事をトゥギヒョンにも認めてもらうつもり



〈チャンミナ、チョンさんのおかげでいい仕事が出来たね〉っていう風に、社長に言ってもらいたいんだ



だからさ
ユノも、そんな僕を応援してほしいな



ユノは…



チルチュのショップスタッフを続けるよね
チルチュの服が好きみたいだし、ショップにいた時のあなたはすごくカッコ良かった



べた惚れしてる相手への贔屓目線ってのもあるけど



チルチュの服をクールに着こなして
お客さんのいないショップで、伏し目がちにハンガーに服をかけているだけだったのに



それだけで、飛びつきたいくらいカッコよくて
あの一瞬で惚れ直したって言っても過言じゃない



仕事をしているオトコってさ
なんかカッコいいでしょ



本当はね
24時間、僕のそばに居て
僕だけを見ていてほしい



この家には、まだ空いてる部屋があるから
明日からここで暮らして欲しいけど



そんなワガママは、もう少しだけ封印するよ



だってさ付き合って早々束縛し過ぎるっていうのも…そういうのって嫌われちゃいそうだから



でも…僕は



チョン・ユンホという男に
完全に溺れちゃった



いきなり抱きつかれて目を白黒させたユノ



突然目の前から逃げ出した僕を、必死な顔で追いかけてくれたユノ



大スターMAXは俺のモノだと言ってくれたユノ



そして今、僕の隣で…



腕をぎゅうぎゅうに絡める僕を全く咎めず、片手だけで食べづらそうにピザを食べるユノ…



あなたの全部に溺れてる



もちろん
僕を貫いて…恐ろしくなる程の官能を与えてくれたあなたの身体にも、ね



本音は…全てを忘れてあなたを貪りたいよ



1日という括りに与えられた24時間全てで
1年という括りに与えられた365日全てで



あなたに溺れたい



何もかも忘れて
ユノとの2人だけの空間に耽りたいんだ



でも僕は
あなたに溺れたからこそ、これからの自分自身の毎日を頑張りたい



それが、ユノに対する僕の愛だから



ユノ…
そんな僕の愛を分かってくれると嬉しいな



仕事で忙しくて会えなくても



僕とユノの愛は…そんな事で壊れるような脆いものじゃないって今は断言出来る



何度も言うけど
あなたに関しては、ほんと僕ってポジティブ思考だからね!!



ねぇ、ユノ



僕たちの…
そんなカタチの耽溺の日々は
今、始まったばかりだ



その日々は
きっと…永遠に続くって信じてる



ねぇユノ、そうだよね



ユノ
あなたこそ、僕だけのモノだからね



愛してるよ…






耽溺 –完–






MAXとユノを最後まで愛してくださり
本当にありがとうございました



ゆんちゃすみ






この後、あとがきを掲載させていただきます
合わせてご覧頂けると嬉しいです




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耽溺 41
2016-02-03 Wed 18:00


このお話はフィクションです

二人のキャラが若干崩壊しています
ご承知おきください




side MAX



ユノが僕を印象付けてくれた写真が
僕自身が選んだベストショットだったということを知り、すごく嬉しかった



あの時の写真はチルチュの大々的なプロモーションで、海外の有名なカメラマンを招いて撮影されたものだった



多少の英語はわかるものの、カメラマンの指示を正確に伝えて貰うため通訳を入れての撮影で



僕は彼が出した指示を〈恋い焦がれる相手を誘うように〉だと理解していたら、何度も〈挑発だ〉と訂正されて



その時漠然と思い浮かべた相手は
いいオンナではなく、いいオトコだった



僕は、生粋のゲイではない
綺麗なものが好きだというだけだ



女を誘う表情は、簡単だ
だけど
男を挑発する表情はすごく難しかった



あのスーツを着てのワンショットだけにどれだけの枚数を撮ったかわからないけれど



「この僕を、抱けるものなら抱いてみろよ」



そんな思いを込めた目線を意識した時に
カメラマンは賞賛の声をあげてくれたんだ



後にも先にも
思い浮かべる相手が男だったのは、あの時だけだったな



昨夜ユノとようやく結ばれて



僕を抱きしめるようにして寝ている彼の胸の中で再び目覚めた朝は、これ以上ないほど満たされたものだった



そんな幸せの中で
ただユノとベタベタしたいだけだったのに



ユノのアレに頬擦りしていたら
彼の逞しい腕に僕はあっさり引き上げられてしまって



ハダカのユノに覆い被さるようになった僕は
朝にはちょっと不釣り合いなほどの熱いキスをユノにされ



それを口火にして朝から身体を繋げたから…



心は満杯だけど、お腹はぺこぺこになった
セックスってお腹がこんなに空いたっけ…



僕の肩を抱き、ゆっくりと身体を撫でてくれていたユノの手のひらから、伝わる温もりが心地よくて



ピザのデリバリーが到着しても、本当はそのままの体勢でいたいくらいだったけど



ぺこぺこのお腹が今回は少しだけ勝ったみたいで
僕はセキュリティーロックの解除に向かった



高級な食事をしてそう、美味しいものをたくさん食べてそうって傍目からは思われてるけれど



僕は案外、デリバリーのピザやジャージャー麺が好きだったりする



届いたピザをテーブルに並べていると、ユノが目を白黒させて聞く



『何これ…誰か来んの?』



Lサイズのピザの見本市状態になったテーブルに
持ってきた皿が置けずに困惑するユノが可愛い



僕が、案外大食いっていう事を
ユノはまだ知らないんだった



今まで何度か食事の機会はあったけど
毎回ユノに会えた事で胸がいっぱいになっちゃって



彼の前では、ほとんど物を食べなかったからね



ユノと想いが通い合って
初めて身体を繋げたら…ほんとにお腹が空いちゃったんだもん



隠してたワケじゃないけど
たくさん食べる僕でも嫌いにならないでね?



