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縁結 48 -最終話-
2016-08-07 Sun 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Prince Yunho



〈皇太子殿下、嬪宮(王世子の妻)様の御成りでございます〉



後朝の憂いで…いつにも増して肌が輝いている様に見えるチャンミンを伴って大殿の広間に入る



ついさっきまで
顔をこれ以上ないくらい赤くして、尚宮達に聞かれてもいない夜のことをあれこれ言い訳していたチャンミン



「お布団が一組しかなかったから!殿下が掛け布団にくるまって、僕は敷き布団で自分を挟み込んで寝たんですっ!」



《さようですか、それは大変でございましたね》
朝の挨拶に向かうための支度をしながら、尚宮にあっさり聞き流されて墓穴を掘っていた



『電気がついていないと眠れないんだ』
「ええっ?ダメです!僕は暗くしないと眠れません」



そんなやり取りで最後まで揉めていた俺たちは
結局明かりがきちんと消えた状態で朝を迎えた
きっと俺が先に寝てしまい、その後チャンミンが明かりを消して眠りについたんだろう



腕の中で俺にしがみつくような格好で目覚めたチャンミンは「うわぁっ!ごめんなさいっ」と言い慌てて離れた



一組しかないと文句を言っていた布団で、二人密着した状態で寝覚めたことが恥ずかしかったようだった



俺に続き、神妙な面持ちで両陛下に昨日の礼を述べるチャンミンを見ながら
そんな朝を迎えていた可愛い姿を思い出し思わず顔がほころんでしまう



《皇太子、嬪宮。この度はおめでとう。これからも末長く幸せに過ごすように》



嬉しそうなお顔の大妃様と、穏やかな笑みを浮かべる両陛下が俺たちに祝いの言葉をかけてくださる



そしてその脇に、公主(王の嫡女)様のごとく上品な佇まいで韓服を着たテミンが微笑んでいた…正確に言うと、ニヤついていた



きっと昨夜のことを想像してニヤけているに違いない
この弟は兄よりもずいぶんマセているようだ



チャンミンも気づいたようで、両陛下に見えないようテミンに対しファイティングポーズを見せた



朝の挨拶を済ませ、宗廟に婚礼の挨拶をし終えた後、ようやく東宮殿に戻った



軽装に着替え終わってから、対の間に向かう



『チャンミナ~腹減った。飯食おう』


「うわぁぁ!!」



尚宮に手伝われ着替えていたチャンミンが慌てて脱いだ唐衣で身体を隠す



男同士なのに…昨日素肌を重ねたのに…
女の尚宮に触らせて平気なのに俺に見られるのが嫌だというチャンミンがよく分からないけど



『うわぁっ!!ごめんっ!』



そう言って慌てて振り向いて見ないようにしてしまう俺もよく分からない



《皇太子殿下、少々お待ちくださいね。さぁ嬪宮様、よろしゅうございますよ》



くすくす笑っている尚宮に送り出されてチャンミンが俺の元に来る



「ノックぐらいして下さい」


『えー、いいじゃん。そんなこと…俺たち夫婦なんだから。さ、飯食いに行こう』



ぷりぷりしているチャンミンの手を握り、食堂へ歩き出した



「親しき中にも礼儀あり、って言うでしょう?殿下がお召し物を脱いでいる時に僕が入ってきたら嫌だと思いませんか?」



怒ったような言い方の割に繋いだ手は解こうとしないチャンミン
なんか、ちょっと嬉しい



〈うわ~早速見せつけてるぅ!〉



後ろからいきなりかかる声は、さっき俺たちをニヤけながら見ていたテミン
そう、俺の義理の妹…じゃなくて弟になったんだ



「テミナっ!ちょっと来なさいっ!」



繋いでた手はそこで解かれて
チャンミンは逃げるテミンを追いかけ、そして得意技のコブラツイストを見事に決めた



〈やめてぇー痛いってば!新妻がこんなことしていいの?オッパ~助けてぇ!!〉



テミナ…オッパじゃなくてヒョンだろう…
でもまだちゃんと女であり続けてくれているんだな



ここではいいけれど、大殿ではチャンミンもテミンもまだ女だと思い込まれている



愛しいチャンミンと結ばれた喜びに浸っている余裕は無いんだ



きちんと納得のできる答えを見つけ出して、二人を本来の姿にしてやりたい
それが俺に課せられた大きな宿題だ



その時もう一度、チャンミンと結婚式が出来たらいいなと思った
今度は…そうだな、純白のタキシードを二人で着よう



テミンも…
いや、今日も母上の最新作らしい赤いリボンとレースが施された白いワンピースを着ているテミンは、この際そのままでもいいか



チャンミンにコブラツイストをキメられて、パンツが丸見えになってることは見なかったことにしよう



チャンミンと踏み出した新しい生活は
いつも通りに賑やかな兄弟によってもたらされる東宮殿の人々の明るい笑い声から始まった



俺と
チャンミンの



二人で歩んでいく長い人生の幕開けだった






親愛なるあゆ様

貴女によってもたらされた縁は
このお話を機にさらに広がりました
知り合ってからの日々の中で、頂いた多くのことへの感謝をこの作品に込めたつもりです

一年間ありがとうございました




大切な読者の皆様

最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました



ゆんちゃすみ




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縁結 47
2016-08-06 Sat 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
BL表現を含みます
ご注意ください




