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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 9~
2016-12-08 Thu 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Princess? Changmin



勉強熱心で真面目
子供の頃からそう言われてきた僕が



今日は何だか、講義に身が入らない



〈チャンミナ。ねぇ、チャンミンってば!〉



隣に座っていたスヨンが腕を引っ張って初めて、講義が終わった事に気がつく



〈どうしたの?チャンミンにしては珍しくぼーっとしちゃって〉



慌てて荷物をまとめる僕に、スヨンが心配そうな顔で言う



《妃殿下!体調がお悪い様であれば私めにお申しつけください!》



そう言いながら僕の前にしゃがむミノに軽くキックを入れてやる



前にお友達のドンへさんを思い切り蹴飛ばしていたユンホ殿下を見たことがあったけれど
何だか僕も、ユンホ殿下のキャラに似てきた?



《何だよ、おぶってあげようと思ったのに》



ブツブツ文句を言うミノを小突くスヨン



〈バカだねぇ…チャンミンを背負って歩いてる所に、もし皇太子殿下がいらしたらどうすんのよ?!〉



ミノは大袈裟に震える素振りをしながら僕を見る



《俺はきっと皇太子殿下に背骨を折られるかもしれない…》



全く大袈裟に言うな、こいつ…
どっちかと言うと僕の方がミノに負ぶさったままヘッドロックをキメてやるけど



「皇太子殿下は今日もご公務でお忙しいから、今朝も僕一人で来たよ」



大殿で公務に出発なさる大妃様一行を見送った後、東宮殿に一緒に帰って来た僕たち
ユンホ様は公務をなさるため執務室に消え、僕は大学に向かう支度をしに部屋に戻る



最近パターン化した流れだ



以前まではホールで左右の部屋に分かれて入り
三十分後には再びホールで顔を合わせ、共にエントランスに向かい車に乗り込んでいたけど…



〈あら?そうなの?三コマ目が始まる前にお見かけしたけど…〉



え?
ご公務が片付いたんだろうか
最近は大学に来るのもままならないほどお忙しいのに



「見間違いじゃない?ここのところ、単位を落とすかもしれないって殿下が悩まれるくらい、大学に来られてないんだよ」



《よしっ!四コマ目は休講になったから空いちゃったし!経営学部に見に行ってみよう!!》


〈いいわね!さすが弟!〉



こういう時の双子ほどやっかいなものはない
嫌がる僕の両脇を双子の姉弟に挟まれて、引きずられる様に講堂を後にした



講義が始まるチャイムが鳴る
スヨンはスマートフォンを見ながら、目的の場所を探しているようだ



〈こっちみたい!〉



腕を引くスヨンの力が強くて為すがままの僕
美人のくせに、力だけは本当に男勝りでびっくりする



〈ほら…見てみて?いらっしゃるでしょう?〉



スヨンに促され講堂の入口のガラス戸から覗く
僕の目は一瞬にして窓際に座る愛しい人の姿をとらえた



ユンホ様…
ご公務の合間に時間が出来て、大学に出ていらっしゃったんだ



『俺はチャンミンとは違うから。講義では寝てるだけだってば』



何かの時にそんな事をおっしゃっていたけれど
今僕の目に映るのは、シャープペンシルを持った左手を口元に添えて、黒板を見つめるユンホ殿下の姿だった



窓から差し込む陽が眩しいのか、時折目を細めるユンホ殿下
講義が面白いのかな?時折口許に笑みが浮かぶ



同じ大学に通い始めてしばらく経ったけれど、こんな風にユンホ殿下の通われる学部に来るのは初めてだ



ユンホ殿下は時折
僕の様子を見にいらしてくださったけれど



見た事の無いユンホ殿下の姿に見とれてしまう
ただ、講堂の椅子に座りシャープペンシルを持って講義を受けているだけなのに…



《チャンミナ、見えた?》


〈シーっ!あんたはいいんだってば〉



僕の後ろで双子のいざこざが始まったけれど
僕は…スヨンが連れて来てくれた事に感謝した



〈そういえば今日から、大妃様と王妃様にくっついてテミンも釜山に行ったんだってね〉


《さっきスマホのニュースで見たよ。テミンのやつ、本当にお姫様みたいで思わず笑っちゃった》



そうだった…
今夜はユンホ殿下と二人きりなんだ



僕ってば
だから今日は講義に身が入らなかった?



