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ご挨拶
2020-09-13 Sun 21:00




皆様はじめまして


当ブログの管理人、ゆんちゃすみと申します


このような所までお運び頂き、恐縮です




私は5人時代に向かって一番右側の方に堕ちまして、再始動以降はお互いを支え合う二人に夢中になって現在に至ります


ひょんなことからお邪魔したブログで、すっかりホミンホに魅せられ……


そちらで日々を過ごすとともに自分でも書いてみたい衝動に駆られ、無謀にもとうとうこのような次第に相成りました


何分にも若輩者故、お目汚しになることも多いと思いますが、ご容赦いただければと思います



至らぬ点も多々ございますが、お付き合いいただけたら嬉しいです



最後になりましたが



このような機会を作ってくださった私の師匠様をはじめ、そこで出会った友達、そして私のために素敵な画像を作ってくださった方に、心からの感謝を申し上げます



私にこんな風に書けたら…というきっかけをくれ、そしてブログ開設まで細部に渡りご指導くださいました師匠様のブログはこちら

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With Love…TVXQ


ブログ開設前から、私のヤル気を引き出すような素晴らしい作品を提供してくださいましたAli様のブログはこちら

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ホミンを愛でるAliの小部屋






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目次
2020-09-10 Thu 18:00



私のブログにお越し頂き、ありがとうございます


師匠様の勧めもありここに今まで書きましたお話を纏めまして、目次とさせていただきます




私は文系で国文科を出ているのですが、社会人になってからも漢字検定を取得する為に勉強をしたりと、奥深い漢字の世界が好きでして…


このブログのお話のタイトルも、全て熟語を選んでいます


タイトルからは内容がわかりにくいと思いますので、あらすじを簡潔に表記致しております


よろしければ、お運びください




短篇

→「手紙(てがみ)」リアル設定のホミン、互いの想いを手紙にしています

→「悔恨(かいこん)」一夜の過ちを過ごした二人で、「耽溺」の元になったお話です

→「密会(みっかい)」リアル設定のホミン
ユノの休暇に会った設定でのお話です

→「恋文(こいぶみ)」リアル設定のホミン
私のタイトルを作って下さっているAli様のお誕生日に、師匠様と対になる形で書いたお話です

→「心酔(しんすい)」パラレル、ホミン
Ali様の作った一枚の作品を元に大喜利形式でお話を書くという企画に、参加させて頂いた物です

→「艶麗(えんれい)」パラレル、ホミン
ブログ開設当初から応援して下さっている読者様のお誕生日に書いたお話です

→「眷恋(けんれん)」リアル設定のホミン
拍手50000回のお礼に書かせて頂いたお話で東方神起の曲「NO」をモチーフに書いています

→「微睡(まどろみ)」リアル設定のホミン
ブログ開設一周年の記念として書いたお話です




「起点(きてん)」全24話完結 〈プラス特別篇〉

→ 私の処女作です
リアル設定のホミン、分裂期に触れています
活動再開が決まる前の二人をイメージして書きました


「華筏(はないかだ)」全37話完結 〈プラス特別篇〉

→パラレル、ホミンです
画家のチャンミンと商社勤めのユノの、一枚の絵画から始まった恋を書いています


「星鏡(ほしかがみ)」全16話完結

→「華筏」の続編となっております
恋を実らせ、共に暮らし始めた二人のその後を書いています


「情火(じょうか)」全36話完結 〈プラス特別篇〉

→パラレル、ミンホです
軍隊を舞台にしています
エリート軍人チャンミンと、兵役についたユノとの禁断の愛を書いています


「扶翼(ふよく)」 第一部11話完結 連載継続中

→「情火」の続編となっております
兵役期間中の二人の恋を書いています。色々な場面の二人を書きたく、部制とさせていただいております


「追憶(ついおく)」 22話 〈プラス特別篇等〉連載継続中

→リアル設定のホミン、1話完結です
私が過去に認めておりました〈東方神起日記〉なるメモに書かれていた内容から、お話を作っています(尚、当時の私はただのペンでホミン萌えって何?というレベルでした)