side Prince Yunho



“愛しい”
この気持ちは全てのしがらみを越えられる



男同士ということ
子孫を残さなければならない皇太子だということ



そんな一切を忘れて
目の前にいる愛しい人で頭がいっぱいになった



チャンミンとの初めてのキスは
彼が流していた涙のせいかちょっとしょっぱくて
それなのにすごく甘くって



そんな不思議なキスの味を…彼の唇を…
もっともっと知りたくて、何度も啄ばんでしまった



俺が着替えていただけで
顔を赤らめて手で目を隠すような照れ屋のチャンミンが、自然と俺の背中に腕を回した



そのことで、自然と俺とチャンミンの身体が密着度を増す



チャンミンの心臓がドキドキしているのが
俺の身体にも伝わってきて
だからきっと、俺の心臓が痛いくらい鼓動を速めていることもチャンミンにバレたと思う



好きだ…チャンミンが好きだ



抱き合って身体を重ねていることで、チャンミンを思う気持ちがそれ以上の繋がりを求めてしまっている気がして



そんな初めての感覚に驚いた俺は、チャンミンの身体をゆっくり離した



中庭を挟み窓越しに目が合っただけで頬を染めていたチャンミン…



両陛下への初めての挨拶の時、握った手を離さずにいたら顔を真っ赤にしていたチャンミン…



テミンの仕業で背後から抱きつくようになった時、離れ際に触れた耳が熱かったチャンミン…



そんな恥ずかしがり屋だったチャンミンが
離れてしまった唇を惜しむかのように潤んだ瞳で俺を見つめる



好きだ…
チャンミンにもっと触れていたい
好きだ…
チャンミンの全てを知りたい



必要ないと思っていた合房の儀
教わっていた内容ではない意味で、この儀を俺とチャンミンの結婚の証にしよう



同性だけれど
偽りを隠したままだけど
俺とチャンミンは結婚したんだ



そんな思いで目の前にいる愛おしい人を見つめ返した



チャンミンの額に、鼻に、口づけを落とす
このかわいい人は、俺のものだという証だ



絶対に離さない…
自分の心でそう固く決意をして、再びキスをした



鳳凰を象ったかんざしを抜くと三つ編みが解ける
根元で縛っていた紐を解いて付け毛を取った



肩ぐらいのチャンミンの髪の毛
撫でつけられた部分に指を通す
チャンミンの素顔を見たかった



偽りの妃の姿ではなく
ありのままのチャンミンと、この夜を過ごしたかった



一組しかないと文句を言っていた布団にチャンミンの身体をゆっくりと横たえる



目を伏せて、少し身体を震わせているのは
必要のない合房の心得を読んでいたからだろうか



男同士での愛の行為…
今はまだわからなくてもいい
俺だって初めてなんだから、焦ってチャンミンを傷つけたくない



だけど今
チャンミンを心から愛していると俺なりに伝えたくて、白いチョゴリの紐を解いた



恥ずかしそうに横を向くチャンミン…
やっぱりいつものチャンミンだ
彼のかわいらしい耳に唇を寄せる



「んっっ…」



チャンミンの口からこぼれ出た声
俺の中で何かが弾けた



チャンミン…チャンミン…
互いの祖父が残してくれた縁で運命を重ねた俺たち
これからどんな人生を二人で歩いていくのかな