いつもだったらみんなの目を気にして思い切り殿下をつき飛ばしちゃうのに
大殿から戻る際にユンホ殿下に突然抱きしめられた時、何故か今日は殿下の腕の中で大人しくしていた



僕の中で僕自身の命令を聞かないくらい
ユンホ殿下の温もりを求めてたんだと思う



今夜は二人きり………
きっと僕らは………



《チャンミナ??顔が赤いけど?って、大丈夫かよっ!鼻血出てるってば!》



!!!!!



僕ともあろうものが…
ダメじゃないかっ!!



鼻血を見て慌てているスヨンとミノに、頭の中で僕が考えていた事を悟られない様に
言い訳を散々言いながら、逃げる様に経営学部を後にした



僕って
エッチなのかなぁ…





-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

皆様へ

いつもお運び下さりありがとうございます

ここ数日愛犬が体調を崩しておりまして、その世話の為に多忙になっております

私事で大変恐縮でございますが…

実子を産まない代わりに迎えた愛犬は、私自身にとりまして我が子同然です
それ故メンタル的にも非常に落ち込んでいる状況です

そのため、しばらくの間お休みを頂戴したいと思っております

「至愛」並びに「渇欲」を楽しみにお運び下さっている皆様には、この様な事態でお待ち頂く様になってしまった事を深くお詫び申し上げます

以前も同様の症状を発症しながらも自然に症状が好転した経緯がありますので、今回も一時的なものだと思っておりますが…

いかんせん症例の少ない病で治療法もないため、経過を見守る事しか出来ないのがもどかしいです

落ち着きましたらすぐ再開させて頂きます
しばらくの間お待ち頂ければ幸いでございます

何卒よろしくお願い申し上げます

ゆんちゃすみ


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*




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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 8~
2016-12-07 Wed 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
ご承知おきください




side Crown Prince Yunho



どうしても午前中にやらなくてはならないと言われていた公務を終える



急いで部屋に戻り大学に向かう支度をする
今から行けば、何とか三コマ目に間に合うだろう
エントランスに向かう時に、コ尚宮に会った



〈おそれながら申し上げます。嬪宮様におかれましては、本日教授のご都合でゼミの時間が一時間遅れ、お戻りになるのは夕刻になるそうです〉



俺が問うより先に聞きたい事の返事をくれる
そっか…平日だしな、仕方ない



理系の学部に通うチャンミンは、文系の俺と違って連日目一杯の講義を受けているから、毎日だいたい俺より遅く帰ってくる



それでも以前はチャンミンと少しでも時間を共有したくて



朝も自分の講義が始まる一時間以上早い時間にチャンミンと一緒の車で大学に向かい、帰りはドンへに付き合わせて時間を潰し、チャンミンの講義が終わるのを待って一緒に帰ってきた