「耽溺(たんでき)」 全42話完結

→パラレル、ホミンです
短篇「悔恨」での二人を元に、超スーパースターMAXとアパレル勤めのユノさんの恋のお話となっております


「密事(みつじ)」 全44話完結 〈プラス特別篇〉

→「耽溺」第2章となっております
皆様に頂いたお声を元に、続編を書かせて頂きました


「縁結(えんむすび)」全48話完結

→私の師匠であるあゆ様へのお誕生日記念で書かせて頂きました。ドラマ「宮 ~love in palace~」のパロディです


「至愛(しあい)」 全60話完結 〈プラス番外篇〉

→「縁結」の第2章となっております
ドラマ「宮 ~love in palace~」のパロディです


「渇欲(かつよく)」 現在不定期更新中

→職場で一目惚れしたベンツAMGに乗ったユノをイメージして書いております。R18描写が多めですので、閲覧には十分ご注意下さい




皆様に楽しんで頂けると嬉しいです
ここに一つづつ、書き足していけるよう
細々とですが、頑張ります



ゆんちゃすみ




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渇欲 あとがき
2017-05-30 Tue 15:00





親愛なる皆様


こんにちは
当ブログの管理人、ゆんちゃすみでございます


この度、連載しておりました「渇欲」を無事に完結する事が出来ました


不定期の更新だったにも関わらず、多くの皆様から温かい応援を頂戴致しました事に心から御礼申し上げます


今日は「渇欲」の後書きに加えまして、非公開で拍手コメントを頂いた皆様への御礼並びに近況報告をさせて頂きたいと思います


お時間がございましたら、しばしお付き合いください





「渇欲」は今までにも何度かお話しした事があるかと思いますが、私が勤務しております職場で見たメルセデスベンツAMGがきっかけでした


ベンツといえば何となく富の象徴という感じがあり、自分に縁もない事もあってじっくり見た事もありませんでしたが…


その車以外にもたくさんのベンツが駐車している中で、そのメルセデスベンツAMG S63は一際上品な雰囲気があり目を引きました


停まっているのを見ては〈こんな車から髪をきっちりセットしてビシッとスーツを着たユノが出てきたらさぞや絵になるだろうなぁ~〉と妄想する事がしばしばで(笑)


とうとうお話を作るまでに至った次第です


三十代前半という若さでグループ企業を束ねる若き代表チョン・ユンホ


その威風堂々とした姿の裏には、悲しい過去と暗黒の部分を持ち合わせる謎の人物…


とある事件から、そんなチョン・ユンホと出会ったマイナー新聞の主筆シム・チャンミン


そんな設定で書き始めましたが、やはり内容が内容だけにどうしても書ききれず長くなってしまったなぁと思います


今まで書いた事のないシリアスなテイストだった事で、背景やその周辺の設定に非常に手間取りました


出来る限りユノの重厚な存在感を表す様にし、彼がいかに力を持っているかということをどう表していくかに神経を使いました


対してチャンミンは型にはまらない自由な性格で、妙な正義感とその正義感をうまく発揮出来ない自分の境遇にもどかしさを感じているという設定


ユノとは10歳程度の歳の差を持たせ、自分とは違う大人の雰囲気を持つユノの魅力に次第に堕ちていくというシナリオとしました


ユノの過去、そして発端となった事件の裏…


全てを回収するまでには至らなかったと思いますが、一つの物語としては何とかまとめられたかなと自分では納得しての最終回とさせて頂いた次第です


実は、もっともっと長くなってしまいそうだったので自分で無理矢理まとめた感もございました


と申しますのも、あまりにもこの二人に情が湧いてしましまして…
書きたい事が次から次へと出てきてしまい、欲がどんどん膨らんでしまう状態でした


チャンミンが真相に迫って行くのを、ユノが笑いながら押し戻して行くという展開も書きたかったんです


うなだれたチャンミンに対して
力とはそういうものだと、ゆったり椅子に座り嘲笑する様なユノを書いてみたかった(笑)