細くてきれいな首筋に
眉の上のチャームポイントと同じようなそれを見つけ、そこにもキスを落とす



チャンミンのチャームポイントも
全部、俺の物だから



口づけるたびにチャンミンの身体がピクッと動き
肌が赤みを帯びていく



そんな反応を見せられるごとに俺の身体の全てが彼を欲してしまう



そして俺の足が触れていたチャンミン自身も、俺を求めてくれていた



心得がわからなくてもいい
手順だってどうでもいい
愛しい人の、大好きな人の全てが欲しい



俺の指がチャンミンの肌をつたい
俺の唇がチャンミンの肌に印を刻む



冷たかったシルクの布団はもう二人の温度ですっかり暖まっている



その中で、チャンミンの身体を覆う全てを脱がせ
同じように裸になって重なる



直に触れたお互いの肌は、もうそれだけで溶けてしまいそうで
このままチャンミンが消えてしまったらどうしようなんて思ってしまった



チャンミン…
俺の腿に触れる想いの昂まりは、俺を愛しているという証拠だと思っていいか?



おまえの腿に当たっている想いの昂まりは、俺がチャンミンを愛しているという全てだよ



身体をつたっていた指をそっと降ろしていき、チャンミンの昂まりへと辿り着く



間近にある美しい俺の伴侶の顔…
指で触れた瞬間キュッと眉間にしわを寄せる



『チャンミナ…大切にするよ』



その眉間にもキスで自分のものだと印を刻み
指でゆっくりと愛を表現した



初めての夜は
俺に美しい伴侶の姿をしっかり焼き付けておくようにと天が言ってくれるかのごとく



明るすぎるくらい美しく輝く月明かりの下で
ゆっくりと時を進めていった






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縁結 46
2016-08-05 Fri 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください



〈拍手コメントの御礼〉

ar***様
コメントをありがとうございます
原作の合房の儀で可愛かった二人の記憶をユノチャンミンに重ねました
実写化したら全力で見に行きますよぉ^^






side Princess? Changmin



ユンホ様…
あなたのことが好きです



そう思う僕の気持ちは、もう止められない
だけど…人間気持ちだけでは済まない事だってあるんだ



合房の心得を読んでいて思った
男と女は陰と陽
その生命の掟は崩せないという事を



ユンホ殿下は僕を妃にした
でも、彼だって立派な成人男子だ
僕を妃にした事で出来ない事ばかりにさせてしまった気がする



好きだから…あなたを信じてプロポーズを受けた
でも僕は本当にこのままでいいのかって不安になっちゃって…



合房の儀
尚宮さんたちはゆっくり過ごしてくださいと言ってくれたけれど



一組しか敷かれていない布団に枕が二つ並べられているのを見て、そんな不安に襲われた



妃は王や王子のなさる事に一切文句を言わず
ひたすらお子を授かる思いで交合に臨むべし
自らが国母(王を産んだ母または国の母、皇后という意味)になるという思いで臨むべし