俺が公務に時間を費やす様になってからは
それも無理になってしまったけれど



共に暮らす様になってから
もう随分と月日が経った気がする
時の移ろいは、ただそれだけで様々な事を変えて行ってしまう



少しずつ生じる時間のズレが、夫婦にとって大きな溝になるのかもしれない



でも
俺は絶対にそうならない様にするんだ



時間のズレは、可能な限り元に戻す様に努力する
万一溝が出来てしまったときは気づいたら即、修復する



チャンミンと一緒にいる時間を捻出するためには、自分の時間を犠牲にすればいい



犠牲にするっていうのは語弊があるな
俺の方が、チャンミンに合わせていくって感じか…



前は二日とおかず通っていた大好きな乗馬も
今はほとんど行かなくなった
それよりもとにかく、東宮殿のテラスのベンチに腰かけてチャンミンの話を聞く事の方が楽しくて



乗馬が趣味だった俺は
チャンミンの顔を見る事が趣味になってる気がする



彼が身振り手振りを加えて、目をくるくる動かし、俺に語りかけてくれるのが楽しくて堪らない
見つめているだけで心が満たされていくんだ



こうやってチャンミンの事ばかり考えていると、苦手な教授の講義すらあっという間に終わってしまう



チャンミン言ったらきっと、ものすごい勢いで怒るだろうな…



「殿下!!講義は集中して受けて下さい!!」
真面目な彼は前のめりになって、そう言うだろう



以前は机に突っ伏して講義の大半を眠って終わらせていた俺だったから
こうしてしっかり前を向き、ノートを開きシャープペンシルを持っているんだから大きな進歩だ



なんて屁理屈を言ったら
あの恐ろしいコブラツイストをキメられそうだな…



午前中は公務で来られなかったけれど、予定通り三コマ目と四コマ目を受講して大学を後にした



〈殿下、お疲れ様でございました。予定通りショッピングセンターに向かってよろしいでしょうか?〉



大学の入口に迎えに出てくれたイ内官
『うん、頼む』と言って彼と共に車に乗り込んだ



〈テミン様から良い情報は得られましたか?〉



車の中で問うイ内官に首を振った



『それがさ。結局何がいいのか分からなくて…』



実は俺
チャンミンと迎える大切な一日を記念して、彼に何かサプライズを贈りたいと思ってたんだけど…



元々こんな性格だったから、あいにく人を喜ばす術に関しては不得手で
頼みの綱のテミンにも〈自分で考えてよぉ~〉とあっさり見捨てられた



万事控えめな性格のチャンミンは、あまり物欲もないらしい



服装もシンプルな傾向を好み…と言っても性別を隠しているから好みを出せないってのもあるだろうけど、用がない時はブラウスにパンツという至極シンプルな服装でいる



母上が一緒に買い物に行った時も、欲しい物を買ってあげると言うのへ
「お気持ちだけで嬉しいです。その分で大妃様のお土産を求めましょう」と返したらしい



〈嬪宮様も殿下と同じ男性ですからね。かと言って殿下が欲しいとお思いの物を嬪宮様が欲しがるとも思えませんし…〉



そうなんだよな
俺は甘い物に目がないけど、チャンミンはケーキも好きじゃないみたいだし



俺が喜ぶことをチャンミンも喜んでくれるだろうか…



俺が嬉しい事…
それはチャンミンと一緒に居られることだ…



喜ぶ喜ばないは抜きにして、サプライズはあくまでも添え物的に考えよう
前もって注文してあった物を店に取りに行き、足りない物をイ内官と一緒に買い揃えていった



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*



大妃様も母上もおられず寂しいとおっしゃる父上のワガママに付き合わされ、夕食は大殿で三人でとった



チャンミンは優しいから父上にもあれこれ気を配り、父上は俺が見たこともないくらいに相好を崩しておられる



まあ、そんな所も親子って事だ



打ち合わせ通り、食事の途中でイ内官が至急の用件だと俺を呼びに来る
チャンミンに犠牲になってもらい、俺は急いで東宮殿に戻った



喜ぶ喜ばないは別だと言えども
驚いてこそのサプライズなんだから
そんな思いで、柄にもなくハートのバルーンでせっせと部屋を飾りつけていく



前にドラマで見た光景を自分のイメージで再現する
新婚さんは結婚式を終えた後、こんな飾りつけをされた部屋に戻ってきてたから



俺とチャンミンは新婚なんだ
一日くらいその気分に浸ったっていいだろ



飾りつけを終えて、最後にチャンミンのベッドにぬいぐるみを置いた



〈殿下っ!嬪宮様がお戻りです!!〉



間に合った…
ホッと胸を撫で下ろし最後の仕上げに入る



俺とチャンミンの
とっておきの夜が始まった



良い思い出を作りたいな…






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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 7~
2016-12-06 Tue 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
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side Crown Prince Yunho