またいずれ皆様のお声を頂くことがあれば、続編を書く機会を持ちたいなぁと思っております





【拍手コメントの御礼】


渇欲59話にコメントをくださったmi******様

温かいお言葉を頂き本当にありがとうございます
GWで忙しかった直後だった事もあり、仕事から帰ると放心状態でいつの間にか寝落ちする事もしばしばでした^^;
なんとかあと三週間ほど乗り切れば、普段通りに休めると思うのですが…

ユノの辛い過去は、自分で書いていて感情移入してしまいまして…彼の悲しみから這い上がる所ももう少し細かく書きたかったのが出来なくなりました

上でも書きました様に、無理矢理まとめた感じになってしまいました事をお詫び申しあげます


渇欲 最終話にコメントをくださったき***様

嬉しいお言葉を頂き本当にありがとうございました
ストレートなそのお言葉が、何よりの励みとなりました

また機会がございましたら、お声をお聞かせ頂けると嬉しいです





【近況報告並びに今後につきまして】


皆様にご心配をおかけしております愛犬は、おかげさまで元気に過ごしております


血液検査の結果が先月、今月と連続して改善の傾向にあり
週に一度受けていた点滴も二週に一度になった事で、私も愛犬も随分と負担が減りました


腎臓病用の療法食しか食べられない事でストレスを感じているのか、最近は今までした事がない様なイタズラをする事が増え困惑しておりますが…


療法食を食べる事で明らかに腎臓の数値が改善しているので、彼の好きなオヤツも処分して心を鬼にして彼と向き合っている毎日で正直辛いです


そんな私に平然と「たまにはオヤツ食べさせてやりなよ」と無神経に言う夫にも日々イライラさせられながらも、何とか過ごしています





除隊を心待ちにしていた方にもその姿を見たいがために漁った情報で、数年前居なくなった筈のスタイリストが兵役中のみならず除隊後も連日そばにいるという事態を目の当たりにし、だいぶ落ち込みました


ここにお運びくださっている方は、私と同じようにこの件で困惑されている方もいらっしゃるでしょうし、むしろスタイリストの存在も知らない方もいらっしゃるかもしれません


それ故
この件に関してはここでは伏せさせて頂き、別の機会で書きたいと思います





先日「渇欲」の末尾でも触れさせて頂きましたが
勤務先の同僚が怪我をしてしまって、繁忙期という事もあり現在ほとんど休みなく働いている状況です


愛犬の件もあり何とか工夫をして短時間での勤務となる様にしてますが、さすがに若い頃の様に休み無しでも平気というわけにはいかず…


気づくと意識がなくなって、夕方ハッと目を覚ます事もしばしばです^^;


そして今後につきまして…


「渇欲」同様に不定期の更新になってしまうと思いますが、新作を更新させて頂きたいと思っております


余裕がある時に書き進めて、近いうちに第一話を更新する予定です


思い出した頃にでも、覗いて見て頂ければ幸いです




最後になりますが
皆様から頂戴する拍手や温かいお言葉は、私の落ちたモチベーションを引き戻してくれる大きな活力です


上手い言葉が浮かんでこないのですが、心から感謝申しあげております


皆様の愛する東方神起が一日も早く完全体となり活動してくれる事を、共に待ち続けていければいいなと思っております


5月とは思えない暑い日が続きますが、皆様におかれましてはどうぞお身体をご自愛くださいます様に


それでは、また





ゆんちゃすみ





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渇欲 61 -最終話-
2017-05-29 Mon 21:00