「僕、多分これからはたくさん食べるからね!」



と、一応ユノに宣言してみる
想いが通じてもさ、すごい勢いで食べる僕を見て幻滅されたりしちゃったらイヤだから…



なんて、乙女っぽいことを思っちゃって



ユノのことをちょっとした嘘で誘い入れ、半ば無理やり撮ったセルフィーもこっそり待受画面に設定したし…



僕って案外こんな乙女チックなことをしちゃうんだって、思わず1人でにやけちゃう



本当は



向かい合わせに座って食べれば、どのピザにも手が届くけれど



僕の定位置はココだから…



そう



あの日、初めて出会った夜に座った



あなたの右隣が
これからの僕の定位置だよ





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耽溺 40
2016-02-02 Tue 18:00


このお話はフィクションです

二人のキャラが若干崩壊しています
ご承知おきください





サカリのついたケモノっていうか
そういうのって、こういうこと?



俺の鼻にキスをしているやつの後頭部を掴み
強引に唇を迎えにゆく



「…ふぁ…ッ…」



やべー
ほんとにやべー



さすがにケモノにまではならず、ギリギリのところで理性を保てたけれど…



俺の目の前で
俺とのキスで



甘ったるい声を出しているMAX越しに
目に飛び込んできたのは



リビングに飾られていたMAXがイメージモデルをしている海外ブランドの大きなパネル…



パネルのMAXは
素肌に白いスーツを纏い、憂いのある男の色気を醸し出していた



その男が
俺と唇を合わせていることが何だか信じられない



唇を離し
MAXの肩を抱いて座り直す
やつも何も喋らずに、俺の肩に頭を預けた



チャンミン…
これから俺たちには、どんな日々が待ってるんだろうな



おまえは、これからもどんどん活躍の場を広げてスーパースターの地位を確立してゆくだろう



新しく挑戦したウェブドラマも今までのそれとはアクセス数が桁違いに凄いらしいし



今までのペン層よりも若い世代の人気が上がったってことをキュヒョンってやつに聞いた



ピザを待つ間に点けたテレビも
たった数分の間にCMで何度もMAXの顔を見たし
きっとますます見かける事になりそうだ



それでなくても街中に溢れかえったこの男の広告から逃れるのは不可能だから、一時の俺は国外逃亡を図ろうとしてた程だったしな



ちょっと前の事なのに
何だかすごく前の事に思える



そんなことを考えながら
抱いているMAXの腕を撫でた



「ねぇ…僕たち恋人同士になったんだよね?昨夜から意識してたんだけど…ユノヒョンじゃあなくて、ユノって呼んでもいい?」



……ったく
またそんな上目遣いで見やがって



ヤメロ…
ほんとに俺、ケモノになっちまう



『いいよ、ってか昨夜もそう呼んでただろ?』



行為の最中にMAXが漏らした
「ユノ…」という俺を呼ぶ声で血が滾った記憶が蘇る



「ユノは僕と会った時からずっとモデル時代の名前を呼ぶよね。“MAX”がお気に入り?」



MAXが話す低めの声が
身体に心地よい振動となり、伝わってくる



普段俺に甘えてくる時に彼の口から放たれる猫撫で声は、どうやって出しているんだろう?と不思議になるくらい、意外に彼の話し声は低めで



職場にいるこいつのペンは〈オッパのあのセクシーな声が堪らないんですゥ~〉ってよく言ってたな…



『俺…おまえのことを最初にすごく意識したのが、おまえが専属モデルやってた雑誌でさ
だからその時の“MAX”が抜けないんだと思う


ウチのブランドの特集で、黒いサテン地のスーツ着てた写真なんだけど


まだ髪が長めの時で…その髪をかきあげて挑発するような目線してて。なんか衝撃的だったんだよ』



俺は、俺の中で初めて彼を印象づけた時の思い出を話した



数多くこなしたであろうファッション誌の仕事を思い出しているのか、目を閉じて考えているMAX



すると急に「あ!!」と叫んで、何やらテレビの脇にある大きな棚に向かう



戻ってきた彼の手には、俺の愛読するファッション誌が持たれていて「これでしょ!!」とページを開いて見せた



『そうそう!!コレだよ!随分前のやつなのに…よく分かったな』



MAXが開いたページはきちんと付箋が貼られていて、その付箋には彼の文字か何やらメモが書かれている



〈僕のベストショット…多分永遠に〉



そんな言葉が記されていた



『なぁ…雑誌の撮影を何年もやってて、よく俺が言った内容だけでわかったな。チルチュの服だってずいぶん着ただろ?』


「うん、チルチュの服はよく着たね。でもユノが言った“挑発”って言葉でピンと来たんだ


カメラマンの指示がね、すごく印象的で…


死ぬほどに恋焦がれる相手を挑発するような表情を見せてという指示は難しかった


好きなのに“誘う”ではなく“挑発”だったからね


それが伝わって、そのショットで僕を印象付けてくれたんだったら…


やっぱり僕とユノが愛し合うのは運命だったのかもしれないね」



MAX……



今まではおまえのポジティブ過ぎるテンションにいっつも引き摺られて迷惑して乗っかれないことばかりだったけど



その意見には、乗っかれる



俺の中にあるおまえへの想いは
普通の出会いでは生まれることがないくらいのものだって気がするんだ、俺



だからさ
おまえが言うように



きっと運命だったんだろうな



おまえと俺が出会って恋に堕ちたのは…
あの晩、あのBARで出逢ったのは



運命だったんだ





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