俺の一世一代のイベントの始まりだ



大げさかもしれないけど
今回のチャンスはそれくらいの価値がある



だってさ
俺とチャンミンは、世間で言うところの新婚カップルだ



それなのに、ちっとも新婚らしい時間を過ごせていない



父上の代わりで公務に忙しく一日のスケジュールが目一杯になってしまい、チャンミンと過ごす時間が全く取れない事が最大の理由だ



それに加え



チャンミンのそばにはいつもテミンが居るという事が一つ
そして夜には、俺とチャンミンの共寝を許可していない母上が急にやってくる危険性がある事が一つ



そしてもう一つ
我が愛しの人は、“超”のつく恥ずかしがり屋だという事だ



時折チャンミンと触れ合えるチャンスがあっても、大抵俺のそばに居るイ内官かチャンミンのそばに居るコ尚宮の目を気にして俺から逃げてしまう



俺の手が触れただけで耳まで赤くして、大きな目を更に目一杯見開いて動揺するチャンミン



彼のチャームポイントのきれいな瞳が、その都度せわしなくキョロキョロと動き回る
本人がまるで意図していない自然体のそんな仕草が、俺には堪らなく可愛い



出会った時は
チャンミンの飾らない凛とした美しさに惹かれた



彼のその自然美を、母上がご自分の大好きなカラーという花の美しさに例えていらしたっけ



結婚してからは
チャンミンの凛とした真っ直ぐなところに、恥ずかしさから来る可愛らしさが加わって



俺的に
チャンミンは無敵状態になった



未だにステージ3までクリア出来ない、俺の苦手なゲームのスーパーマリオ
マリオがスターを取って虹色に点滅しながら敵を蹴散らしていくイメージそのもの



飾らない美貌、真っ直ぐな性格、そこに可愛らしさが加わったんだから…もう無敵だろ?



そんなチャンミンと二人きりで過ごせる千載一遇の機会が巡って来たんだから



今日の俺は一世一代のイベントに向けて、朝から気合十分だった
前の晩もこっそりチャンミンの寝顔を堪能したおかげで寝つきも良く、すっきり目覚める事が出来た



でも実は
昨夜、公務の合間にチャンミンのことが気になってホールから対の間を覗き込んだ



愛しい人はあいにく風呂にでも入ったのか不在で、そこに顔を出したテミンに覗き見を見つかるという不運にあう



〈オッパ~!ヒョンならシャワー浴びてるよ。部屋は覗いてもいいけど、お風呂はやめた方がいいよ?丸っきり変態おじさんだから〉



『このヤロっ!誰が変態おじさんだっ!風呂なんか俺が覗くかよ!!』



相変わらず言いたい事をズバズバ言うテミンに、チャンミン直伝のヘッドロックをきめてやる



〈ちょっ!!ギブギブっ!!!酷いなァ、オッパ。僕がせっかく駄々こねてお二人の公務について行くって言ってあげたのに~〉



テミンが言うには



最近ほとんど一緒に摂ることが出来なくなった夕食時に、チャンミンがよくため息をつくようになったらしい



俺が居ない事で寂しい顔をしている兄の姿を見て、切なくなってしまったという



〈僕さ。大妃様と王妃様がご一緒に公務に行かれるって聞いて、これはチャンスだ!って思ったんだァ!だからね。お二人に甘えて連れて行ってもらう事にしたの〉



テミナ…さすが俺の義弟!!
信じてたよ!おまえのことをっ!
変態おじさんって言った事も許そう!



〈ヒョンはさ。寂しくても寂しい、って言い出せない性格だからね〉



そう言うテミンの頭を思い切り撫でてやる
チャンミンのおかげで一人っ子だった俺にこんな可愛い弟が出来たんだ



〈オッパ~!代わりにさ、僕の宿題やっといてね~。僕の部屋の机の上にあるから!それじゃ、おやすみィ!〉



ちくしょー!このちゃっかり者め!
仕方ない。チャンミンと二人きりの時間を作り出してくれたテミンのために、ここはオッパが一肌脱ごう



そんな経緯もあり、俺は今日の記念すべき日を迎えられたわけだ



よしっ!今日は忙しくなるぞ!
そんな気合いを入れて始まった一日



大妃様一行をチャンミンと共に見送った俺は
帰り際に一緒に行けるなら公務の場所はどこでもいい、なんて可愛い事を言ったチャンミンを抱きしめた



いつもだったら「何するんですか!」と大袈裟に突き飛ばされるところだったけれど
今日のチャンミンは大人しく俺の腕に収まっていたんだ



チャンミンも…
今夜は二人きりだということを意識してる?
腕の中で微かに揺れる髪が、俺の頰をくすぐる



名残惜しかったけれど
チャンミンの背中にぽんぽんと合図をして離れた



イ内官もコ尚宮も、何だか今日はいつもより距離を置いて付いてきている



テミン、そしてイ内官やコ尚宮の好意を無駄にしない為にも、先ずは公務をしっかり終わらせよう



チャンミンの残り香を感じながら、俺は執務室に向かった



一日は始まったばかりだ
今日は…一生忘れる事がない様な、そんな思い出を作りたいと思った






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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 6~
2016-12-05 Mon 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
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side Crown Princess? Changmin