このお話はフィクションです






「ミノっ!モタモタしてないで行くぞ!」


〈ヒョン、待ってってば!まだパソコンの電源落ちてないよ〉






あれから一カ月…



安定した支持率の元、建国以来初の長期政権になると思われていた大統領に突如降って湧いた汚職報道は、追い詰められた大統領の辞職で幕を下ろした



いや
幕を開けた、という方が正しいだろうか…



その後、大統領選に出馬した人物を見て
俺は全てのからくりが解けた様な気がしたんだ



大統領の辞職で勢いをなくした与党に変わり、最大野党のスンリ党が支持率を上げていた



庶民派で大衆から絶大な人気を誇っていた党首オ・ソクチュを筆頭に、スンリ党が次期政権を担うと誰もが予想していた



だが
公示された大統領選で、そのスンリ党の推薦を受け立候補したのはあの男だったんだ



そう、あの日…
スムダン電子の会長とその愛人のアイドルと一緒に居た検察庁長官だ



大統領候補として有力だと言われていた国連大使だった男も、何故か出馬を取り止めて
有力な対抗馬が誰一人居ないという、出来レースの様な大統領選が始まった



この一連の流れの裏側に
全ての“真実”が隠されているのだと俺は確信した



そんな中で
パソコンで記事を作っていたミノを急かし、取材バッグを背負って事務所を飛び出したのは



俺の最大の“標的”が動きを見せたからだった



電子機器メーカー最大手だったスムダン電子を手に入れ、その勢力を拡大し続けているテソングループ



もはや向かう所敵なしの勢いで我が国最大規模の企業に成長した、そのテソングループの若き代表チョン・ユンホ



どうやら彼が、出張先の欧州から帰国するらしい



ちょうど良く通りかかったタクシーを拾い二人で乗り込みながら
「運転手さん、仁川空港まで!」と行き先を告げた



仁川空港まで出向き、ヤツの帰国をこの目で確かめたいのには理由があった



今はそこに住むべき主が不在の青瓦台
あと一週間もすれば、出来レースを終えた元検察庁長官が新大統領として住む事になるその場所



現国会議員が慌てふためき、予定をキャンセルしてまで続々と集結しているという噂をキャッチしていたんだ



情報が渦巻くネット社会
その世界で、まるで闇の番人の様に羅列する文書を追っている堕天使がリークしてくれたんだけど…



その騒ぎに合わせて
ヤツが帰国してきたような直感が働いたんだ



〈前に言ったでしょ?紫蘭が事実上の青瓦台になるって。新しい大統領は、紫蘭の主の傀儡だよ〉



何台も置かれたパソコンに、人工的な蒼色の目を向けながらテミンが言った



狎鴎亭の闇を監視しながら彼が忙しなく指をキーボードで動かしているのは
世界中の株式市場をくまなくチェックして、経済の動向を見ているんだと後々知る



あれから調べてみたところ、テミンは国内トップの高校に通っている高校生だと知った
高校は欠席しがちだが、彼の“昼”の居場所である清潭洞の屋敷で執事の男が勉強を見ているらしい