僕は、ユンホ殿下のお子を産むことは出来ない



今日一日の疲れが急激に僕を襲ったせいか、一度生まれた不安は黒い影となり僕の心を一気に覆っていく



ならば、いっそ…
そんな思いで口をついた言葉



「素敵な彼女を作って欲しい」



ううん、そんなこと嫌に決まってる
僕が出来ない事を全て出来てしまう人が
ユンホ殿下の横に立つなんて…



僕はバカだ
思ってもいない事を言ってしまった…



でも、ユンホ殿下だって普通の男の人なんだから普通に女の人と…その…愛の行為っていうか…そういうことをしたくなるだろうって思ったから



でも僕は
そんなバカな事を言った僕は
ユンホ殿下にぎゅっと手首を掴まれた



怒っていらっしゃる…
ユンホ殿下は僕が言った言葉に本気で怒っていらっしゃる



ユンホ殿下のあの美しい目が、怒りに満ちていた



僕は…何も出来なくて…
まるで合房の心得に書いてあったかにように、殿下のなさることを黙って見ていた



じっと見つめ合うユンホ殿下と僕



僕は…やっぱりこの人のことが好きだ
怒りに満ちている目でも愛おしい
ユンホ殿下の全てが僕の全てになって欲しい



だけど僕は…
色々な思いが心で交錯し、その中で行きついた結論を振り絞るようにユンホ殿下に告げる



「好きだっていう気持ちだけじゃだめみたいなんだ」



僕の手首を掴むユンホ殿下の手に力がこもる



『バカやろっ!俺のプロポーズちゃんと聞いてたのかよ』



……そうだった
ユンホ殿下は、僕にちゃんと伝えてくださってた
“子孫を残すための道具などいらない”と



僕は…ユンホ殿下の想いに応えられる?
僕の全てをあなたに捧げられる?



そんな自問自答を繰り返し俯いていた僕は
ユンホ殿下の大きな手で引き寄せられて、気づかぬ間に溢れていた涙を指で拭われる



『好きだって気持ちだけでいいんだよ、チャンミン…』



愛しい人の顔が間近に迫る



ユンホ様…あなたが好きです
そう告げようとした僕の唇はユンホ殿下のふっくらとした唇で塞がれた



好きだ…
好きです…



唇から伝わってくる熱い想い
唇から伝える僕の想い



心から愛し合うという事は
古くからのどんな教えもしきたりも吹き飛ばして
二人の愛の形を残していくんだと知った



そこに手順やルール、作法なんか必要無い
僕は…愛しいと思う人の背中に自然と手が回った



重なり合うユンホ様と僕の身体は、すでに重なる唇と同じように互いの想いを伝え合う
彼の鼓動が聞こえ、僕の鼓動がそれに共鳴するように聞こえる



ふと離れたユンホ殿下の唇
消え入りたいほど恥ずかしいのに、愛しい人の顔を目に焼き付けたくてじっと見つめる



ユンホ殿下もまた同じように、目をそらすことなく僕を見つめる



殿下の大きな手が…
同じ男である僕の手をすっぽり覆ってしまうくらい大きな手が、そっと両頬に触れた



僕の額に
僕の鼻の頭に
順を追うように落とされるユンホ殿下の口づけ



まるでそれは
僕たちが結婚したという証を刻んでいっているようで



ユンホ殿下は『チャンミナ…好きだよ』と
びっくりするくらい熱い吐息に乗せて囁く



そしてもう一度、その愛の証を唇に刻んだ……








大きな窓から、ひときわ明るく美しい月が見える
まるで僕たちの事を祝福してくれているみたいで



『チャンミナ、寒くない?』



座っている僕を後ろからしっかりと抱え込むユンホ殿下が、僕の膝にかかる布団を上に引き寄せながらおっしゃる



「ユンホ様が温かいから…大丈夫です」



ユンホ殿下の胸に頬を寄せて答えた



『布団が一組しか無くても、こうしていれば全然平気だな。俺もチャンミンの背中が温かくって気持ちよく眠れそう』



僕の肩を包んでいた手を動かし、布団を直す
そして僕の頭に口づけが落とされる



『眠れたら、おまえも寝ろよ。もっと身体を預けて平気だから…』



そう言って自分の腕の中にいる僕を引き寄せる
もう、これ以上隙間がないというくらいに



幸せという言葉は
こういう事を表しているんだって思うくらい
僕はその感触を全身で満喫する



愛しい人の腕に包まれて眠る
愛しい人の呼吸、体温、匂いに包まれている幸せ



僕にとっての合房の儀は
幸せという言葉がどんなものを表しているのかという事を身をもって知る機会になった



そして
愛しいという思いは
性別をも超えるという事実を知った






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縁結 45
2016-08-04 Thu 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Prince Yunho



チャンミンの潤んだ目が
赤く染まった目の縁が
俺の中のどこかを惑わせて



そして
同じ男である俺が服を脱いだだけでその目を手で覆う可愛らしい仕草で、とどめを刺された



異性でなくとも
俺はチャンミンが好きだから、そんな愛おしい相手を抱きしめたいという衝動が生まれる



昔から王室は儒教を重んじていて、その教えに忠実だった



王が誤った政策を取ろうとすると朝鮮国内の儒学者や成均館(朝鮮時代の最高教育機関)で学ぶ者たちが王の元に集まり、その行いを責め改めさせるほどの力を儒教者達は持っていた