《大妃媽媽(テビマーマー、先王の王妃・敬称)、王妃媽媽(ワンビマーマー)のお成りでございます》



大殿の正面玄関に響くソン尚宮さんの声
居並ぶ職員と共に国王陛下、ユンホ殿下、そして僕がゆっくりと頭を下げてお迎えする



ソン尚宮さんに続き上品なツイードのコートをお召しになり、色を合わせたベルベットの帽子を被る大妃様がお出ましになる



続く王妃様は、シンプルなお色で襟元にきれいな刺繍が施された珍しいコートをお召しになられる
僕が初めて公務に出た時もそうだったけど、王妃様もまた、飾りのついた帽子を被られている



王族の女性陣には公務の際に
帽子を被るという様な着る物に細かい決まりがあるんだ



《続いてテミン様のお成りでございます》



「チッ…」



下品だと思うけれど誰にも聞こえない程度の舌打ちが思わず出てしまったのは、自分の弟がドヤ顔で歩いて来るのが見えたからだ



今日もまた、王妃様自ら選ばれたんだろうか
テミンはワイン色のワンピースにファーの施されたベージュ色のマントを合わせている
帽子にもふわふわのファーが縁取られていた



全く…
我が弟ながら、お姫様の姿がよく似合う
でもあのドヤ顔は帰ってきたら注意しなきゃいけないな



皇太子妃である自分よりも、テミンの方が最近すっかり人を使うことに慣れている気がする



って言うか
元々天然の可愛いオーラが強いテミンに対して
大人の方から寄ってたかってチヤホヤしてるんだけど



〈大妃様、どうぞお気をつけて。王妃、テミン。大妃様のお身体を労って差し上げるように〉



公務に出かける三人を見送りに出た僕たち
国王陛下がまずお声をかけられる



『大妃様、王后陛下。釜山の美味しい海の幸を私の分までたくさん召し上がって来てください。テミナ、食べ過ぎてお腹を壊すなよ』



僕の隣に立つユンホ殿下は、そう言ってテミンの頬っぺたをつまむ
一人っ子のユンホ殿下は、本当の弟の様にテミンを可愛がってくださる



〈オッパァ!大丈夫だよぉ~!僕お肉だけ食べるから!〉



『全く…テミンは肉ばっかだな。オッパみたいに好き嫌いなく食べる様にならないとだめだぞ』



……弟っていうか、妹?
もうこの際どっちでもいいけど



「大妃様、王后陛下。海沿いの風は大層冷たいと聞き及びます。くれぐれもお身体に気をつけてくださいます様に。テミナ、お二人に決してご迷惑をかけない様にしなさい」



僕の前にいらしたお二人にお伝えしてから、着ている韓服のチマをつまみ膝を落としてお辞儀をする



ヨーロッパに古くから伝わるカーテシーというお辞儀は、品が良く見えると思って自分で意識してやっているんだ



前に…どこかの国の王女様がやってるのを見て、すごくきれいだったから



《チャンミナ、留守を頼みますよ。わたくし達が居ないという事は、内命婦(王妃などの王族や女官を含めた宮中にいる女性の総称)の最高位にそなたが立つという事です》



そうおっしゃり、にっこりされる大妃様
確かにそうだった…責任重大じゃないか…
一瞬にして身の引き締まる思いがした



《大妃様、皇太子妃なら大丈夫です。わたくしが初めて会った時にユンホの妃になるのはこの人だと見込んだ子ですよ》



王妃様…
いつもはテミンに夢中で、僕にはお言葉をくださることが少ない王妃様にそう言っていただけるなんて…何だか嬉しい



〈オーンニー!素敵な夜を過ごしてねぇ?じゃないと、僕がお二人について行く!ってワガママ言った甲斐がなくなるよぉ~〉



先に進まれる大妃様と王妃様の後に僕の元に来たテミンは、そう僕の耳元で囁いた



だからっっ!!
素敵な夜って何だよっっっ!!