俺が行った時、いかにも優秀そうだと思った執事の男は
チョン・ユンホの後輩で、経営学を専門にしている男だという事も調べ上げた



チョン・ユンホが、自分の姉の忘れ形見であるテミンをテソンの後継者にすべく
密かに育てていることを、この時は知る由もなかったんだけれど…



毎晩の日課の様になっているクラブ【紫蘭】での張り込み
紫蘭が店を開けるまでの間、俺はテミンが居る雑居ビルの地下室で過ごす事が増えた



テミンがハマっていたゲームに俺も一時期課金しまくるくらいハマってた時があって、その事でなぜか意気投合してしまったんだ



俺が作るウェブニュースペーパーに広告を出してくれる店を見つけてくれたり
記事になりそうな狎鴎亭での出来事をリークしてくれる



叔父である肉親が、実は身近で密かに見守っていることも知る事もなく
実の叔父を亡き父親の仇だと信じ、その相手を倒そうと孤軍奮闘していたテミンは



報道記者であるにも関わらず自分の生い立ちを根掘り葉掘りする事なく、ただあっさりと接してくる俺に心を開いたらしい



新聞社を出た後、テミンの“夜”の居場所である狎鴎亭の地下室で
彼が夢中になっているオンラインゲームの攻略法を話したりして時を過ごし、その後紫蘭へ向かう



これが
この一ヶ月に出来た、俺の新しい日課だ



そしてもう一つは



毎朝出勤前の一時間、それだけの為に買った真新しいスニーカーを履き
狎鴎亭近くにある高級マンションの最上階から、ボルゾイを連れ出してジョギングする事



俺にすっかり懐いたフレアの散歩が
出勤前の新しい日課になった



『俺は明日からヨーロッパに行く。各国の財界人に会わねばならないから、いつ帰るかわからん。
だからお前は、当分ここから新聞社に行け』



一週間前の朝
いつもの様に散歩から帰ったフレアのブラッシングをしている時、大きなスーツケースを押したヤツに言われた



チョン・ユンホ…
俺の最大の“標的”であり、いつの間にか“恋人”になっていた男だ



「はぁ?何で俺が?
俺はあんたの家のハウスキーパーじゃねーよ」



と言いつつ
ヤツが部下に用意させた俺用の服や雑貨類は
いつの間にか、ヤツの家のあちこちに増えているんだけれど



『ハウスキーパーよりお前が良い……とフレアが言ってるのでな』



フレアの頭を軽く撫でた後
その脇にしゃがんでいる俺の顔を前屈みになって覗き込むチョン・ユンホ



『俺も、帰ってきた時お前が居てくれる方が嬉しいからな』



近過ぎる距離感でそんなことを言われて
顔が赤くなるのを隠す様にヤツから背ける



そんな俺を見てヤツは『フッ』と小さく笑い、俺の頭を抱え込んで口付けた後
そのままスーツケースを押して部屋を出て行った



アイドルの死の裏側にある“真実”



そこに少しずつ近づいていった俺は
同時に、チョン・ユンホという男の“真実”に惹かれていった



普通に生きていたら知る事のなかった
闇の向こうにある“真実”



そこに俺が辿り着く時はもう



チョン・ユンホの魅力が荊のように俺の身体に絡みつき
そしてヤツの愛の牢獄へと永遠に閉じ込められるだろう



引き返す?
いや、その選択肢は俺には無い



今は
行き先が見えない荊の道を、あの男と共に歩いて行こうと決めた



到着ロビーに姿を現したチョン・ユンホ
忙しそうに予定を読み上げる秘書の男とは裏腹に、ヤツだけは悠然と時を進めている感じに見えた



この国を影で動かす男の度量は、そんなところからも見て取れた



物陰でなく、正々堂々とヤツの前に立ちはだかる
ミノがシャッターを切るのをヤツの秘書が慌てて制する



「おかえりなさい、チョン代表。ヨーロッパでは何か得る物はありましたか?」


『英国のEU離脱で騒ついていた経済界も、落ち着きを取り戻した様で結構だった』


「主不在の青瓦台に国会議員の連中が続々と集結しているという情報を得ました。
恐らくは、次期大統領の影にいる真の帝王に忠誠を尽くす為だと思われますが?」


『我が国は帝国ではない。帝王など存在しないのではないか?面白い記者さんだ。名前は?』


「チンシルウィークリーのシム・チャンミンです。」


『フッ……良い目をしている。シム・チャンミン、覚えておこう』



そう言って俺の肩をポンと叩いたチョン・ユンホは



『今夜は先週の日曜に作ってくれたタコのポックムがいい』



そう小声で言い大股で歩きながら、秘書と共に空港のエントランスへと消えていった



「はぁ?今からじゃあ釜山のタコなんか手に入れられねーよ」



そんなことを言いつつ
きょとんとするミノを横目に、知り合いのスーパーに電話する俺だった



ついでにフレアにもポッサムを作ってやろう…
釜山のイイダコと豚のブロック肉を取って置いてもらう様に頼んでから、ミノの手を引きタクシーに乗り込んだ



「運転手さん!前のあの黒いベンツ!あれを追ってくれ!