儒教では同性愛はタブーとされていて、成均館で学ぶ者たちの間にそうした噂でも立とうものなら厳しい罰が下されたという



しかし、その一方で
王室に残る文献の中には同性愛者だった王族もいたらしく、当然ながらその家系は血脈を途絶えさせていた



同性愛…
その言葉で俺がチャンミンへ寄せる想いを語るのは、どこかしっくりこない



言い訳かもしれないけれど…



『チャンミナ…風邪引くから布団に入ろう』



彼の身体を思って言う言葉だけれど
それを言う俺の喉はカラカラだった
無性に身体が火照るんだ



「無理です……」


『なんでだよ、俺たち男同士なんだからさ』



そんな事を言いつつ、実は男同士のくせにめちゃめちゃドキドキしてる俺
身体の火照りが顔まで赤くしている気がして、チャンミンに背を向けて布団に入った



『これが重くて…付けたままじゃ横になれないんです…』



消え入るようなチャンミンの声
振り返って見るとチャンミンが口を尖らせ、がっくりと肩を落としていた



あからさまなその顔が無性に可愛くて…
尖らせた唇の赤さがまた俺の胸をドキっとさせる
このまま…チャンミンの手を引っ張って布団に…



ダァぁぁ!そうじゃなくてっ!
チャンミンのクンモリ(木で作られ髪を結った様に見せたもの)を取ってやらなきゃ



恥ずかしさを隠すみたいに勢いよくガバッと布団を跳ね除けて、チャンミンの元に向かう



『どうなってんだ?これ…』



チャンミンの背後に回って、頭の飾りに手をかける



『あっ、こうかな?よし、待ってろ』


「あーっ!痛ぁい!!痛いですってばっ!」


『ええ?ダメ?おかしいな…』


「痛いっ!もうちょっと優しくしてくださいっ」




外に控えてた尚宮たち
大殿付きの尚宮が俺たちのこのやり取りを聞いて、合房の儀が無事に済んだと大殿に伝えるために席を立ったと、コ尚宮に後から聞いて思わず笑ってしまったのは後日の話



『おおーっわかったぞ、これだ。よし、取れた』



チャンミンの頭のクンモリを外すと、チャンミンはそれまでの未婚女性がする頭ではなく三つ編みを団子状にまとめてかんざしでまとめるスタイルに変わっていた



思い描いていたチャンミンの妃の姿だ



『チャンミナさ、今って実際はどれくらいの髪の長さなの?俺と二人の時は、そのつけ毛取ってもいいんだよ』


「もともと長いんですよ。散髪代を節約してて。テミンなんか地毛であの頭が出来るんです」



そう言って手を口元に添えて笑うチャンミン
そんな上品な笑顔にもドキっとさせられる



このまま話してたらなんかもっとやばい気がする…
急にそう思った俺は、もう一度『寝るぞ』と言って布団に入った



チャンミンも今度はおとなしく付いてきたらしい
空いている側の布団に入ったのが背中越しに伝わる



ガサガサッ
ガサッ



あーーーー!チャンミンの服がっ
あの服を着たまま布団に入ったチャンミンが寝返りを打つたびに音がして、俺の腕にもガサガサが触れる



『チャンミナっ!それ脱げよっ』


「ええっ?!ダメです!ダメに決まってるでしょっ!」


『何でっ!寝づらいだろうし俺も気になるだろう』


「だって…僕この下は下着です…」


『そりゃそうだろうけどさ…じゃあ俺、そっち見ないから。それならいいだろ?』



そう言って俺は布団をすっぽり頭からかぶった



急に訪れた静寂の空間で
チャンミンが唐衣の結び目を解く音が聞こえてくる
チマを脱ぐガサガサとした音も聞こえた



その後、背中に伝わってきたひんやりとした空気は、チャンミンの下着の生地の冷たさだったようだ



………


…………



どうしよう、眠れないっ
何でこんなに身体が熱いんだよっ
さてはあのお茶だな!イ内官のヤツ…俺に一服盛りやがったな!



熱さに耐えられずガバッと起き上がる
とにかく身体を疲れさせよう、そうすれば否が応でも眠れるはずだ!