ニヤつくテミンの足に蹴りをお見舞いしてやろうとしたのに
テミンのやつ、サッと身を翻して逃げやがった



〈オッパァ!ファイティン!!〉



そのまま大妃様達の後を追い、迎えの車に乗り込む際にもう一度振り返り手を振るテミン
ユンホ殿下まで何で親指立てて合図送ってるんだよ…んもぅ



連なる車が一台ずつエントランスを出て行くのを見送る
国王陛下に改めてお辞儀をして、僕はユンホ殿下の後ろについて東宮殿に戻る



テミンは相変わらずアレだけど、初めての遠出をすごく喜んでいたのは僕まで嬉しくなったな
昨夜もたった一泊の予定なのに必要以上に荷造りがに時間がかかってた



〈トン尚宮さーん!僕のお気に入りのアレ知らない?〉


《ええっ?!テミン様、さっきお渡ししませんでしたか?》


〈うそ~そうだった?おっかしいなぁ?どこ行っちゃったんだろ〉



失くし物はテミンの得意技だけど
“アレ”だけで何かわかってしまう尚宮さんもすごい
そんな賑やかな荷造りを見ているだけで楽しかった



『俺たちもさ…次は一緒に公務に行かせてもらおうな』



ぼんやりと昨夜の事を思い出して歩く僕の手をスッと握り、ユンホ殿下がおっしゃった



僕の方を振り返らずとも、僕の手の位置が分かっちゃうユンホ殿下



こんな何気ない事で
二人の間の距離が近くなった事を実感する



『どこが良いかな?景色が良いところも良いし…釜山みたいに海の幸が美味いところも良いな』



ユンホ殿下は前を向き歩いたままおっしゃる



「僕は…ユンホ殿下と一緒に行けるのならどこでもいいです。一人で待つのは寂しいから…」



そう
ユンホ殿下がご公務でタイに行かれた時は
小さかった頃に経験した、両親が仕事で居ない夜を思い出すくらいに寂しかった



「っ!痛っ」



急に立ち止まったユンホ殿下
僕は殿下の背中にそのままぶつかってしまう



『そうだな、次は絶対二人で行こう。ダメだと言われても…チャンミンをスーツケースに無理矢理入れてでも連れて行くよ』



ユンホ殿下の優しい腕にふんわり包まれる僕は
世界で一番の幸せ者だと思った



でもユンホ様…
スーツケースはちょっとあれかな…






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縁結 第2章 ~至愛 番外篇 5~
2016-12-02 Fri 18:00


このお話は「宮~love in palace~」のパロディです
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side Crown Princess? Changmin