なーに、妙な連中が乗ってるんじゃないから大丈夫だって。生き別れの妹が大会社のスケベジジイの愛人になっちゃってさ、あれに乗ってるんだ。

追っかけて家族の元に取り戻したいんだよ。弟とこうしてやっと見つけたんだ」



相変わらずの演技力で運転手のやる気を引き出した俺は、スマホで来週の記事を書き始めた



〈新大統領の影に君臨する青瓦台の本当の主、狎鴎亭の帝王とは〉……






渇欲 -完-





最後までご覧頂き本当にありがとうございました


ゆんちゃすみ




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渇欲 60
2017-05-18 Thu 21:00


このお話はフィクションです
血縁者の設定ですが第三者の女性が登場します
予めご了承ください






隣に眠る男は
時折寝返りを打ちながら、静かな寝息を立て続けている



少しウェーブがかった柔らかい髪の毛を撫でながら、一人話しを続ける



聞こえていないはずの相手に
封印した筈の過去を打ち明けているのは何故なんだろう…



俺の中で
自分自身の縛を解きたい願望が生まれたからかもしれない



シム・チャンミンが与えてくれた温もり
それが、探し求めていた温もりに似ている気がする



亡き姉の…温もりに…






俺は内定していたシリコンバレーにある企業への就職を取り止めた



姉さんとお腹の中にいた我が子を母校のそばにある墓地へと埋葬した後、全財産を教会へ寄付して俺は米国を離れた



大学の先輩のツテを頼りに韓国での就職を決めたのだ
姉の忘れ形見であるフレアと共に韓国へと降り立った



そしてもう一人の忘れ形見…
姉がひっそりと産み落としたテミンを実父の元へ連れ帰る



その事を
これから始まる姉の居ない虚しい日々を生き抜くための目標にした



俺の甥である彼
甥であるという血の繋がりよりも、俺の愛した人の子供だから



韓国での俺の就職を斡旋してくれた先輩に、偶然にも姉のいた旅行会社に知り合いがいたため
姉が妊娠した頃によく接待していた財界人を調べてもらっていた



それと同時に俺自身も
テミンを韓国へ呼び寄せるための基盤を整えることに専念した



レジャー産業から多方面に事業を拡大し始めていたテソンという企業へ勤めた俺は
先輩の推薦もあって、瞬く間にトップの人物にも顔を知られるほどになる



一代で自身の会社を韓国有数の企業へと育て上げた代表は、親の仕事のために日本で生まれ育った
日本のトップの大学を卒業するほど優秀で、親と死別した時に母国に戻り起業した人物だった



自分と同じ様に外国の大学を出た俺を可愛がってくれて、一人で暮らす清潭洞の屋敷にもよく招いてくれて美味い食事を食べさせてくれた



ある日その屋敷に招かれた時
代表に急な案件で電話がかかり、俺と一緒に寛いでいたリビングを出て行った事があった



手持ち無沙汰になった俺は椅子から立ち上がり、リビングに掛かる大きな絵画を見て回る
その時、部屋の隅に置かれた小さな額が目についた



壁に飾られた有名画家の作品とは違い、それは明らかに素人が描いたと思われる稚拙な絵で
描かれているのはシンプルな紫色の花の絵だった



“誕生花である紫蘭の様な慎まやかな君”