そう思った俺は必死に腹筋を始めた



「ユンホ様?どうしたんですか?」



隣で急にバタバタし始めた俺を見てチャンミンがキョトンとしている



ってか、下着の合間から覗く胸元に目が行くんだけどっ!
チャンミンは男だろっ!どうしちゃったんだよ俺!



あーーチクショウ!
男のチャンミンにムラムラしてるぞ、俺ってば!



『寝る前の運動してんのっ!よく眠れるんだ!』
そんな言い訳をして腹筋だけでなく、ありとあらゆる運動をする俺



「じゃあ僕も」



そう言ってチャンミンも俺の動きを真似てくる
やめてくれっ!下着姿で運動をするのは目の毒だ!



そんな姿を振り払うようにハチャメチャな運動をして、ぐったりはしたけれど…全然眠くならない



「ユンホ様…」



仰向けになってゼェゼェ言う俺に、チャンミンが急に声をかけてきた



「あのね…えっと…」


『なんだよ』



声をかけてきたくせに言い淀むチャンミン
気になって起き上がり、チャンミンに向かい合う



「ユンホ様…男だから、ほら…そのぅ…僕はさ、男だから子供も産めないし…ユンホ様の夜のお相手も出来ないでしょ?だから、そのぅ…」


『チャンミナ…』


「僕…一生懸命考えたんだけど…今は側室ってダメなのかな?ユンホ様は素敵だし、綺麗な彼女を作って欲しいなと思って」


『チャンミンっ!!』



予想外のことに一気に頭に血が上った俺は、チャンミンの両手首を掴む



『チャンミン!本気で言ってんの?なぁ、本気で言ってんのかよっ!』



俯いたままのチャンミンは、俺の運動に付き合っていた時の元気はなくなって、かろうじて聞き取れるくらいの声で答えた



「僕じゃあ…ユンホ様のお子は産めないんだ…あの本にあった心得の全てが僕には出来ない…好きだっていう気持ちだけじゃだめみたいなんだ」



『バカやろっ!俺のプロポーズちゃんと聞いてたのかよ』



俯いていたチャンミンの頭を強引に引き寄せて
泣いていたチャンミンの涙を指で拭う



『好きだって気持ちだけでいいんだよ、チャンミン…』



愛おしい
そう、それだけでいいんだ
この合房の儀は俺にとって、チャンミンへの愛を確信する儀式となった



『チャンミン、おまえが好きだ…』



愛おしい人の顎に指を添えて
愛しい人へ唇を寄せる



俺の想いをこめた初めてのキスだった






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縁結 44
2016-08-03 Wed 18:00


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side Prince Yunho



《本日の婚礼の儀は、この儀をもちまして全て終了となります。皇太子殿下から杯をおあけください》



礼服を着た尚宮に言われた通り、女官から注がれた酒を飲み干す



テーブルを挟んで向かい側に座っているチャンミン



緊張しているのか、チマの上で重ねている手の指を忙しなく動かしたり、目線を宙に向けたりしていた



頭のクンモリが重いようで、やっぱり顔を動かせないみたいだ



それにしても…予想通りに綺麗だった



王と世子の正妃にしか付ける事が許されていない龍補がついた鮮やかな緑色の唐衣…
チャンミンは顔立ちがはっきりしているから、こんな鮮やかな色がすごく映える



映画やドラマでも多くの女優がこの王妃の装束を着ているシーンを見かけるけれど、チャンミンには敵わないと思った



背が高い事を気にしているらしく、ちょっと猫背気味なのが気になるけれど…まあ頭が重いっていうのもあるし、それくらいは仕方ないか



俺があけた杯に女官が再び酒を注ぎ、チャンミンに渡す



チャンミンは俺と目を合わせた
…ちょっと目が潤んでる?酒を飲む前からチャンミンの目の縁が赤く染まっている気がして、ドキッとした



合房の儀か…
成人の儀を終えた後に、日々の王室教育に突然組み込まれた講義



それが
いわゆる寝所でのしきたりを学ぶ講義だった



そしてその教育で俺が学んだのは
妃は王子を生産するための道具だという事



寝所での行為は、愛のそれとは違う
王室を次世代へと残していくための重要な責務だと学んだ



だけど俺は、当時から何か言いようのない違和感を感じていて



結婚相手を人とも思わないような
そんなしきたりに反抗心を抱いていたっけ



だってそうだろ



人間はさ
恋をして…その相手を愛する証として全てを重ねるんじゃないのか?