それより少し前の話…



僕は深夜突然やって来る訪問者に気がついた



僕はけっこう早寝するタイプだ
と言うのも
高校時代ずっと早朝にミルク配達のアルバイトをしていたから、その時の習慣がなかなか抜けなくて



王室に来てからも
特段用がなければ、九時にはシャワーを済ませてベッドに入っていた



国王陛下がお身体の調子を崩されて以来
ユンホ殿下は国王陛下の代わりにご公務をなさる事が増え、東宮殿にある執務室に籠られている事が多くなった



昼は僕と一緒に大学に行き、帰って来てからはイ内官さんと共に執務室に消えてしまう
夕飯も一緒に食べる事も減って、何だか寂しかった



せめて、ご公務が終わるまで起きて待っていようとしたんだけれど
ある日ユンホ殿下をお待ちするために東宮殿のホールの椅子に腰かけたままうたた寝してしまって



執務室から出て来たユンホ殿下に怒られてしまった



『チャンミンが起きて待っているって思うと、気が急いて集中出来なくなっちゃうんだ。気持ちはすごく嬉しいけれど、これからは先に寝ていてほしい』



風呂上がりの状態でホールにいたために冷え切ってしまった僕の身体
そんな僕を抱きしめてくださったユンホ殿下の温もりはすごく心地よかったんだ



でも…僕ってば



そんな僕らを微笑ましく見つめるイ内官さんやコ尚宮さんと目が合ってしまい
恥ずかしさの余りユンホ殿下を突き飛ばして自室に逃げ込んでしまったんだ



あとからその話を聞きつけたテミンに
〈恥ずかしがり屋にも程があるよォ~!夫婦なんだからいいじゃない、抱きしめたって〉
と言われてしまった



そんな僕の部屋にここの所
僕が眠った後にやって来る人がいるんだ



僕は大きなベッドになってもまだ、どうしても端っこで小さくなって寝ている事が多い
早寝の習慣と同じで、実家の狭い部屋でテミンと一緒に寝ていた癖がなかなか抜けなくて



端っこで布団にくるまっている僕を
ベッドの縁に顔を乗せて、見つめているその訪問者はユンホ殿下だった



初めて気づいた時には、驚きのあまり声が出そうになったんだけれど
ユンホ殿下はただ黙って僕の頭を撫で、しばらくするとそのまま部屋を出て行く



それより少し前
いつも通り端っこで眠っていた僕が目覚めて、大きく伸びをした後に下ろした手が何かに触れた



僕の横にこんもりした何かが横たわっていて、驚いた僕はその何かを思い切り蹴飛ばした



『イテェ…』



そう言いながらベッドの奥からユンホ殿下が出て来たときは、それこそ心臓が飛び出るくらいにびっくりしたんだけれど



『少しだけ寝顔を眺めてから寝ようと思ったんだけど、あんまりにも寒くて身体が冷えてたからついついベッドに入っちゃったんだ…ごめんな、チャンミン』



そう言って謝るユンホ殿下に、すごく申し訳ない気持ちになった事があった



それからもユンホ殿下は度々、僕の顔を見に来ていた様で
最近は僕も、寝室のドアがガチャっと音を立てただけで目が覚める様になったんだ



眠ったふりをして
ユンホ殿下が撫でてくださる幸せを満喫する



起きていたらそうされる事も恥ずかしいけれど
眠っているふりをすれば、恥ずかしさも消えるから…



合房の儀…いわゆる床入りは終えていても、僕たちが学生だから共寝はしない様にと王妃様に言われている



でも、ずっと夕飯も一緒に食べる事が出来ず
ユンホ殿下が大学に行かない日もあって、僕の寂しさがピークになったある日



いつもは端っこで寝る僕
この日は真ん中で横になり、眠い目をこすりながらユンホ殿下がいらっしゃるのを待っていた



ガチャッ



僕の部屋のドアをそっと開ける音がした
ユンホ殿下だ



いつもは乱暴にバン!と音を立ててドアを開けて



「もっと静かにドアを開け閉め出来ないんですか?びっくりするじゃないですか!!」



と僕に怒られるユンホ殿下なのに
本当はこんな風にちゃんと静かに開けられるんじゃない…と可笑しくなる



その夜もまた、ベッドの脇に来たユンホ殿下は
珍しく空いている端の空間を見て、今日はそこに腰かけたんだ



いつも驚かさせられっぱなしだから今夜は仕返しだ!
そんな思いで、ユンホ殿下の腕を引っ張った



『ひゃっ!!』



驚きながらも深夜という時間を考えたらしいユンホ殿下は、声にならない声で叫んだ



『チャンミナ…起きてたの?』



僕に引っ張られ、のしかかる様に倒れたユンホ殿下が声を潜めて言う



「ユンホ殿下がこっそり僕の部屋に忍び込んでいつも驚かせるから…お仕置きしようと待っていました」



そう言って、握ったユンホ殿下の手の甲をつねった



『ごめん…驚かすつもりは無いんだ。一生懸命頑張って公務をしてきた自分へのご褒美でさ、チャンミンの顔が見たかっただけなんだよ』



ユンホ殿下……
そんな嬉しい事をさらっと言わないでください…



僕は自分が寂しいから
お仕置きを口実にユンホ殿下の手を取っただけです…



そんな思いで、ユンホ殿下の身体をぎゅっと抱きしめた
以前ホールでそうされた様に…



執務室は暖房が入っているだろうけれど
抱きしめたユンホ殿下の身体は冷え切っていた



「ユンホ殿下…ご公務、お疲れ様でした。今日は妃殿下自ら、特別に労って差し上げます」



ふざけた言い方になってしまうのもまた
僕が恥ずかしがり屋だからだ



『チャンミン妃殿下…光栄でございます。私めはきっと明日からも公務に励む事でしょう』



そう返してくるユンホ殿下の口調もまた、おどけた感じだった



ユンホ殿下…
二人で居るって、すごく暖かいですね



豪華な布団よりもずっと
僕はこんな暖かさが嬉しいです



その夜は
一晩中端っこではなくて



ベッドの真ん中に大きなこんもりした塊を作って
朝を迎えたんだ





皆様へ


本篇掲載時同様、週末は更新をお休みさせて頂きます

何卒よろしくお願い申し上げます


ゆんちゃすみ



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