絵の隅に書かれた小さな文字を食い入る様に見た後、ふとその花に見覚えがあることに気づく
姉さんが自分でオーダーして愛用していた便箋の絵柄の花によく似ていたのだ



〈ユノ、聞いて。
私ね、昔から紫色が好きだったのは誕生日のお花が紫色の蘭だったからかもしれないわ。

いつか…遠く離れた日本で咲く紫蘭という花を一度見て見たい〉



そして、そう言ってパソコンで紫色の花を見ていた姉の言葉も思い出した



代表が戻るのと同時に、俺の携帯電話が鳴り始める
代表に目礼をして通話ボタンを押すと、それは米国の先輩からかかった国際電話だった



〈ユノ、お前の姉さんが一時期付きっ切りで接待していた財界人がいる。シリコンバレーの企業が招いた韓国のレジャー産業の会社の社長だ。

テソングループの代表が、お前の姉さんを専属通訳にして連れ歩いていたらしい〉



身体の中心を稲妻が走った様な感触がした



俺の事を目にかけてよくしてくれている、目の前で柔和な笑みを浮かべ座るこの人物…
彼こそが姉を妊娠させ、その事実も知らずにその場限りで姉を見捨てた男だと知った



独身で身寄りが居ないということで
同じ境遇の俺を可愛がってくれたこの男が…



信じられないという思いと、それくらいの非道さがなければ一代でここまで会社を大きく出来ないという思いが交差する



〈どうしたんだね、チョン君。
顔色が良くない、座りなさい。水を持って来させよう〉



俺の背を支え椅子へと座る様促す代表
確かに…テミンの顔立ちは姉によく似ていたが、丸めの鼻は代表に似ている気もした



『代表は絵もお描きになるんですか?』



代表の目が隅に置かれた額に動く



〈いや、なに…戯事の様なものだ〉



その言葉の本意は、絵の出来栄えを自嘲する言葉だったと思う
しかし俺には、姉との事がそうだったと言ってるように思えてしまった



そして、この日から俺は
姉の忘れ形見であるテミンにこの男の財産全てを遺そうという画策が始まったのだ



自分を偽り、全てに打ち勝つ揺るがない心を持つ
感情というものは姉と我が子ポラと共に地中へ置いてきたのだ
俺は…自分という存在を硬く閉ざして生きてきた



数年後
身寄りが居ないと嘆いていたテソン代表の養子になる事に成功した俺は、病床の代表にあなたには血を分けた実子がいるのだという事実を告げた



我が子がいるのに、他人である自分に育て上げた会社を奪われる思いはいかがかと尋ねた時
代表は声にならない声を酸素マスク越しに叫びながら、俺の腕を掴み息を引き取った



死にゆく者へ、あえて残酷な事実を告げたのは
俺の叶わなかった願いが、この冷たくなった男には叶えられているという事への嫉妬があったのだと思う



姉と俺の子は
生まれてくる事も無く、その母と共に冷たい土の中で眠っている



姉とこの男の子は
両親が誰かわからない境遇ではあるものの、その生命をこの世へと送り出してもらえたのだから



米国に迎えにやらせたテミンをこの地で迎え入れた時
俺の秘書になった先輩であるジェウンに、逆に自分との関係性は伏せて事情を話させた



幼かった頃俺の腕の中で嬉しそうに遊んでいた記憶が、昔の事過ぎて残っていない事も幸いし
テミンは俺を実の父親から全てを奪った憎き相手と認識した



書類上での兄弟だと、作られた関係をそのまま理解して
子供そのもののあどけなかった顔つきに、憎しみの顔を自然と浮かべさせた



控えめだった姉…
全てにおいて自分を犠牲として、その人生を俺へ捧げてくれた姉…



その姉の性格に、テミンが似ていると困るからあえてそうしたのだ



愛しい人の忘れ形見であるテミンが成長した時
これ以上ないくらいに大きくしたこの会社を渡そう…その言葉は伝えずに、彼を突き放した



自分の目で、頭で、手で
全てを理解し掴み取れる実力があれば、俺からテソンを取り戻せばいい
そう言って、掴みかかってきたテミンの腕を振り払った



俺に抱きついて離さなかったテミンの小さな手は
もう一人前の大人の大きさに成長している
死にものぐるいで働き、俺を育ててくれた姉の子であれば…きっとテミンは大丈夫だろう



成長してきて姉にますます似てきた彼を見るのは辛く
時折彼につけた執事からその日常を聞いていたが、テミンに会う事をせず逃げてきた



結局は、俺が一番の弱者なのかもしれない



その答えに行き着いた頃
夜明けを迎えた事を知らせる朝焼けが、目の前の窓いっぱいに広がり始める



明るくなり始める部屋の中でこの男が目覚める時
今朝は、どんな第一声をあげるのだろうか



いつの間にか俺の縛を解き、するすると中に入り込んだシム・チャンミンは
俺がせっかく話した大スクープを聞く事もなく、俺の腕の中でもう一度寝返りを打った







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