俺は…王室を次世代へと繋いで行く皇太子という地位にいるけれど
妃となる相手は、絶対に道具として見たりしない
そんな風に意気込んでいた



そんな俺のささやかな決意は
奇しくも絶対に子を成せない相手…男であるチャンミンを好きになった事で果たすことになるとは思いもしなかったけれど



チャンミンが男だと知らない時にチャンミンに伝えた言葉…



『子孫を残すための道具はいらない』



この言葉が、俺の全てだ
皇太子として失格だとしても
チャンミンを共に生きる伴侶に選んだ俺は、合房の儀はもはや必要な儀式ではない



そう思いながら
目の前の美しい伴侶を見つめていた



「…あんまり見ないでください…どうしていいのかわからなくなります」



えっ……
杯をあけたチャンミンがポツリと言う
顔を赤らめて重い頭をカクっと前に倒してしまった



そっか
チャンミンもお妃教育で合房の儀が何をする場なのか教わったんだろう
男だから必要ないのに、真面目だから妃が読む心得を見ていたっけ…



目を潤ませて縁を赤く染めているチャンミンを見た時に感じたドキドキ感を、恥ずかしそうに俯くチャンミンを見て再び感じてしまう



小さな杯で酒を飲んだだけで酔ったのか?
それとも一日の儀式の疲れのせいか?
無性に身体が熱い気がする



尚宮が一口ずつ料理を俺とチャンミンの口に運び、一切の儀式が終わった



《それではこれにて終了でございます。皇太子殿下、嬪宮様、おやすみなさいませ》



「えっ!このまま?ちょっと待ってくださいっ!」



チャンミンが部屋を出て行く尚宮に追いすがる
頭が重いからか、普段の韓服より豪華なものを着ていて動きにくいのか
チャンミンは入口に辿り着く前にパタリと倒れてしまった



『大丈夫か?チャンミナ』



慌てて駆け寄り、身体を支える
同じ男なのに…起こした身体はまるで女みたいに軽くて



唐衣の上から身体に触れただけで、心臓が飛び出てくるんじゃないかと思うほど胸がバクバクいうんだ



『儀式だから…今晩はここから出してもらえねーよ。あっちに戻って飯食おうぜ』



バクバクいう心臓が、チャンミンにかけた俺の声をかすれさせた
普通に言ったつもりなのに、自分の声じゃないみたいで



床を這いつくばってテーブルに戻るチャンミン
それでも人間の本能のまま、無言でパクパクと料理を食べ始めた



昼から何も食べてないし、俺も相当腹減った
あんな重いものを被って動いてたチャンミンは俺以上に腹が減っただろう



チャンミンの向かいに座って俺も黙って残りを食べ始めた



空腹が満たされると、やっぱり疲れてるから眠気がだんだんと襲ってくる
壁にもたれて、ネクタイを緩めた



女官たちが膳を下げている間も、チャンミンはここから自分も出してくれと尚宮に頼んでいる
俺と一緒に居るのがそんなに嫌なのかな…



尚宮に完全にはねつけられたチャンミンは、すごすごと戻ってくる



『チャンミナぁ、疲れてるんだからもう寝ようぜ』



普通に言ったつもりなのに今度は声が上ずってる
どうしたっていうんだよ、俺は



「だって…お布団が一組しかないし…」


『仕方ないよ。初秋とはいえ夜は冷えるんだから…風邪引くぞ』



チャンミンが部屋の隅っこで足を抱えて座り動かなくなったから、俺が寝てしまえばチャンミンも諦めるかと思いさっさと服を脱ぎ始めた



「ひゃぁっ…」



そんな声が聞こえて
タンクトップにスーツのズボンのまま布団に入った俺はびっくりして動きを止める



チャンミンは
俺よりもひと回り小さいあの可愛い手で、必死に自分の顔を隠していた



チャンミン…ダメだ…
せっかく意識しないようにしてたのに…



眠かったはずの俺の脳内を
“チャンミンとの床入り”と言う言葉が埋め尽くしていった





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